03実務対応編 category

日本版DBS対応を実務目線で解説。規程整備、同意取得、安全管理体制など事業者が今すぐ役立てられる情報をお届けします。

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18.日本版DBSと職員研修

~作ったルールを、現場で使える仕組みにする~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、日本版DBS対応を採用から退職まで継続するための、運用チェックリストについてお話ししました。対象者一覧表。職員説明資料。同意取得フロー。個人情報管理ルール。社内規程。運用チェックリスト。こうした書類を整えることで、事業所としての対応手順が見えるようになります。しかし、書類や規程を作っただけでは、現場で適切に運用されるとは限りません。職員が、なぜこの取組が必要なのか。自分は何をすればよいのか。気になる行為を見つけたとき、誰に報告すればよいのか。こうしたことを理解して、初めて事業所のルールが動き始めます。 今回のテーマは、「日本版DBSと職員研修」です。13.日本版DBS導入で職員説明資料を作るでは、同意取得前に行う職員説明について整理しました。今回は、一度限りの説明ではなく、日本版DBS対応を事業所全体に定着させるための継続的な職員研修について考えていきます。 職員説明と職員研修は役割が違います まず整理したいのが、「職員説明」と「職員研修」の違いです。第13話で取り上げた職員説明は、日本版DBS対応を始めるに当たり、・制度の目的・対象となる職員・必要な手続・同意を求める理由・個人情報の取扱いなどを伝えるものでした。一方、今回取り上げる職員研修は、👉実際の業務の中で、職員がどのように行動するかを確認するものです。 例えば、子どもとの距離の取り方。不適切と思われる行為を見つけたときの報告。子どもから相談を受けたときの対応。事業所の規程や報告ルート。個人情報を扱う際の注意点。このような内容を、実際の現場に合わせて確認していきます。対象事業者には、子どもと接する業務の従事者に研修を受講させることが求められており、こども家庭庁も従事者向けの標準動画や研修資料を公表しています。 全職員に同じ研修をすればよいとは限りません 日本版DBSに関する研修は、全職員へ同じ資料を配布して終わりではありません。職員の役割によって、知っておくべき内容が異なるからです。例えば、次のように分けて考えることができます。 子どもと接する職員・子どもとの適切な関わり方・不適切な行為の具体例・気になる行為を……

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17.日本版DBSの運用チェックリスト

~採用から退職まで、確認漏れを防ぐ仕組みを作る~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、日本版DBS対応を一時的な作業で終わらせず、事業所のルールとして継続するための社内規程整備についてお話ししました。規程を作ることで、誰が担当するのか。どのような手順で進めるのか。職員情報をどのように管理するのか。事業所としての基本的なルールが見えるようになります。しかし、規程を作っただけで、日々の手続が自動的に進むわけではありません。採用が決まったとき。職員の業務内容が変わったとき。退職の申し出があったとき。それぞれの場面で、必要な確認が行われたかを確かめる仕組みが必要です。 今回のテーマは、「日本版DBSの運用チェックリスト」です。これまで作ってきた対象者一覧表職員説明資料同意取得フロー個人情報管理ルール社内規程を実際の運用につなげる方法について考えていきます。 チェックリストは「新しい手続」を増やすものではありません 日本版DBS対応では、すでにさまざまな書類や仕組みを準備してきました。対象者一覧表。職員説明資料。同意取得管理表。個人情報管理台帳。社内規程。ここに運用チェックリストを加えると、「また書類が増えるのか」と感じるかもしれません。しかし、運用チェックリストは、新しい手続を増やすためのものではありません。👉これまで決めた手続が、実際に行われたかを確認するためのものです。 例えば、職員への説明方法は決まっていても、説明した日が記録されていなければ、完了したかどうかが分かりません。同意取得の流れを決めていても、未提出の職員への対応期限が決まっていなければ、手続が途中で止まることがあります。規程と実際の運用の間をつなぐ。それが、運用チェックリストの役割です。 対象者一覧表とチェックリストの役割を分ける 第12話では、日本版DBSの対象となる可能性がある人を整理するための「対象者一覧表」についてお伝えしました。対象者一覧表は、👉事業所全体の状況を見るためのものです。一方、 運用チェックリスト 👉一人ひとりの手続が、どこまで進んでいるかを確認するためのものです。例えば、対象者一覧表には、・対象となるか・説明が終わっているか・……

