2026年 2nd page

宿泊・体験・交通をセットで販売すると旅行業になる?|第2話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「観光ビジネスを始める前に整理したいこと|誰に何を提供する?」として、誰に。何を。誰が提供するのか。誰が販売するのか。誰がお金を受け取るのか。という、観光ビジネスの基本的な組み立て方を考えました。 今回は、その計画を具体化したときに出てきやすい、「これは旅行業になるの?」という疑問を取り上げます。たとえば、ホテル宿泊+地域体験。古民家宿泊+まち歩き。観光船+食事。バス移動+観光施設。こうしたサービスをセットで販売すると、旅行業登録が必要になるのでしょうか。👉 ポイントは、「観光に関係するサービスだから旅行業になる」のではなく、誰が運送・宿泊を手配し、どのような形で販売するのかを見ることです。今回は、観光ビジネスと旅行業法の境目を、できるだけ分かりやすく整理します。 そもそも「旅行業」とは何をする事業? 旅行業というと、旅行会社がパッケージツアーを販売することをイメージするかもしれません。もちろん、それも旅行業です。しかし旅行業法では、もう少し広く考えます。基本となるのは、報酬を得て、運送や宿泊について一定の契約・手配などを事業として行うことです。 分かりやすい例は「宿や交通を手配する」 たとえば、他社のホテルを予約して旅行者へ提供する。JR券や航空券を販売する。貸切バスを使ったツアーを販売する。といった行為は、旅行業との関係が強くなります。観光庁も、航空券の販売、旅館のあっせん、貸切バスを利用したツアー販売などを基本的な旅行業務の例として示しています。(国土交通省)つまり、👉 「旅行会社という名前を使っているか」ではなく、実際にどんな取引をしているかを見ることが重要です。 宿泊・体験・交通を組み合わせるとどうなる? ここからが観光ビジネスでは特に重要です。たとえば、ホテル宿泊+陶芸体験を一つの商品として販売するとします。この場合、「体験が入っているから旅行業」というわけではありません。見るべきなのは、宿泊を誰が提供し、誰が手配し、誰が旅行者と契約するのかです。 自社のサービスだけを提供する場合 自社で旅館やホテルを運営していて、自社の宿泊と自社で行う体験を組み合わせる。このような場合には、他……

障害福祉事業所の人員基準で開業が止まる理由|第7話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 ここまで、放課後等デイサービス。児童発達支援。就労継続支援B型。共同生活援助(グループホーム)。という4つのサービスを個別に見てきました。 今回からは、サービスの種類を超えて共通する、開業実務を見ていきます。最初に取り上げるのは、人員基準です。障害福祉サービスの開業では、「必要な人数は採用できた」と思っていても、いざ指定申請の準備を始めると、「この方は配置できません」「常勤換算が足りません」「この兼務では基準を満たしません」「実務経験や研修の確認が必要です」となることがあります。👉 人員基準は、「何人いるか」だけではなく、「誰を・どの職種に・どの勤務形態で配置するか」で決まります。今回は、開業前に押さえておきたい人員基準の基本を整理します。 人員基準は「人数合わせ」ではない 放デイ。児発。B型。グループホーム。それぞれのサービスには、必要な職種と配置基準があります。たとえば、管理者。児童発達支援管理責任者。サービス管理責任者。児童指導員。保育士。職業指導員。生活支援員。世話人。などです。しかし、「全部で5人いるから大丈夫」とは判断できません。 ・職種ごとに確認する 人員基準では、どの職種として配置するのか。その職種の要件を満たしているのか。常勤なのか非常勤なのか。専従なのか兼務なのか。勤務時間は何時間なのか。まで確認します。👉 採用人数ではなく、「配置表として基準を満たしているか」を見ることが重要です。 「資格を持っている」だけでは判断できない 採用時によくあるのが、「資格があるから配置できますよね?」という考え方です。しかし、職種によっては、資格だけではなく、実務経験。研修修了。これまで従事した業務。勤務期間。などを確認する必要があります。 ・サビ管・児発管は特に早めに確認する サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者は、事業所の支援を組み立てる中心的な職種です。そのため、「以前サビ管をしていた」「研修を受けたことがある」という情報だけで判断するのではなく、現在の配置要件を満たしているかを資料で確認する必要があります。採用が決まってから要件を確認し、配置できないと分かれば、開業予定そのものがずれ……

