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運営指導の通知が来た!障害福祉の事前準備と初動対応|第6話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「国保連請求が返戻になった!」として、返戻になったときは、すぐ請求データを直すのではなく、返戻理由を確認する。元資料と照合する。請求側か台帳側かを切り分ける。という順番が大切だとお伝えしました。 今回は、横浜市から運営指導の通知が届いた。という場面です。「何を準備すればいい?」「過去の書類まで全部確認する?」「今から直して間に合う?」と不安になるかもしれません。しかし、最初から事業所中の書類をひっくり返す必要はありません。👉 まず通知を読み、求められている資料と期限を整理する。ここから始めます。 通知が来たら、最初に確認する4つ 横浜市では、運営指導にあたり事前提出資料と当日準備資料が示されます。通知が届いたら、まず次の4点を確認します。 1.運営指導の日 まず実施日です。そこから、事前提出期限書類確認の期間管理者などの予定を逆算します。 2.事前提出資料の期限 横浜市の日中活動系サービスでは、令和8年度の事前提出資料は原則として、運営指導実施日の2週間前までに提出するよう案内されています。共同生活援助では、通知に記載された期日、おおむね実施日の14~10日前までとされています。サービスによって取扱いが異なるため、👉 通知に書かれた期限を最優先で確認する。これが基本です。 3.当日準備する資料 事前に提出するものと、当日事業所で提示するものは別です。横浜市も、当日準備資料はすぐに確認できる状態にしておくよう案内しています。「どこにあるかは分かります」ではなく、その場ですぐ出せる状態にしておきます。 4.誰が立ち会うか 管理者。サービス管理責任者児童発達支援管理責任者請求担当者など、事業所の運営を説明できる人の予定を確認します。横浜市の運営指導資料でも、管理者や人員体制・運営・サービス提供・請求事務等を説明できる職員の予定調整が求められています。 いきなり「書類を直す」のはやめる 通知が届くと、「この記録、足りないかも」「運営規程が古い」と気づくことがあります。そこで焦って、過去の日付で記録を作る実際に行っていない会議の議事録を作る書類だけ今の状態に合わせるという対応を……

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国保連請求が返戻になった!障害福祉の返戻原因と確認方法|第5話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「加算要件を満たせない?」として、加算をこのまま請求してよいのか迷ったときに、何の要件か。いつからか。すでに請求しているか。体制届は必要か。を確認することが大切だとお伝えしました。 今回は、請求した後のお話です。「国保連から返戻になった。何を間違えた?」返戻を見ると、すぐ請求データを直したくなるかもしれません。しかし、👉 返戻の原因が、事業所の入力ミスとは限りません。まず原因を切り分けるところから始めます。返戻になったら、最初に見るのは「返戻等一覧表」神奈川県国民健康保険団体連合会の電子請求受付システムでは、請求後の返戻等一覧表を確認できます。まず見るのは、エラーコードエラーメッセージです。「返戻になったから請求を最初から作り直す」のではなく、何と何が合っていないのかを確認します。👉原因は大きく3つに分けて考える細かなエラーコードを全部覚える必要はありません。まず、次の3つに分けると整理しやすくなります。 1.請求データそのものに誤りがある 例えば、受給者証番号。市町村番号。サービスコード。提供年月。利用日数。加算。などの入力内容です。入力ミスや古い情報を使っていないか、請求データと元資料を照らします。 2.受給者情報と合っていない 国保連の一次審査では、請求内容と受給者台帳・事業所台帳などの情報を照合します。そのため、事業所側の請求内容は正しくても、受給者台帳との不一致で返戻になることがあります。厚生労働省も、請求情報と受給者台帳の不一致がエラー原因となり得ることを示しています。例えば、受給者証が更新されている。支給決定内容が変わった。自治体側の台帳反映時期とずれている。といった場合です。👉 請求画面だけ見て原因が分からなければ、受給者証まで戻って確認する。ここがポイントです。 3.事業所情報・算定内容と合っていない 事業所番号届出しているサービス算定している加算適用するサービスコードなどとの不一致も確認します。神奈川県国保連も、サービスコードの適用期間や事業所番号などを確認するエラー例を公表しています。第3話・第4話で扱った、変更届や体制届の内容がここにつながることもあります。「返戻……

