02対象事業者様別情報 category

代表的なこども教育事業者別に日本版DBS(学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律)への対応を解説。

10.日本版DBS制度の認定を受けないという選択肢はあるのか

~日本版DBSと事業者の安全対策を考える~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回の記事では、「スポーツクラブは認定を受けるべきか」についてお話ししました。スポーツクラブでは、外部コーチ、アルバイトスタッフ、短期スタッフ、遠征や合宿など、学習塾とは異なるリスク管理が必要になる場面があります。 そしてその前の記事では、認定事業者になるメリットとデメリットについても考えました。ここまで読まれた方の中には、こう感じた方もいるかもしれません。「認定を受けるのは大変そうだ」「うちの教室規模では現実的ではないかもしれない」「では、認定を受けないという選択肢はあるのだろうか」 今回は、認定を受けないという選択肢はあるのかについて考えてみたいと思います。結論から言えば、事業規模や運営形態によっては、認定を受けないという判断もあり得ると思います。しかし、ここで大切なことがあります。子どもの安全対策は全事業者に求められる。ということです。 認定を受けないという経営判断はあり得る 日本版DBSの認定制度は、すべての民間事業者に義務付けられているものではありません。・学習塾、・スポーツクラブ、・書道教室、・そろばん教室、・英会話教室、各種習い事教室などでは、認定を受けるかどうかは、事業者自身が判断することになります。例えば、・個人経営の教室・少人数で運営している学習塾・地域密着型の習い事教室こうした事業者にとって、認定取得に伴う事務負担や運用コストは、決して小さくないかもしれません。 そのため、認定を受けないという判断自体は、一つの経営判断としてあり得ると思います。 ただし「何もしない」とは違う ここで注意したいのは、認定を受けないことと、何もしないことは違うという点です。認定を受けなければ、制度上の認定事業者としての義務は発生しないかもしれません。しかし、子どもと関わる事業者として、安全対策を考えなくてよいわけではありません。 採用時の確認。・職員や講師への説明。・外部講師の管理・アルバイトスタッフの管理・保護者への説明・個人情報の管・相談窓口や報告ルールこれらは、認定の有無にかかわらず、子どもと関わる事業者にとって重要なテーマです。……

9.スポーツクラブは日本版DBS制度の認定を受けるべきか?

~日本版DBSを経営判断として考える~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回の記事では、「8.認定事業者になるメリットとデメリット」についてお話ししました。認定を受けることは、単なる制度対応ではなく、経営判断でもあるというお話でした。 今回は、「スポーツクラブは認定を受けるべきか」について考えてみたいと思います。7話でお話しした学習塾と今回お話しするスポーツクラブ。どちらも子どもと関わる事業ですが、実は日本版DBSとの関係で見ると、👉スポーツクラブの方がより大きな影響を受ける可能性があります。なぜなら、スポーツ指導の現場には、更衣室、遠征、合宿、外部コーチなど、学習塾にはない環境が存在するからです。 スポーツクラブは学習塾と何が違うのか 例えば学習塾の場合、多くは教室内で授業を行い、一定時間が経過すると帰宅します。【学習塾】授業↓帰宅 一方、スポーツクラブでは、【スポーツクラブ】練習↓更衣室↓個別指導↓遠征↓合宿↓大会という流れになることも珍しくありません。つまり、子どもと大人が接する場面が多く、関係性もより密接になりやすいのです。 だからこそ、安全管理やリスクマネジメントの重要性が高くなります。 外部コーチやアルバイトの存在 スポーツクラブには、正社員だけでなく・外部コーチ・アルバイトスタッフ・大学生スタッフ・短期指導員 などさまざまな立場の人が関わります。こども家庭庁の資料でも、派遣労働者、スポットワーカー、ボランティアなども対象として想定されています。 つまり、「うちは正社員だけ管理しているから大丈夫」という話ではありません。誰が、どのような形で、どれだけ子どもと接するのか。これを整理することが、日本版DBS対応の第一歩になります。 認定取得のメリット スポーツクラブが認定を取得するメリットは、👉保護者への安心感を示しやすいことです。また近年、スポーツ指導の現場でも、安全管理への関心は高まっています。技術指導だけではなく、運営体制そのものが評価対象になりつつあります。認定制度が広く認知されれば、「安全対策に取り組んでいるクラブ」というメッセージを伝えやすくなるで……