観光ビジネスを始める前に整理したいこと|誰に何を提供する?|第1話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 今回から、新シリーズ「観光ビジネスを形にする実務」~旅行業・宿泊・体験・地域連携から考える~を始めます。観光ビジネスというと、旅行会社。ホテル・旅館。飲食店。体験施設。観光案内。など、それぞれ別の業種を思い浮かべるかもしれません。しかし実際の旅行では、泊まる。食べる。移動する。体験する。地域を歩く。買い物をする。といったさまざまなサービスがつながっています。そして、その組み合わせ方によって、「旅行業にあたるのか」「どんな許認可が必要なのか」「誰が販売するのか」「どこで収益を得るのか」も変わってきます。そこで第1話では、いきなり法律や許認可から入るのではなく、👉 観光ビジネスを始める前に、「誰に、何を、誰が、どう提供するのか」を整理するところから考えてみたいと思います。 観光ビジネスは「何を売るか」だけでは決まらない たとえば、古民家に泊まる。地域の料理を楽しむ。地元をガイドと歩く。観光船に乗る。伝統文化を体験する。こうした一つ一つも観光サービスになります。さらに、宿泊+体験食+まち歩き交通+観光宿泊+地域ツアーのように組み合わせることで、一つの観光商品になることもあります。 まず「業種」ではなく「旅行者の体験」から考える 最初から、「旅行会社をつくろう」「体験施設を始めよう」と業種だけを決めるのではなく、旅行者にどんな時間を過ごしてもらいたいのかから考えてみます。たとえば横浜でも、港。歴史。街歩き。食。クルーズ。地域文化。など、さまざまな観光資源があります。それらを誰に、どのように楽しんでもらうのか。ここから観光ビジネスの形が見えてきます。 最初に整理したい「誰に・何を」 観光事業を考えるときには、まず二つを明確にします。 誰に来てもらいたいのか たとえば、家族旅行。シニア層。若い個人旅行者。企業や団体。学校。訪日外国人旅行者。では、求めるサービスが違います。すべての人を対象にするより、「誰に来てもらいたいのか」をある程度イメージした方が、商品を考えやすくなります。 何を提供したいのか 次に、その人に何を体験してもらうのかを考えます。宿泊なのか。食なのか。地域体験なのか。移動なのか。ガイドなのか。それとも複数……

地域に愛される古民家活用とは|第11話

~建物を残すだけでなく、地域に必要とされる場所へ~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「古民家活用で見落としやすい消防と建築の壁」として、古民家の魅力を残して活用するためにも、契約や本格改修の前に消防・建築を確認することの大切さをお伝えしました。では、消防。建築。許認可。こうした条件をクリアできれば、古民家活用は成功なのでしょうか。もちろん、それだけではありません。古民家宿。古民家カフェ。地域交流施設。体験型観光施設。どのような形であっても、その建物は地域の中にあります。今回考えたいのは、👉 古民家を「建物として残す」だけでなく、「地域に必要とされる場所」として残すには何が大切なのかということです。 地域にある建物だから、地域との関係が欠かせない 古民家を事業として活用すると、それまでとは建物の使われ方が変わります。例えば宿になれば、旅行者が訪れる。車の出入りが増える。夜間にも人が滞在する。カフェになれば、来店客が増える。駐車や自転車の問題が生じる。営業時間によって周辺環境も変わる。可能性があります。事業者にとっては魅力的な活用でも、近隣の方にとっては、「これから何が始まるのだろう」と不安を感じることもあります。だからこそ、許可が取れるかどうかだけでなく、地域の中でどう運営していくかまで考えておく必要があります。 「地域のために」だけでは続かない 古民家活用では、「地域を活性化したい」「人が集まる場所をつくりたい」という言葉がよく使われます。その思いは大切です。しかし、👉地域のためになると思っていることと、地域の人が本当に求めていることは同じとは限りません。例えば、観光客をたくさん呼ぶこと。イベントを頻繁に開催すること。夜まで営業すること。が、必ず地域に歓迎されるとは限りません。一方で、地元のお店を宿泊客に紹介する。地域の商品を販売する。地域の食材を使う。地元の人も利用できる場所にする。地域の歴史や文化を来訪者へ伝える。などといった形なら、古民家を中心に地域へ価値が広がっていきます。👉 「地域のために何をするか」より、「地域と一緒に何ができるか」と考えることが大切です。 古民家の中だけで事業を完結させない 例えば古民家宿……