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16.日本版DBSと社内規程整備

~事業所のルールとして継続運用するために~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に、子ども関連事業者や障害福祉サービス事業者の運営を支援している、行政書士の田中穂積です。 前回は、日本版DBSの個人情報管理はどう変わるのかについてお伝えしました。しかし、個人情報管理ルールを作っただけでは、事業所全体の運用は完成しません。日本版DBSへの対応を一時的な作業で終わらせず、採用や人事異動、退職などの場面でも継続して運用するためには、社内規程やチェックリストへの落とし込みが必要です。 今回は、日本版DBS対応を事業所のルールとして定着させる方法を考えます。 日本版DBS対応は「担当者の記憶」に頼らない 日本版DBS対応には、さまざまな手続が関係します。・対象者の確認・職員への説明・同意の取得・必要な確認手続・個人情報の保管・採用時の確認・配置転換時の確認・退職後の情報管理これらを担当者個人の記憶や経験だけに任せてしまうと、担当者の交代や職員の入退職によって、確認漏れが起こりやすくなります。大切なのは、「誰が担当しても、同じ手順で対応できる状態」を作ることです。そのために必要になるのが、社内規程と運用チェックリストです。 規程に盛り込みたい主な項目 日本版DBSに関する規程には、少なくとも次の内容を整理しておきます。 1.対象となる職員や業務正職員だけでなく、パート、アルバイト、派遣職員、業務委託者、ボランティアなどを含め、誰を確認対象として管理するのかを明確にします。「雇用形態」だけではなく、実際に子どもと接する業務に従事するかという視点で整理することが重要です。2.担当者と責任者誰が対象者を確認し、誰が手続を行い、誰が最終確認をするのかを決めます。小規模な事業所でも、情報を取り扱う人を必要以上に増やさないことが大切です。3.確認する時期採用時だけでなく、配置転換、業務内容の変更、一定期間経過後など、どの時点で確認するのかを整理します。4.職員への説明と同意何のために確認するのか、どのような情報を取得するのか、誰が管理するのかを説明したうえで、必要な同意取得へ進みます。説明をせずに同意書だけを渡す運用は避ける必要があります。5.情報の保管と廃棄閲覧できる人、保管場所、保存期間、持ち出しの禁止、退職後の取扱い、廃棄方法などを定……

15.日本版DBSの個人情報管理はどう変わるのか

~職員情報を安全に扱うための管理ルールを作る~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、日本版DBS対応における同意取得フローについてお話ししました。日本版DBS対応では、同意書をただ回収すればよいわけではありません。何に同意するのか。どのような目的で使うのか。個人情報はどう扱われるのか。同意しない場合にどう対応するのか。誰が説明し、誰が回収し、どこに保管するのか。こうした流れを整理しておくことが大切です。今回のテーマは、「個人情報管理」です。 同意取得を進めると、次に重要になるのが、回収した書類や確認結果をどのように管理するかという問題です。日本版DBS対応では、職員に関する慎重な情報を扱う可能性があります。誰が管理するのか。どこに保管するのか。誰が閲覧できるのか。どのくらい保存するのか。退職後はどう扱うのか。こうした点を曖昧にしたまま進めると、職員の不安や事業所内のトラブルにつながる可能性があります。特に、放課後等デイサービスや児童発達支援事業所など、子どもと日常的に関わる現場では、もともと利用児童や保護者に関する大切な個人情報を多く扱っています。そこに、日本版DBS対応として職員側の慎重な情報管理も加わります。 今回は、子どもと関わる事業所で気を付けたい個人情報管理の実務について、実際に「個人情報管理ルール」を作るイメージで整理していきます。 日本版DBS対応では職員情報の管理が重要になる 放課後等デイサービスや児童発達支援事業所では、日常的に多くの個人情報を扱っています。利用児童の氏名。障害特性。支援計画。保護者情報。送迎先。緊急連絡先。支援記録。相談記録。こうした情報は、すでに事業所として慎重に扱うべき情報です。 一方で、日本版DBS対応では、職員側の情報管理も重要になります。対象者一覧表。職員説明資料。同意書。同意取得管理表。確認結果に関する情報。問い合わせ記録。未提出者や保留者に関するメモ。これらは、通常の職員名簿よりも慎重に扱うべき情報です。 なぜなら、日本版DBS対応は、👉職員のプライバシーや名誉にも関わる可能性があるからです。子どもの安全を守るための制度であると同時に、職員の情報を適切に守る仕組みも必要になります。ここを丁寧に整えることが……