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加算要件を満たせない?障害福祉の減算・返還前に確認すること|第4話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「変更届を出し忘れた!」として、変更内容変更日届出期限体制届への影響など、届出漏れに気づいたときの対応を整理しました。 今回は、「この加算、今月も請求して大丈夫?」という問題です。職員が辞めた。必要な研修ができなかった。会議を実施していない。記録が残っていない。配置要件を満たせなくなった。そんなとき、「来月から直せばいいかな」と考えてしまうかもしれません。しかし加算は、👉 一度届出をしたら、ずっと算定できるものではありません。要件を満たしているから算定できる。まず、この原則から確認します。 最初に「何が満たせなくなったのか」を確認する 加算が心配になったら、すぐに「返還になる?」と考える前に、まず原因を特定します。 人員の問題ですか?職員が退職した。必要な資格者がいなくなった。勤務時間が減った。兼務状況が変わった。こうした場合は、人員配置が加算要件に影響していないか確認します。 実施内容の問題ですか?必要な会議研修支援モニタリング関係機関との連携などが実施できていない場合もあります 記録の問題ですか?実際には行っていても、要件となる記録が残っていない。というケースもあります。👉 「加算が危ない」ではなく、「どの要件が、いつから満たせていない可能性があるか」まで特定する。ここが最初です。 「減算」と「加算が取れない」は同じではありません ここは混同しやすいところです。例えば、人員欠如減算業務継続計画未策定減算など、基準に該当すると基本報酬等が減算される仕組みがあります。一方で、特定の加算について要件を満たさなくなった場合は、その加算を算定できなくなるという問題です。つまり、👉 「減算になる」のか「加算を算定できなくなる」のかを分けて考える。これだけでも整理しやすくなります。 一番重要なのは「いつから?」です 要件を満たせなくなった可能性がある場合、必ず確認したいのが、いつからかです。例えば、職員の退職日勤務時間の変更日必要な研修を実施できなかった時期資格者が欠けた日などです。厚生労働省の留意事項では、加算等を算定できない状況が生じた場合は速やかに届け出、原則としてその事実……

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変更届を出し忘れた!障害福祉の届出期限と対応方法|第3話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「障害福祉の人員基準を満たせない?」として、常勤換算勤務時間兼務資格欠如減算など、人員基準が心配になったときの確認ポイントを整理しました。今回は、変更届を出し忘れていたことに気づいたときです。管理者が変わったサビ管が変わった運営規程を変更した法人代表者が変わったでも、「そういえば変更届を出していない……」後から気づくことがあります。そんなときに一番避けたいのは、「今さら出しにくいから、そのままにしておこう」です。では、どう動けばよいのでしょうか。👉 まず確認するのは「何を・いつ変えたか」慌てて届出書を作る前に、まず事実を整理します。 1.何が変わったのか 例えば、法人名称法人所在地代表者管理者サービス管理責任者児童発達支援管理責任者事業所の平面図運営規程利用定員などです。厚生労働省も、こうした指定事項の変更について変更届の対象例を示しています。 2.いつ変わったのか 変更日を確認します。辞令の日就任日退職日規程の施行日法人登記の変更日など、実際に変更が生じた日を特定します。ここが曖昧だと、届出期限も判断できません。 変更届は原則10日以内 障害者総合支援法では、指定障害福祉サービス事業者が一定の指定事項を変更した場合、変更から10日以内に届け出ることとされています。横浜市も、法人名称・所在地。法人代表者。管理者。サービス管理責任者等。に変更があった場合は、変更の日から10日以内に変更届出書を提出するよう案内しています。 では、10日を過ぎたら出せない? そうではありません。もちろん期限を過ぎたからといって、「もう出さなくていい」ことにはなりません。大切なのは、未提出に気づいた時点で事実関係を整理し、必要な届出を速やかに行うことです。必要に応じて、指定権者へ事情を説明しながら対応します。👉 期限を過ぎたことより、未届の状態を放置することの方が問題です。 ただし「全部あとから変更届」ではありません ここは非常に重要です。変更があったからといって、すべてが「変更後10日以内に届出」だけで済むわけではありません。横浜市では事前相談が必要な変更もある例えば日中活動系サービスでは、主たる事業所の所……