横浜で障害者グループホームを開設するには|第6話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「横浜で就労継続支援B型を開業するには」として、指定までの流れ。サービス管理責任者。職業指導員・生活支援員。物件・設備。生産活動。工賃。収支計画。などを整理しました。 今回は、共同生活援助(障害者グループホーム)を取り上げます。B型が主に日中の活動や就労を支援するサービスなのに対して、グループホームは、👉障害のある方の地域での生活を支える住まいです。そのため、「住宅を借りて職員を配置すれば始められる」というものではありません。住居。人員。支援体制。消防・建築。夜間や緊急時の対応。そして横浜市を例にとると、横浜市の新規設置に関する手続。まで確認する必要があります。👉 グループホーム開設では、「住める家か」ではなく、「障害福祉サービスとして安全に生活を支えられる住まいか」を考えることが大切です。 障害者グループホームはどんな事業? 共同生活援助、いわゆる障害者グループホームは、障害のある方が地域の中で共同生活を送りながら、日常生活上の支援を受ける障害福祉サービスです。支援するのは、食事。相談。日常生活。健康管理。社会生活。など、利用者の暮らしに関わる部分です。 「住宅を提供する事業」だけではない グループホームでは、利用者が実際にそこで生活します。そのため、どのような利用者を受け入れるのか。どの程度の支援が必要なのか。日中はどこで過ごすのか。夜間にどのような支援が必要なのか。緊急時に誰が対応するのか。まで考えます。👉 物件を探す前に、「誰の、どのような生活を支えるホームなのか」を整理することが重要です。 横浜でグループホームを開設するまでの流れ 横浜市で障害者グループホームを新たに設置する場合は、単に物件を確保して指定申請をすればよいわけではありません。横浜市では、障害者グループホームを計画的に整備しており、年度ごとに新規設置法人の募集・選考を行っています。2026年8月現在、令和9年度に新規設置する法人の募集も行われています。 【応募期限 令和8年9月10日(木曜日) 17:00厳守】大きく考えると、事業計画を整理する↓横浜市の募集・手続を確認する↓物件・人員・支援体制を確認する↓必要な事……

補助金・融資・許認可を一体で考える|続く宿・古民家事業のつくり方|第8話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 このシリーズでは、「観光・宿泊・古民家再生の資金調達実務」として、補助金。事業計画。融資。自己資金。資金繰り。事業承継。まで順番に考えてきました。 前回は、「宿を続けるための資金繰り」として、設備更新や大規模修繕、売上減少、固定費上昇、事業承継など、開業後に必要となるお金を整理しました。 シリーズ最終回となる今回は、これまで別々に見てきたものを、一つの事業計画としてつなげます。👉 補助金が採択されること。融資を受けること。許可を取得すること。どれか一つだけでは、続く宿泊事業にはなりません。大切なのは、実際に開業でき、資金が回り、その後も続けられる事業になっているかです。 補助金・融資・許認可を別々に考えない 宿や古民家活用を考えるきっかけは、「この古民家を宿にしたい」「補助金を使いたい」「融資を受けたい」「旅館業許可を取りたい」など、人によって違います。しかし実際の開業では、物件。改修。資金。補助金。融資。許認可。消防・建築。開業時期。開業後の運営。が互いに関係しています。物件と許認可魅力的な物件でも、予定している宿泊事業ができるとは限りません。旅館業許可。消防。建築。必要な改修。などを確認します。 資金と工事 改修内容が変われば、必要資金も変わります。追加工事が必要になれば、自己資金。融資額。運転資金。開業時期。にも影響します。 補助金と資金繰り 補助金が利用できても、入金は工事代金の支払いより後になることがあります。そのため、「補助金はいくらもらえるか」だけでなく、いつ支払い、いつ資金が入るのかまで見る必要があります。👉 事業・資金・許認可は、一つの計画として考えることが大切です。 事業計画書は「申請のための作文」ではない 補助金申請でも融資申込でも、事業計画書を作ることがあります。しかし、補助金用。融資用。開業後の経営用。で、まったく違う計画になってしまっては困ります。本来は一つの事業です。一つのストーリーになっているかたとえば、どんな事業をするのか↓誰を顧客にするのか↓どんな宿・サービスをつくるのか↓何に投資するのか↓いくら必要なのか↓どう資金を準備するのか↓必要な許認可を取得できるの……

