03 古民家・空き家活用方法 2nd page

なぜ今、横浜では古民家宿が選ばれるのか|第2話

~旅行者が求める価値の変化と地域資源としての可能性~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回の記事では、「空き家を壊す前に考えたい、地域資源としての古民家」についてお話ししました。 空き家は、放置すれば負の遺産として地域の問題・課題になることがあります。しかし一方で、地域資源として活かせる可能性も秘めています。今回は、「なぜ今、古民家宿が選ばれるのか」について考えてみたいと思います。 私は旅行業界で37年間、数多くの旅館やホテルと関わってきました。その中で強く感じているのは、旅行者が宿に求める価値が、昔と今では少しずつ変わってきているということです。日曜日の今日は少し肩の力を抜いて、古民家や空き家の活用について考えてみましょう。☕ 「泊まる」から「体験する」へ かつて宿選びでは、駅や繁華街から近く賑やか。設備が新しい。部屋が広い。そんなことが大きな評価基準でした。もちろん、今でも大切な要素です。しかし最近では、「その土地でしか味わえない時間」を求める旅行者が増えているように感じます。図にするとこんなイメージです。【これまで】立地↓設備↓料金↓宿泊 【これから】地域らしさ↓体験↓思い出↓再訪(リピート) 宿泊そのものではなく、その土地で何を感じられるか。それが旅の価値になりつつあるのです。 古民家宿だからこそ生まれる体験 古民家宿には、最新ホテルにはない魅力があります。木の香り。梁の存在感。縁側から眺める庭。地域で受け継がれてきた建物だからこそ、その場所でしか味わえない空気があります。旅行者が求めているのは、豪華さだけではありません。「ここでしか過ごせない時間」なのだと思います。 地域を知ることが旅の魅力になる 旅行業時代、私は全国各地の旅館やホテルを訪れてきました。人気のある宿には共通点があります。👉地域を大切にしていることです。・近くの商店を紹介する・地元の食材を提供する・地域のお祭りを案内する宿だけではなく、宿を拠点に地域全体を楽しんでもらおうという姿勢があります。 宿は、地域への入口でもあるのです。古民家は地域の資源になる前回の記事でもお話ししましたが、私は空き家を単なる問題として見るのではなく、地域の資源とし……

横浜の空き家を壊す前に考えたい 地域資源としての古民家|第1話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。私は旅行業界で37年間、多くの地域を訪れ、多くの旅館やホテルを見てきました。現在は行政書士として、旅館業や民泊の開業支援にも携わっています。その中で近年強く感じるのが、空き家や古民家を活用した宿づくりへの関心の高まりです。旅館業も、民泊も、地域活性化も、突き詰めれば「地域の魅力をどう活かすか」という話になります。そして私は、空き家を単なる問題として見るのではなく、👉地域の資源として活かす可能性にも注目しています。 そこで日曜日は少し肩の力を抜いて、古民家や空き家の活用について考えてみたいと思います。☕ 空き家は本当に「負動産」なのでしょうか 近年、空き家問題という言葉を耳にする機会が増えました。・人口減少・高齢化・相続さまざまな理由から全国で空き家が増えています。ニュースなどでは、管理されない空き家による倒壊リスクや景観悪化が取り上げられることも少なくありません。確かに、放置された空き家は問題になります。しかし私は、👉空き家を単なる「負動産」と考えるだけでは少しもったいないように感じています。なぜなら、その建物には、地域の歴史や記憶が残っているからです。 旅行者が求めているものは変わってきた 旅行業界にいた頃、旅行者が宿に求めるものは、大型ホテルや豪華な設備が中心でした。しかし近年は少し変化しています。旅行者は、地域らしさを求めるようになりました。 例えば、・古民家を改装した一棟貸しの宿。・地域の食材を使ったカフェ。・歴史ある町並みを活かした観光拠点。こうした場所には、新しいホテルにはない魅力があります。旅行者は、単に泊まる場所を探しているのではありません。👉その地域でしか味わえない体験を求めているのです。 空き家は観光資源になる可能性がある 私が旅館業の相談を受ける中でも、古民家を活用したいという声は年々増えています。もちろん、簡単な話ではありません。・宿にするなら旅館業法・民泊にするなら住宅宿泊事業法・カフェにするなら飲食店営業許可さらに、消防法や建築基準法も関わってきます。 しかし、だからといって不可能なわけではありません。実際に全国では、空き家だった建物が、宿やカフェと……