障害福祉の人員基準を満たせない?常勤換算・欠如減算の確認ポイント|第2話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「サビ管が突然退職したら?」という、かなり切迫した場面から始めました。今回はもう少し広く、「もしかして人員基準を満たしていないかも?」というときの確認方法です。職員が辞めた。休職者が出た。勤務時間が変わった。利用者が増えた。兼務が増えた。こうした変化があると、「人数はいるから大丈夫だろう」と思っていても、実際には人員基準へ影響することがあります。👉 人員基準は、頭数だけでは判断できません。まず何を確認するのか、順番に見ていきます。 「職員はいる」だけでは判断できません 障害福祉サービスの人員基準では、単純な在籍人数ではなく、常勤か非常勤か勤務時間は何時間か専従か兼務か必要な資格を持っているかなどを見る必要があります。横浜市の基準でも、常勤換算は、職員の勤務延べ時間数を事業所の常勤職員が勤務すべき時間数で割って算出する考え方です。横浜市つまり、3人いるから3人分とは限りません。 最初に確認したいのはこの4つ 人員不足が気になったら、まず次の4点を確認します。 1.誰が欠けたのか 管理者サービス管理責任者生活支援員職業指導員世話人児童指導員など、職種によって基準が違います。最初に、どの職種が足りない可能性があるのかを特定します。 2.いつから不足したのか 退職日休職開始日勤務時間変更日などを確認します人員基準や減算を考えるうえでは、「いつから不足しているのか」が重要です。 3.勤務時間はどうなっているか 人はいても、非常勤になった勤務日数が減った他業務との兼務が増えたという場合、常勤換算上の人数が下がることがあります。 4.利用者数や定員に変化はないか サービスによっては、利用者数などに応じて必要な職員数が変わります。職員側だけでなく、利用者側の数字も一緒に確認することが大切です。 常勤換算で一番多い勘違い 「非常勤が2人いるから、常勤1人分くらいでしょう」と感覚で考えてはいけません。常勤換算は勤務時間で計算する。例えば、その事業所の常勤職員が週40時間勤務するとします。非常勤職員2人が、それぞれ週20時間勤務なら、合計40時間。この場合は、常勤換算で1.0人相当になります。一方、……

サビ管が突然退職したらどうする?|第1話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 今回から、新シリーズ「障害福祉事業所のお困りごと解決実務」を始めます。これまでの「開業準備編」「運営実務編」と違い、今回からは、現場で突然起きる「困った」からスタートします。「サビ管が辞めると言ってきた」「変更届を忘れていた」「加算の要件を満たしているか分からない」そんなとき、まず何を確認し、どの順番で動けばよいのか。一つずつ実務目線で整理していきます。第1話は、サビ管が突然退職したらどうする?です。 「後任を探さなきゃ!」その前に サービス管理責任者から、「今月末で退職したい」と言われた。真っ先に、求人を出さなければ。紹介会社へ連絡しなければ。と思うでしょう。もちろん後任探しは必要です。しかし、その前に確認したいことがあります。 まず「いつ欠けるのか」を確認する 退職日。最終勤務日。有給休暇の開始日。を確認します。そして、実際にいつからサビ管業務ができなくなるのかを明確にします。次に、事業所内に要件を満たす職員や、みなし配置の候補となる職員がいないかを確認します。👉 「職員が辞める」ことと「サビ管が欠如する」ことを分けて考える。ここが最初です。 最初に確認したい4つ 突然の退職なら、まず次の4点です。 1.退職日と最終勤務日 誰がいつまでサビ管業務を担当できるのか確認します。 2.事業所内の候補者 実務経験。基礎研修。実践研修。など、候補者の経歴・研修歴を確認します。 3.個別支援計画の状況 更新が近い利用者。モニタリング中の利用者。新規利用予定者。など、現在進行中の業務を洗い出します。 4.指定権者への相談 横浜市でも、やむを得ない事由によるサビ管欠如については、速やかな相談が重要です。👉 後任探しと行政確認を同時に進める。「後任が決まってから連絡」ではありません。 「みなしサビ管」が使えることもあります 突然の退職など、事業者の責任によらないやむを得ない事情でサビ管が欠け、すぐに後任を配置できない場合には、一定の要件を満たす職員をサビ管とみなして配置できる特例があります。原則は欠如から1年間。さらに一定の条件を満たせば、実践研修修了まで最長2年間となる……

