民泊でツアー販売はNG?旅行業法違反になる危険な境界線|第12話

こんにちは。
旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜(泉区)の行政書士のブログです。
無事に民泊・簡易宿所の開業にこぎつけた後、待っているのは“運営の現実”です。
法律・運営・地域トラブルの落とし穴を、実務視点で解説するシリーズです。ぜひ最後までお付き合いください。
前回は、
宿泊業のインバウンド依存は危険?観光需要消失で生き残る宿とは|第11話
について解説しました。
そして今回は、
「旅行業法」
のお話です。
実は宿泊業を運営している方が、
良かれと思って行っているサービスの中に、
旅行業法違反となる可能性があるものがあります。
私は旅行業界で37年間仕事をしてきました。
そして現在は行政書士として、
旅行業登録や宿泊業支援を行っています。
だからこそ感じるのですが、
👉「旅行業と宿泊業の境界線」
は世間一般には意外と知られていません。
「親切」が違法になることがある
宿泊業のオーナー様は、
お客様に喜んでもらいたいと思っています。
それ自体は素晴らしいことです。
しかし、
その親切が法的には問題になることがあります。
例えば、
•空港送迎
•観光案内付きプラン
•オリジナル観光ツアー
•体験プログラム販売
などです。
オーナー様としては、
👉「地域の魅力を伝えたい」
だけかもしれません。
しかし、
一定の条件を超えると、
「旅行業」
に該当する可能性があります。
旅行業とは何か
先ほどの旅行業法では、
「報酬を得て、旅行サービスの手配や募集を行う」場合、
原則として旅行業登録が必要になります。
例えば、
•宿泊
•運送
•観光施設
などを組み合わせて販売する行為です。
つまり、
単に宿泊場所を提供する宿泊業と、
旅行全体を組み立てる旅行業は、
法律上まったく別の業種なのです。
※詳しくはブログ「旅行業登録・開業・経営アドバイス」のシリーズをご覧ください。
危険なのは「セット販売」
実務上よくあるのが、
「宿泊+○○」
です。
例えば、
•宿泊+観光ガイド
•宿泊+送迎
•宿泊+体験プログラム
など。
このような形で料金をまとめて受け取ると、
👉旅行業法上の問題が生じる可能性があります。
ここは非常に注意が必要です。
ですから私は経営安定のためにも旅行業の登録(第3種、地域限定)を強くお勧めしています。
空港送迎は本当に大丈夫
インバウンド対応でよく見かけるのが、
空港送迎サービスです。
しかし、
ここには旅行業法だけでなく、
「道路運送法」
の問題もあります。
例えば、
「対価を得て送迎を行う」場合、
運送事業許可の問題が出てくることがあります。
つまり、
善意で始めたサービスが、
複数の法律に関わる可能性があるのです。
「おすすめ」と「手配」は違う
ここは非常に重要です。
例えば、
宿泊客から、
「おすすめの飲食店はありますか?」
と聞かれた場合。
これは問題ありません。
地域情報の提供です。
しかし、
代わりに予約を取り、
料金の一部を受け取る。
あるいは、
宿泊プランとセット販売する。
こうなると話が変わってきます。
インバウンド向け宿ほど注意が必要
最近は、
地域体験型の民泊や簡易宿所も増えています。
例えば、
•農業体験
•漁業体験
•茶道体験
•文化体験
などです。
地域活性化という意味では素晴らしい取り組みです。
しかし、
実施方法によっては、
旅行業法との関係を検討する必要があります。
私が旅行業時代に感じていたこと
旅行業界では、
旅行業法は単なる規制ではありません。
👉お客様と経営者を守るためのルールでもあります。
例えば、
•契約内容
•事故対応
•苦情処理
•責任範囲
などを明確にする役割があります。
だからこそ、
旅行業登録を受けた事業者には、
一定の責任が求められています。
地域活性化と法令遵守は両立できる!
私は、
宿泊業と観光事業は本来とても相性が良いと思っています。
地域の魅力を伝え、
地域経済を活性化する。
それは素晴らしいことです。
しかし、
だからこそ、
「ルールの中で行う」
ことが重要です。
法律を知らなかったでは済まない時代になっています。
行政書士として感じること
最近は、
宿泊業と観光事業の境界線が曖昧になっています。
だからこそ、
•宿泊業
•民泊
•簡易宿所
•旅行業
を総合的に考える必要があります。
実際、
相談を受ける中でも、
「これは旅行業登録が必要ですか?」
というケースは増えています。
本当に長く続く宿とは
旅行業37年の経験から感じるのは、
長く続く事業ほど、
「グレーゾーンに頼らない」
ということです。
短期的には利益になるかもしれません。
しかし、
長期的には、
法令遵守こそが信用になります。
宿泊業も同じです。
地域から信頼され、
お客様から信頼される宿。
それが最終的に強い宿になるのだと思います。
Q&A|宿泊業と旅行業法の実務ポイント
Q1. おすすめ観光地を紹介するだけなら問題ありませんか?
基本的には問題ありません。情報提供の範囲であれば旅行業には該当しません。
Q2. 宿泊と体験プログラムをセット販売すると必ず違法ですか?
内容や販売方法によって判断が分かれます。事前に専門家へ相談することをおすすめします。
Q3. 宿泊業者でも旅行業登録はできますか?
可能です。実際に宿泊業と旅行業を組み合わせて事業展開している事業者もあります。
次回予告
次回はいよいよ最終話直前、
「地域と対立した宿はなぜ消えるのか?民泊・簡易宿所と共存経営の現実|第13話」
をお届けします。
これまで、
•ゴミ問題
•騒音問題
•管理規約
•レビュー
•消防
•法令遵守
について見てきました。
そのすべてに共通するのが、
👉「地域との関係」
です。
旅行業37年を振り返っても、
長く続く観光事業には共通点があります。
それは、
👉地域から応援されていることです。
次回は、
このシリーズの集大成として、
「地域と共に続く宿」
について掘り下げていきます。
\ 民泊・簡易宿所の開業や運営でお困りの方へ /
行政書士田中穂積事務所
― 横浜の行政書士のアトリエ ― では、
•「このサービスは旅行業登録が必要なのか分からない」
•「宿泊業と旅行業の違いを整理したい」
•「体験プログラムや送迎サービスを検討している」
•「法令を守りながら観光事業を成長させたい」
といったお悩みに対し、
ここ横浜(泉区)より、
👉 旅行業37年の現場経験と、
行政書士としての法務視点を踏まえてサポートしています。
行政書士の仕事が宿泊業で大事なのは、
単なる許認可をとる事ではなく、
👉 “地域に人を呼び、地域を活性化する観光事業”を作ることです。
だからこそ、
開業前の戦略設計から、
開業後の運営・コンプライアンスまで、
実務ベースで伴走しています。
特に、
- 旅行業登録
- 民泊・簡易宿所運営
- 地域体験コンテンツ
- インバウンド対応
など、観光事業全体を見据えたご相談にも対応しています。
▼ お問い合わせはこち
行政書士田中穂積事務所
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