14.日本版DBS導入で同意取得フローを作る

~同意書を渡す前に整理したい説明・個人情報・保留対応~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、日本版DBS導入で職員説明資料を作ることについてお話ししました。日本版DBS対応では、いきなり同意書を渡すのではなく、まず職員に制度の目的や事業所としての方針を説明することが大切です。なぜこの制度が必要なのか。子どもの安全を守るために何を確認するのか。個人情報はどのように扱われるのか。事業所としてどのような方針で対応するのか。こうした点を職員に分かりやすく伝えることで、不安や誤解を減らすことができます。 今回のテーマは、「同意取得」です。日本版DBS対応では、職員説明資料を作った後、次に大切になるのが同意取得の進め方です。同意書は、ただ署名をもらえばよいものではありません。何に同意するのか。どのような目的で使うのか。個人情報はどう扱われるのか。同意しない場合にどう対応するのか。いつ、誰が、どのように説明して、どの書類を保管するのか。こうした流れを整理しておく必要があります。特に、放課後等デイサービスや児童発達支援事業所など、子どもと日常的に関わる障害児支援の現場では、職員体制も多様です。正社員。パート職員。送迎担当者。児童発達支援管理責任者。外部プログラムの講師。法人本部の担当者。複数事業所を兼務する職員。こうした関係者がいる中で、誰に、いつ、どのように説明し、同意を取得するのか。ここを曖昧にしてしまうと、現場で混乱が起こります。 今回は、日本版DBS対応における同意取得の流れと、事業所で気を付けたい実務ポイントについて、実際に👉「同意取得フロー」を作るイメージで整理していきます。 同意取得は「書類をもらう作業」ではない 同意取得というと、どうしても「同意書に署名してもらうこと」をイメージしがちです。しかし実務では、同意書を回収することだけが目的ではありません。同意取得で大切なのは、職員が内容を理解したうえで、必要な手続きに協力できる状態を作ることです。何のための同意なのか。何を確認するための同意なのか。どの情報が扱われるのか。誰が管理するのか。不明点がある場合は誰に相談できるのか。ここが分からないまま署名を求めると、職員は不安を感じます。特に、日本版DBSでは慎重な情報が関……

13.日本版DBS導入で職員説明資料を作る

~いきなり同意書を渡す前に、職員へ伝えるべきこと~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。前回は、日本版DBS導入で対象者一覧表を作ることについてお話ししました。日本版DBS対応では、まず誰が子どもと関わっているのかを整理することが大切です。正社員。パート。アルバイト。外部講師。委託スタッフ。ボランティア。雇用形態だけで判断するのではなく、👉「子どもとどのように関わっているか」という視点で整理することが必要です。 今回は、その次の実務として、「職員説明資料を作る」ことについて考えてみたいと思います。日本版DBS対応では、職員への説明を後回しにしてしまうと、現場に不安や誤解が広がる可能性があります。いきなり同意書を渡す。制度名だけを伝える。「法律で決まったのでお願いします」とだけ説明する。これでは、職員は戸惑ってしまうかもしれません。なぜこの制度が必要なのか。何を確認する制度なのか。自分は対象になるのか。個人情報はどのように扱われるのか。同意しない場合はどうなるのか。事業所としてどのような方針で対応するのか。こうした点を、職員に分かりやすく説明する資料を準備しておくことが大切です。 特に、放課後等デイサービスや児童発達支援事業所など、子どもと日常的に関わる障害児支援の現場では、職員への説明は単なる事務手続きではありません。子どもの安全を守るための体制づくりであり、職員が安心して働くための説明でもあります。 今回は、実際に事業所で使える「職員説明資料」を作るイメージで、実務の視点から整理していきます。 なぜ職員説明資料が必要なのか 日本版DBS対応では、制度そのものに注目が集まりがちです。しかし実務では、制度をどう現場に伝えるかがとても重要です。特に職員にとっては、「自分の過去を調べられるのですか」「個人情報は誰が見るのですか」「同意しないと働けなくなるのですか」「何か疑われているのでしょうか」といった不安が出る可能性があります。この不安を放置したまま進めると、👉制度対応が職員との信頼関係を損なう原因になってしまいます。 日本版DBSは、職員を疑うための制度ではありません。子どもを守るために、👉事業者として必要な安全管理体制を整えるための制度で……