障害福祉事業所を長く続けるために|第16話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「横浜の障害福祉サービス運営指導|何を確認される?」として、運営指導の通知が来てから慌てるのではなく、普段から、指定人員加算支援計画記録研修・委員会などを、現在の運営と一致させておくことが大切だとお伝えしました。今回で、「障害福祉サービス 運営実務編」は最終回です。ここまでさまざまなテーマを取り上げてきました。しかし最後にお伝えしたいのは、書類を増やすことでも、制度をすべて暗記することでもありません。👉 事業所の変化に合わせて、指定・人員・加算・記録を一緒に動かしていくこと。これが、障害福祉事業所を長く続けるための基本だと考えています。 開業したときの状態は、ずっと続きません 指定を受けた直後は、書類もそろっている。人員配置も確認している。運営規程も最新。必要な届出も済んでいる。という状態でしょう。しかし、事業所は動きます。職員が入る。職員が辞める。管理者が変わる。利用者が増える。加算を新しく取る。部屋の使い方が変わる。制度や報酬も変わる。 問題は「変わること」ではありません 問題になるのは、実際の運営は変わったのに、行政上の手続や書類が昔のままという状態です。小さなズレでも、そのまま積み重なると、人員基準加算報酬請求運営指導などへ影響する可能性があります。👉 事業所が変わったら、何かほかにも影響しないかを見る。この習慣を作ることが大切です。 1.人が変わったら、人員だけを見ない 例えば、サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者が退職した。そのとき、「代わりの人を探さなければ」で終わっていないでしょうか。一つの変更から確認を広げる人が変われば、人員基準勤務形態変更届加算運営体制まで影響することがあります。つまり、👉退職という一つの出来事を、人事だけの問題にしないことです。これは管理者変更などでも同じです。 2.加算を取ったら、届出後こそ管理する 加算は、届出を出して終わりではありません。算定を始めれば、その後も要件を満たし続ける必要があります。「今も取れる?」を定期的に確認する職員が変わった。勤務時間が変わった。必要な研修が終わっていない。記録が残っていない。そうした変化によって……

横浜の障害福祉サービス運営指導|何を確認される?|第15話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 ここ3回は、障害福祉事業所のM&Aについて、買う側譲る側専門家の役割という視点から見てきました。今回は、通常の事業所運営へ戻ります。テーマは、運営指導です。「横浜市から運営指導の通知が来た」その瞬間、「何を出せばいい?」「書類はそろっている?」「昔の記録まで見られる?」と慌ててしまう事業所もあるかもしれません。しかし、運営指導のためだけに特別な書類を作ることが本来の目的ではありません。👉 普段の運営が、指定基準や報酬算定のルールに沿っているかを説明できる状態にしておく。まずここから考えます。 今年、運営指導・監査の動きにも変化があります 最初に、現在の動きを確認しておきましょう。厚生労働省は令和8年6月、「障害福祉分野における運営指導・監査の強化」を公表しました。あわせて、指定障害福祉サービス事業者等指導指針。集団指導・運営指導マニュアル。運営指導の確認項目・確認文書。監査指針。なども示されています。厚生労働省つまり、今後ますます、「指定を取った後、実際にどのような運営をしているか」が重要になります。一方で、令和9年4月の報酬改定についても現在検討が続いています。9月には就労系サービス、10月5日には障害児支援について、具体的な報酬・基準の議論が行われました。厚生労働省ただし、現段階で来年度の基準や運営指導項目がすべて決定したわけではありません。👉 今あるルールを適正に守りながら、令和9年度改定の正式な内容を追っていく。これが現在の立ち位置です。 横浜市の運営指導は、何を準備する? 横浜市の日中活動系サービスでは、運営指導の実施にあたり、事前提出資料は原則として実施日の2週間前までに提出するよう案内されています。また、当日確認する資料についても、すぐ確認できる状態で準備することが求められています。共同生活援助についても、運営指導を実施する月の前月までに連絡・通知があり、事前提出資料の提出や、指導後に必要に応じた改善報告が求められています。横浜市はGHについて、おおむね3年に1度を目安に運営指導を行うと案内しています。横浜市では、具体的にどこを見ておけばよいのでしょうか。 1.指定時の内容と、今の事業所は同じですか?……