横浜で就労継続支援B型を開業するには|第5話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「横浜で児童発達支援を開業するには」として、指定までの流れ。人員配置。児童発達支援管理責任者。物件・設備。横浜市への事前相談。開業準備。などを整理しました。 今回は、障害児通所支援から少し分野を移して、就労継続支援B型を取り上げます。放デイや児発では、「どのような子どもに、どのような支援をするか」が事業所づくりの中心でした。一方、B型では、利用者を支援する福祉事業であると同時に、仕事や生産活動の機会をつくる事業でもあります。👉 「作業場所と職員をそろえればB型を始められる」のではなく、支援と生産活動をどう両立させるかを開業段階から考えることが大切です。今回は、横浜市を例にとりB型事業所を始めるときに確認したいポイントを整理します。 就労継続支援B型はどんな事業? 就労継続支援B型は、一般企業などで働くことが難しい障害のある方に対して、通所により就労や生産活動の機会を提供し、必要な知識や能力の向上を支援する障害福祉サービスです。B型では、利用者と雇用契約を結ばないという特徴があります。 「何の仕事をするか」だけでは足りない B型を考えると、軽作業。清掃。食品製造。農作業。パソコン作業。など、「仕事の内容」に目が向きやすくなります。しかし、その前に、どのような利用者を想定するのか。どのような支援が必要なのか。その人の力をどう伸ばしていくのか。を考える必要があります。👉 B型では、「仕事を用意すること」と「利用者を支援すること」を一つの事業として考えます。 横浜でB型を開業するまでの流れ 横浜市でB型を始めるには、新規指定を受ける必要があります。大きく考えると、事業計画を整理する↓物件・人員を確認する↓横浜市への事前相談・面談↓指定申請↓指定・事業開始という流れです。 指定申請の前に事業全体を整理する B型では、物件。職員。利用定員。生産活動。工賃。収支。利用者確保。などが互いに関係します。そのため、「申請書を作ればよい」という考え方ではなく、👉 どんなB型事業所をつくるのかを先に整理し、その計画に人・物件・収支を合わせていくことが大切です。 ※指定申請の手続や提出期限、相談……

宿を続けるための資金繰り|設備更新・売上減少・事業承継に備える|第7話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「補助金と融資は併用できる?宿泊事業の資金計画で注意したいこと」として、補助金。自己資金。融資。つなぎ資金。を、実際のお金が動く時系列から整理しました。ここまでは、これから宿泊施設や古民家事業を始める場合を中心に考えてきました。しかし、資金の問題は開業したら終わりではありません。宿を続けていけば、設備の老朽化。大規模修繕。売上減少。光熱費や人件費の上昇。災害。そして事業承継。など、新たな資金需要が生まれます。👉 宿泊事業の資金繰りで大切なのは、「今月払えるか」だけでなく、「この先どんな支出が来るか」を早めに見ておくことです。 今回は、「開業するためのお金」から「宿を続けるためのお金」へ視点を移して考えます。 宿泊事業は開業後もまとまった資金が必要になる 旅館やホテルは、建物。客室。空調。給湯。厨房。消防設備。家具・備品。など、多くの設備を使って営業します。当然、年月が経てば更新や修繕が必要になります。たとえば、客室のエアコンを交換する。給湯設備を更新する。外壁や屋根を修繕する。水回りを改修する。消防設備を更新する。といった支出です。こうした費用は、毎月少しずつ発生するとは限りません。ある年にまとまって数百万円、数千万円必要になることもあります。だからこそ、「壊れてから考える」では遅い場合があります。 設備更新は「いつ・いくら」を見えるようにする まずおすすめしたいのが、設備更新予定表を作ることです。何を更新するかたとえば、・空調設備・給湯設備・厨房設備・エレベーター・消防設備・客室設備・外壁、屋根・予約・管理システムなどを書き出します。いつ頃必要になるか次に、今年。3年後。5年後。10年後。というように、おおよその更新時期を整理します。正確な故障時期を予測する必要はありません。重要なのは、👉 「いつか必要になる大きな支出」を、突然の支出にしないことです。 繁忙期だけでなく閑散期を見る 宿泊事業には、季節による売上変動があります。年末年始。ゴールデンウィーク。夏休み。紅葉シーズン。イベント開催時期。などは宿泊客が増えても、その反対に閑散期があります。ここで注意したいのは、年間では黒字でも、月単位では資金が……

