横浜の行政書士が教える!旅行業の営業保証金と供託金のルール【第3話】

こんにちは!
旅行業で37年、業界を知り尽くした旅行会社出身の「横浜の行政書士」が語る「開業後の落とし穴」シリーズ、第3回です。
順調に集客が進み、売上が伸びてくると——
経営者としては嬉しいですよね。
しかし実はここに、
見落とされがちな落とし穴があります。
「売上が増えると、保証金も増える」
旅行業特有のこのルール、
知らないまま運営しているケースも少なくありません。
「順調=安心」ではない理由
売上が伸びている会社ほど、
- 追加の資金が必要になる
- 手続きが増える
- 管理の負担が大きくなる
といった変化が起きます。
その中でも特に重要なのが——
👉 保証金(営業保証金・弁済業務保証金分担金)です。
これは万が一トラブルが発生した際に、
旅行者を保護するための“担保”のようなもの。
👉 事業規模に応じて責任も大きくなるという考え方です。
落とし穴①:取引額の報告を軽く見ている
旅行業者には、毎事業年度終了後——
👉 100日以内に取引額を登録行政庁(登録を受けた行政機関)へ報告する義務があります。
ここで注意したいのが、
👉 「売上」ではなく「取引額」という点です。
- 自社の企画旅行(受注型企画旅行・募集型企画旅行)
- 受託旅行(関連商品販売を含む)
- 手配旅行
これらを含めた“総額”で判断されます。
落とし穴②:追加供託のタイミングを逃す
報告した取引額によっては、
👉 保証金の積み増し(追加供託)が必要になります。
そしてここが最大のポイント。
👉 期限は報告後21日以内とかなりタイトです。
■流れを図で整理するとこうなります👇
【決算終了】
↓
【取引額の集計】
(※売上ではなく総取引額)
↓
【100日以内】
取引額を登録行政庁へ報告
↓
【保証金額の再計算】
(基準額と現在額を比較)
↓
┌───────────────┐
│ 不足なし → そのままOK │
└───────────────┘
↓
┌───────────────┐
│ 不足あり → 追加供託必要 │
└───────────────┘
↓
【21日以内】
追加供託 or 所属会への分担金納付
↓
【届出提出】
↓
【適法に営業継続】
※よくある失敗パターン
- 決算処理に追われて後回し
- 資金準備が間に合わない
- 「とりあえず営業優先」で放置
👉 気づいた時には期限切れ、というケースも珍しくありません。
落とし穴③:気づかないまま違反状態に
追加供託をしないまま営業を続けると、
👉 登録要件を満たしていない状態となります。
つまり、
👉 適法に営業できていない(違法営業)扱いです。
■この流れ、こうなると危険です👇
売上アップ
↓
取引額増加
↓
報告はした
↓
追加供託が必要だった
↓
(放置・遅延)
↓
❌ 保証金不足のまま営業
↓
👉 要件未充足 👉 行政処分リスク
実務での対策(ここで差がつく)
- 決算スケジュールと連動して報告準備
- 取引額を月次で把握しておく
- 保証金増額の可能性を事前に試算
- 21日以内に動かせる資金を確保
- 追加供託または分担金の納付
■できている会社はこう動いています
👇【月次管理】
取引額を常に把握
↓
【決算前】
保証金の増額を試算
↓
【決算後】
すぐ報告準備
↓
【資金確保済み】
↓
【余裕をもって追加供託】
↓
⭕ 安定経営
👉 ポイントは「後追い」ではなく「先回り」です。
行政書士からのワンポイント
協会(JATA・ANTA)に加盟している場合は、
営業保証金の5分の1の分担金で済むため、追加負担は軽減されます。
とはいえ、
👉 数十万円単位の資金が急に必要になるケースも
珍しくありません。
「売上が上がって嬉しい!」だけで終わらせず、
👉 「保証金も増えるかもしれない」
とセットで考えることが、
安定した経営につながります。
わたくしたち行政書士は営業許可の更新忘れがないか、行政への報告義務を適切に果たしているかなどの管理を適切に行う仕事を行っています。
一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか?
まとめ:売上アップは“管理力”が試される
旅行業では、
👉 売上の伸び=管理レベルの引き上げを意味します。
ここに対応できるかどうかで、
👉 「伸びる会社」と「止まる会社」が分かれます。
次回予告
第4回は——
👉 「変更届の出し忘れ:役員交代や住所移転の落とし穴」
これは“うっかり”が一番危険な手続きです。次回の記事を楽しみにお待ちください。
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当横浜の行政書士のアトリエでは
•開業後のコンプライアンス診断
•要件充足の確認
•実務運用のアドバイス
など、実務に即したサポートを行っています。
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