障害福祉事業所のM&A|専門家選びで失敗しないための役割整理|第14話

~専門家選びで失敗しないための役割整理~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 ここ2回は、第12話で、障害福祉事業所を買う側から、第13話では、障害福祉事業所を譲る側から、それぞれM&A・事業譲渡について考えてきました。 今回は、買い手・売り手双方に向けた内容です。障害福祉事業所のM&Aを具体的に進めようとすると、「結局、誰に相談すればいいの?」という問題が出てきます。M&A仲介会社税理士・公認会計士弁護士社会保険労務士行政書士それぞれ専門分野が違います。大切なのは、👉 誰か一人に全部任せることではなく、「この問題は誰に確認するのか」を最初に整理すること。です。 M&A仲介会社|売り手と買い手をつなぎ、全体を進める まず思い浮かぶのが、M&A仲介会社やM&Aアドバイザーです。得意なのは「取引全体を進めること」例えば、買い手・売り手候補の探索条件交渉企業価値に関する調整全体スケジュールの管理クロージングまでの進行などを担います障害福祉事業所を、「誰に・いくらで・どのように引き継ぐか」というM&A全体を進める役割です。ただし、M&A仲介会社がいるからといって、指定税務労務契約法務など、すべての専門判断を任せられるとは限りません。👉 仲介会社は全体をつなぐ存在。専門判断は、それぞれの専門家へ。この切り分けが重要です。 税理士・公認会計士|その会社の「数字」を見る 次に重要なのが、財務・税務です。 売上だけでは企業価値は判断できない 決算書借入資産・負債税務キャッシュフロー将来の収益性などを確認するのは、税理士や公認会計士の専門分野です。買い手にとっては、「本当にこの価格で買ってよいのか」売り手にとっては、「自社の価値をどう考えるか」という問題につながります。障害福祉事業所であっても、事業である以上、財務面の確認は欠かせません。 弁護士|契約と法的リスクを見る M&Aでは、契約書も非常に重要です。 「もし予定どおり進まなかったら」まで考える 例えば、表明保証損害賠償契約解除責任の分担過去の問題が後から判明した場合の取扱い。などは、契約上きちんと整理してお……

その障害福祉事業所、今のまま譲って大丈夫?M&Aの話|第13話

~M&A前に売り手が整理したい指定・届出・引継ぎ~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「障害福祉事業所を買う前に何を確認する?」として、障害福祉事業所のM&A・事業譲渡を検討する買い手側から、指定人員加算など、一般的な会社のM&Aだけでは見えにくい確認事項を取り上げました。 今回は反対側から。👉障害福祉事業所を売却・事業譲渡しようと考えている事業者側に向けて考えます。「買い手が決まってから書類をそろえればいい」「今まで普通に運営できているから問題ない」と思っていないでしょうか。しかし、障害福祉事業では、買い手との交渉が進んでから、指定内容が分からない。届出の控えが見つからない。行政へ何を事前相談すればよいか分からない。となると、譲渡スケジュールそのものに影響することがあります。👉 障害福祉事業所を譲るなら、「売る準備」だけでなく「行政上きれいに引き継げる準備」が必要です。今回は、売り手側がM&A前に整理しておきたいポイントを見ていきます。 1.まず「今の指定状態」を説明できるようにする 買い手から、「現在どの指定を受けていますか」と聞かれたとき、指定通知書。更新関係書類。変更届。運営規程。などをすぐに出せるでしょうか。 「行政に出してあるはず」では足りない 長く運営している事業所ほど、開業当初から、代表者管理者所在地人員運営規程などが変わっていることがあります。そこで最初に行いたいのが、現在の運営実態と行政へ届け出ている内容の照合です。買い手へ渡す前に、「現在、行政上どういう状態の事業所なのか」を売り手自身が説明できる状態にしておきましょう。👉 M&A準備の第一歩は、会社案内を作ることではなく、指定の現在地を確認することです。 2.行政書類を「探せばある」状態から「渡せる」状態へ M&Aでは、買い手や専門家からさまざまな資料を求められます。その都度、「あれはどこだったかな」と探していると、それだけで交渉が止まります。 引継ぎ用の行政ファイルを作る 例えば、指定関係。変更届。体制届。運営規程。行政からの通知。運営指導関係。などを、M&A用に一度まとめ……