12.日本版DBS導入で対象者一覧表を作る

こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回は、日本版DBS導入で最初に作る実務計画について整理しました。すると実際の現場では、👉「結局、誰を対象職員として整理すればいいのですか?」という質問が多くでてきます。実は、ここが最も実務で迷うポイントです。正社員だから対象。アルバイトだから対象外。そんな単純な話ではありません。大切なのは、👉「雇用形態ではなく、子どもとどのように関わるか」という視点です。 今回は、事業所でそのまま使える「対象者一覧表」を作るイメージで考えてみたいと思います。 なぜ一覧表が必要なのか 日本版DBSへの対応では、最初から「対象者」を正確に判断しようとすると手が止まります。まず必要なのは、事業所の現状を見える化することです。誰が、どのような立場で、どのくらい子どもと関わっているのか。これを整理して初めて、制度への対応を検討できます。 ステップ1 まずは全員を書き出す 最初は難しく考えなくてもOKです。現在事業所に関わっている人を、すべて書き出します。例えば、・正社員・契約社員・パート・アルバイト・外部講師・委託スタッフ・派遣労働者・スポットワーカー・ボランティアここでは、対象か対象外かを判断する必要はありません。まずは漏れなく一覧化することが大切です。 ステップ2 子どもと接する場面を書き添える 次に、それぞれの人が、どのような場面で子どもと関わるのかを書き加えます。例えば、・授業を担当する・送迎を担当する・受付を担当する・イベントだけ参加する・合宿時のみ帯同する・施設管理のみ行うここまで整理すると、子どもとの関わり方が見えてきます。 ステップ3 判断に迷う人は「保留」にする 実務では、すぐに判断できないケースが少なくありません。例えば、「月に数回だけ来る講師」「イベントだけ参加するスタッフ」「短期間だけ雇用するアルバイト」こうした方を無理に対象・対象外へ分ける必要はありません。まずは、『判断保留』という欄を設けて整理しておきます。制度運用や今後のガイドラインを確認しながら、後で見直せる状態にしておくことが実務では重要です。 ステップ4 外部スタッフも忘れない ……

11.日本版DBS導入で最初に作る実務計画

~担当者・期限・必要書類を見える化する~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 これまでこのブログでは、日本版DBSについて、制度の概要、対象事業者、認定事業者制度、学習塾やスポーツクラブの対応、認定を受けないという選択肢などについてお話ししてきました。ここからは、いよいよ実務対応編に入ります。 日本版DBSについて調べ始めた事業者の方が感じる一番大きな悩みは、👉「結局、何から始めればよいのか」ではないでしょうか。制度を理解することと、現場で実際に動かせる仕組みを作ることは、まったく別の話です。日本版DBS対応では、対象者を整理し、職員へ説明し、同意取得の流れを考え、個人情報管理体制を整え、必要に応じて規程類も見直す必要があります。つまり、これは単なる法改正対応ではなく、事業所の運営そのものに関わる実務対応です。 そこで今回は、まず最初に作っておきたい「日本版DBS対応の実務計画」について考えてみたいと思います。この記事は、読むだけではなく、実際に自社の計画表を作るつもりで読み進めていただければと思います。 なぜ最初に実務計画が必要なのか 日本版DBS対応でよくある失敗は、「とりあえず分かるところから始める」ことです。もちろん、動き出すことは大切です。しかし、全体像が見えないまま進めると、・誰が担当するのか・いつまでに決めるのか・どの書類が必要なのか・誰に説明するのか・個人情報をどこで管理するのかこうした点が後回しになり、途中で混乱しやすくなります。 特に、放課後等デイサービスや児童発達支援事業所のように複数の職員が関わる現場では、管理者だけで完結する話ではありません。法人本部、管理者、児童発達支援管理責任者、現場職員、採用担当者など、複数の人が関わります。また、学習塾やスポーツクラブなどの認定事業者を検討する事業者でも、講師、コーチ、アルバイト、外部スタッフなどを含めて整理する必要があります。だからこそ、最初に必要なのは、完璧な答えではありません。 まずは、「誰が、いつまでに、何を決めるのか」を見える化することです。 実務計画は完璧でなくてよい ここで大切なのは、最初から完璧な計画を作ろうとしないこ……