横浜の行政書士が教える!旅行業登録の種類と区分の選び方【第1話】

はじめまして!横浜の行政書士、田中です。37年にわたり旅行業の最前線で「旅を売る」現場を駆け抜けてきた経験を活かし、現在は「旅のインフラを作る」側から業界を支えています。
旅行業は地域を支える大きな力を持っていますが、新規参入には特有の障壁が存在します。
「横浜花博(GREEN×EXPO 2027)」を一年後に控えインバウンドを含め旅行需要が加速する今、まさに「今が参入の好機」だと確信しています。確実な一歩を踏み出すために、まずは旅行業登録の全体像を一緒に紐解いていきましょう。
旅行業登録とは?区分の違いと選び方を解説|第1話
「旅行会社を立ち上げたい」、「宿泊施設で周辺のアクティビティをセット販売したい」、
「貸切バス事業者がインバウンド需要を取り込むために旅行業を兼業したい」
そう考えたときに、まず理解しなければならないのが「旅行業法」です。
旅行業は、お客様の安全と金銭を守るため、非常に厳格な登録制度が設けられています。今回は、開業の第一歩として知っておくべき「旅行業の定義」と「種類」について分かりやすく解説します。
そもそも「旅行業」に該当するのはどんなビジネス?
旅行業法では、以下の3つの条件をすべて満たす行為を「旅行業」と定義しています。
①報酬を得る:手数料や企画料、利益を含んだ代金を受け取ること
②旅行者のために:消費者の依頼やニーズに応じること
③一定のサービスを手配・企画する:運送(バス・航空等)や宿泊、食事のサービスを自ら、または代理で行うこと
これらを無登録で行うと「無登録営業」として厳しい罰則(旅行業法第74条第1号により1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその併科)の対象となるため、事前の正しい登録が不可欠です。
主な業務の具体例
•パッケージツアー(企画旅行)の作成・販売:目的地、宿泊、食事、7交通手段をセットにして販売する(募集 型・受注型)。
•手配旅行:お客様の依頼で、個別に航空券や貸切バス、ホテルを予約・手配する。
•旅行相談:相談料を徴収して旅程の作成や見積もり、情報提供を行う。
•添乗・ガイド手配:旅行に付随するサービスの手配。
登録区分の選び方:あなたのビジネスモデルはどれ?
旅行業は、取り扱う業務の範囲(海外か国内か、自社企画ができるか)によって、登録すべき区分が分かれています。
旅行業登録の5区分:比較早見表
| 登録区分 | 登録先 | 主な特徴と業務範囲 |
| 第1種 | 観光庁 | 海外・国内すべての旅行の企画・募集・販売が可能。大規模な総合旅行社向け。 |
| 第2種 | 都道府県 | 海外は受注型企画旅行・手配旅行のみ(募集型企画旅行は不可)。国内は募集型・受注型企画旅行の取り扱いが可能。 |
| 第3種 | 都道府県 | 国内の募集型企画旅行は、営業所周辺の限定区域内でのみ実施可能。 海外の募集型企画旅行は実施不可。ただし、受注型企画旅行および手配旅行は国内・海外ともに実施可能。 |
| 地域限定 | 都道府県 | 営業所のある市町村とその隣接エリアに特化した取扱のみ。募集型企画旅行の地理扱いはできません。着地型観光に最適。 |
| 代理業 | 都道府県 | 自社での企画は行わず、他社(第1〜3種)の商品を代行販売する窓口業務。 |
行政書士のアドバイス
最初から「第1種」を目指すと、基準資産額(3,000万円以上)などのハードルが非常に高くなります。まずは「第3種(300万円以上)」や「地域限定(100万円以上)」からスタートし、事業拡大に合わせて区分を変更していくのが現実的なルートです。
なぜ「登録制度」がこんなに厳しいのか?
旅行業が許可制ではなく「登録制」をとっているのは、消費者の保護が最大の目的です。
旅行代金は「先払い」が多く、万が一出発前に会社が倒産してしまうと、旅行者は大きな不利益を被ります。そのため、法律では以下のような義務を課しています。
•営業保証金の供託:トラブル時の返金原資を確保する(または旅行業協会への入会)。
•旅行業務取扱管理者の設置:営業所ごとに試験に合格した責任者を置く。
これらは、いわば「旅行業を営むためのパスポート」のようなものです。
登録の有効期間と更新
せっかく取得した登録も、期限を過ぎると失効してしまいます。
•有効期間:登録の日から5年間
•更新手続き:有効期間満了の3ヶ月前から2ヶ月前までに申請を完了させる必要があります。
※なお「旅行業者代理業」には更新制度はありません。
まずは「どの区分」を目指すか決めましょう
旅行業開業への道のりは、まず「自分がどのような旅行を、誰に提供したいか」を明確にし、適切な区分を選ぶことから始まります。
次回は、開業希望者が最も苦労する「3つの登録基準(財産的基礎・人的要件・欠格事由)」について詳しく解説します。
次回の予告
登録区分を決めたら、次はいよいよ具体的な「旅行業登録の要件。財産・人・資格の3大条件」についてお伝えします。この3大条件をしっかりと確認していきましょう!お楽しみに。
旅行業の登録申請にお悩みの方へ
旅行業の登録には複雑な要件がありますが、当事務所の「旅行業登録申請サポート」では、事前相談から書類作成まで一貫して引き受けております。複雑な基準資産額の計算から、自治体との事前協議、申請書類の作成までトータルでサポートしております。「自分のビジネスがどの区分に該当するか知りたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。
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(現在登録申請中 令和8年5月開業予定)
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