横浜で児童発達支援を開業するには|第4話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「横浜で放課後等デイサービスを開業するには」として、指定までの流れ。人員配置。児童発達支援管理責任者。物件・設備。横浜市への事前相談。開業後の運営準備。などを整理しました。今回は、同じ障害児通所支援である、児童発達支援を取り上げます。放課後等デイサービスと共通する部分も多いため、「放デイとほとんど同じでは?」と思われるかもしれません。しかし、児童発達支援では、主に就学前の子どもを対象として、発達や生活の基礎となる支援を行うという特徴があります。👉 開業手続が似ていても、「誰に、どのような支援をする事業所なのか」は別に考える必要があります。 今回は、横浜市を例にとり児童発達支援を始めるときに確認したいポイントを整理します。 児童発達支援はどんな事業? 児童発達支援は、障害のある未就学児などに対して、日常生活における基本的な動作や知識・技能の習得、集団生活への適応などに必要な支援を行う障害児通所支援です。放デイが主に就学後の子どもを対象とするのに対して、児童発達支援では、就学前の子どもの発達段階を意識した支援が中心になります。 「何を支援する事業所なのか」を最初に考える たとえば、・日常生活の基本動作・コミュニケーション・遊びや活動・集団への参加・保護者への支援など、どのような支援を行う事業所にするのかを考えます。この支援方針によって、必要な職員。物件。設備。一日の流れ。保護者との関わり方。も変わってきます。👉 「児発を開業する」ではなく、「どのような児発をつくるのか」から考えることが大切です。 横浜で児童発達支援を開業するまでの流れ 横浜市では、児童発達支援と放課後等デイサービスについて、新規開設の手続が設けられています。大きな流れは、指定前説明会↓指定前事前個別相談↓指定前面接・指定申請↓指定・事業開始です。 指定前説明会 横浜市では、児童発達支援または放課後等デイサービスの新規指定を受けようとする法人について、指定前説明会(4月・7月・12月の指定する日)への参加が必要です。そのため、「物件と職員が決まったら申請する」というだけではなく、説明会や事前相談の日程も含めて開業時期を考える必要が……

補助金と融資は併用できる?宿泊事業の資金計画で注意したいこと|第6話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「宿・古民家再生で融資を受ける前に確認したいこと」として、自己資金。設備資金。運転資金。売上予測。返済計画。などを整理しました。事業に必要な金額が見えてくると、次に考えたいのが、補助金と融資をどう組み合わせるかです。たとえば、「改修費1,000万円のうち、500万円の補助金が採択された」とします。すると、「自分で準備するのは残り500万円」と思いたくなるかもしれません。しかし、実際のお金の流れはそれほど単純ではありません。👉 補助金が500万円あることと、工事代金を支払うときに500万円が手元にあることは別です。今回は、補助金・自己資金・融資を、実際のお金が動く順番から整理します。 補助金と融資は併用できる? まず、「補助金を利用すると融資は受けられないの?」という疑問があります。補助金と金融機関からの融資は、資金調達の性質が異なるため、事業全体の資金計画の中で組み合わせることは考えられます。たとえば、自己資金 300万円融資 700万円補助金 500万円といったように、それぞれを組み合わせて事業資金を考えることがあります。ただし、補助金の利用条件。金融機関の融資審査。資金使途。補助対象経費。などはそれぞれ別に確認する必要があります。また、複数の補助金を同じ経費に重複して使うことには制限がある場合があります。👉 「補助金+融資なら自動的に使える」と考えず、それぞれの制度・金融機関の条件を確認することが前提です。 一番大切なのは「いつお金が必要か」 補助金と融資を一緒に考えるとき、金額だけを並べると分かりにくくなります。そこで、時間軸で考えてみます。 補助金は原則として後払い 一般的な補助金では、申請↓採択↓交付申請・交付決定↓契約・発注・事業実施↓支払い↓実績報告↓補助金額の確定↓補助金入金という流れになります。中小企業庁も、補助金は補助事業終了後の実績報告・確認を経て支払われる「後払い(精算払い)」が原則と案内しています。つまり、工事代金などを支払うときには、まだ補助金が入金されていないことがあります。ここが資金計画で非常に重要なポイントです。 1,000万円の工事で500万円補助される場合 具……