横浜で宿を始めるなら?民泊と簡易宿所の物件選び【第2話】

横浜で宿を始めるなら?民泊と簡易宿所の物件選び【第2話】

こんにちは。
旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜(泉区)の行政書士のブログです。

第1話では、
「民泊」と「簡易宿所」の制度の違いを解説しました。
しかし、実務の現場で最も“ボツ案件”になりやすいのは、
今回お話しする
👉「物件選び」
です。

旅行業時代の私は、
「魅力的な内装」
「SNS映えする空間」
これが宿の価値だと思っていました。
もちろんそれも大切です。

ですが行政書士となった今、
👉物件を見る時に最初に確認するのは、
•図面
•建築確認済証
•消防設備
•天井裏
•避難経路
です。

なぜなら、
宿泊事業は“建物の法律”をクリアできなければ、
そもそも営業できないからです。

そして、
簡易宿所と民泊では、
求められる「建物のスペック」が大きく異なります。

今回は、
👉開業前に必ず知っておきたい
“物件選びの落とし穴”
を解説していきます。

1.建築基準法の「用途変更」という高い壁

住宅を宿に変える場合、
最初に問題になるのが、
👉都市計画法に基づく「用途変更」
です。
これは、
法律上の建物用途を、
「住宅」→「ホテル・旅館」
へ変更する手続きです。

簡易宿所は用途変更が必要になるケースが多い

旅館業法による簡易宿所は、
👉建築基準法上、
「ホテル・旅館」に分類されます。
特に延べ面積が200㎡を超える場合は、
建築確認申請が必要になるケースが多く、
ここで大きな壁にぶつかります。
例えば、
•非常用照明
•排煙設備
•避難経路
•階段幅
•防火区画
など、
現在の基準へ適合させる必要が出てくる場合があります。

つまり、
“古い建物ほど改修費が膨らみやすい”
のです。
実際、
👉「購入してから気づいた」
というケースは少なくありません。

民泊は用途変更不要のケースが多い

一方、
住宅宿泊事業(民泊)は、
法律上「住宅」として扱われます。

そのため、
原則として用途変更は不要です。
つまり、
•戸建住宅
•空き家
•相続物件
などを比較的活用しやすいのが特徴です。

ここが、
民泊が「小さく始めやすい」と言われる理由のひとつです。

2.消防設備の厳しさは想像以上に違う

次に重要なのが、
👉消防法です。
ここは、
宿泊事業で最も軽視してはいけないポイントです。

なぜなら、
消防設備は
“宿泊者の命を守る設備”
だからです。

簡易宿所は非常に厳しい

簡易宿所は、
原則として
特定防火対象物(5項イ)」(旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの)
として扱われます。
そのため、
•自動火災報知設備
•誘導灯
•消火器
•非常警報設備
など、
厳格な設備基準が求められます。
小規模物件でも、
数十万円〜百万円単位の工事になることがあります。

民泊では、

•家主居住型
•小規模運営
など一定条件を満たすと、
住宅用火災警報器ベースで認められるケースもあります。

ただし、
これは
「どんな民泊でも簡単」
という意味ではありません。
横浜市では、
消防との事前相談が非常に重要です。

3.「フロント」の考え方も違う

宿泊業では、
本人確認や安全管理も重要です。
簡易宿所は玄関帳場が原則必要

簡易宿所では、

原則として
「玄関帳場(フロント)」
が求められます。
ただ最近は、
•タブレット
•スマートロック
•オンライン本人確認
など、
ICT(コンピュータやインターネットを活用した通信技術をいう)を活用した運営も増えています。
観光業界全体が、
省人化・無人化へ進んでいる流れを感じます。

民泊は

比較的柔軟です。
民泊は、
「住宅」の延長線上にある制度だからです。
そのため、
物理的なフロント設置までは求められません。
👉小規模スタートしやすい理由は、
こうした制度設計にもあります。

Q&A|物件選びでよくある質問

Q1.古い空き家でも民泊はできますか?

可能です。
ただし、
•接道
•消防設備
•建築確認済証
•違法増築
などの問題があると、
追加工事が必要になるケースがあります。
特に古民家系は、
“雰囲気”だけで決めないことが重要です。

Q2.建築確認済証がないとダメですか?

かなり重要です。
特に簡易宿所では、
建築確認済証の有無によって、
手続き難易度が大きく変わります。
紛失しているケースも多いため、
購入前確認をおすすめします。

Q3.民泊のほうが圧倒的に簡単ですか?

「始めやすい」のは事実です。
ただし、
•180日制限
•条例
•近隣対応
•管理体制
など、
別の難しさがあります。
だからこそ、
「どんな宿を作りたいか」
から逆算することが重要です。

まとめ|“安い物件”が成功物件とは限らない

宿泊事業では、
「安く買えた物件」
より、
👉「合法的に営業できる物件」
のほうが圧倒的に重要です。

特に簡易宿所は、
•建築基準法
•消防法
•用途地域
が複雑に絡みます。
だからこそ、
契約前の確認が極めて重要なのです。

私は旅行業界で37年間、
観光の現場を見てきました。
そして今、
行政書士として感じるのは、
👉“宿づくりは、物件選びで8割は決まる”
ということです。

宿泊業は、
単なる不動産投資ではありません。
地域に人を呼び、
旅の記憶を作る仕事です。
だからこそ、
最初の一歩を、
慎重かつ戦略的に進めていきましょう。

次回予告

次回は、
“契約した後では遅い”「この物件NGです」になる前に|横浜民泊の用途地域と条例の落とし穴|第3話
「良い物件が見つかった」と思っても、
•用途地域
•横浜市条例
•近隣環境
•学校・住居地域との距離
などの条件によって、
営業そのものが難しくなるケースがあります。
横浜民泊の用途地域と条例の注意点について、
実際によくある失敗パターンも交えながら解説していきます。
宿泊事業の成功を次回も、
現実的な視点で一緒に組み立てていきましょう。

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👉“地域に人を呼び、体験を作る観光事業”を作ることです。
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簡易宿所・民泊開業ガイド 第1話

簡易宿所・民泊開業ガイド 第3話

この記事を書いた人 Wrote this article

田中穂積

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