8.日本版DBS認定事業者になるメリットとデメリット

~日本版DBSは経営判断になる時代へ~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回の記事では、「学習塾は日本版DBSにどう向き合うべきか」についてお話ししました。日本版DBSが始まることで、学習塾や書道教室、そろばん教室などの民間教育事業者も、子どもの安全と保護者からの信頼について考える時代がやってきます。今回は、認定事業者になるメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。日本版DBSをめぐる議論の中で、「認定を受けた方がいいのか」「受けないという選択肢はあるのか」という声をよく耳にします。しかし私は、これは単なる制度対応の話ではなく、👉経営判断の絡んでくる話だと思っています。 日本版DBSの認定制度とは 前回も触れましたが、認定事業者制度は、義務対象事業者ではない民間事業者が、一定の基準を満たした場合に認定を受けられる仕組みです。学習塾、スポーツクラブ、習い事教室などは主な対象として想定されています。つまり、法律で義務付けられているわけではありません。認定を受けるかどうかは、👉事業者自身が判断することになります。 認定を受けるメリット 最大のメリットは、👉保護者からの信頼向上でしょう。これまで保護者は、立地や料金、カリキュラムなどを比較して教室を選んでいました。しかし今後は、安全対策という視点が加わる可能性があります。【これまで】料金↓立地↓カリキュラム↓入会 【これから】安全性↓料金・立地↓信頼性↓カリキュラム↓入会もちろん、すべての保護者が認定制度を理解しているわけではありません。しかし制度が浸透していけば、「どのような安全対策を行っているのか」という点が選ばれる理由の一つになる可能性があります。 認定を受けるデメリット 一方で、認定には一定の負担も伴います。・職員管理・個人情報管理・運用ルールの整備・継続的な管理体制これらは一度作れば終わりではありません。👉運用し続ける必要があります。特に小規模事業者にとっては、人的負担や事務負担をどう考えるかが大きな課題になるでしょう。 本当に重要なのは認定取得そのものではない ここで誤解してほし……

7.学習塾などは日本版DBSにどう向き合うべきか

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「日本版DBS、放課後等デイサービス事業者が今から準備すべきこと」として、義務対象となる放課後等デイサービスの実務対応を整理しました。今回は、「学習塾」です。学習塾は、学校や認可保育所、放課後等デイサービスとは少し立場が違います。日本版DBSへの対応が法律上当然に義務づけられる事業ではありません。一定の要件を満たし、こども家庭庁から認定を受けることで、制度に参加する仕組みです。つまり学習塾にとって日本版DBSは、「義務だから対応する」というだけの話ではありません。認定を受けるのか。受けるなら何を整えるのか。保護者や職員へどう説明するのか。経営判断も含めて考える必要があります。今回は、学習塾が日本版DBSとどう向き合うべきかを、実務目線で整理します。 学習塾は「自動的な義務対象」ではありません まず最初に整理したいのはここです。学習塾は、学校や認可保育所などと同じ意味で、日本版DBSへの対応が自動的に義務となる事業ではありません。一定の要件を満たす民間教育保育等事業者として、こども家庭庁へ申請し、認定を受ける仕組みがあります。認定を受けると、・犯罪事実確認・職員研修・相談体制・未然防止の取組・問題が疑われた場合の対応・情報管理など、法律に基づく取組を行うことになります。つまり、「認定マークだけ欲しい」という制度ではありません。認定を受けた後も、継続して運用できる体制が必要です。 では、学習塾は認定を受けた方がよいのでしょうか ここは一律に答えを出せる話ではありません。塾の規模対象年齢授業形態個別指導か集団指導か教室数講師数保護者との関係によって判断は変わります。ただし、今後の学習塾経営では、「子どもの安全にどのように取り組んでいるか」が、保護者から見られるポイントの一つになる可能性があります。こども家庭庁は、認定事業者について専用の認定事業者マークを用意しています。保護者から見れば、「この事業者は国の制度に基づいて、子どもの性暴力防止に取り組んでいる」と確認できる一つの目安になります。だからこそ、「義務ではないから何もしない」ではなく、自分の塾としてはどう考えるのかを一度整理しておく価値があります。 学習塾には独特のリスクがあります 学習塾に……

6.日本版DBS、放課後等デイサービス事業者が今から準備すべきこと

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「認定こども園は日本版DBSで何が変わるのか」として、認定こども園で必要となる準備を整理しました。今回は、「放課後等デイサービス」です。放課後等デイサービスは、指定障害児通所支援事業として、日本版DBSへの対応が義務となる事業です。そして放デイには、送迎。個別支援。少人数での活動。学校や家庭との連携。など、認定こども園とは少し違う日常があります。だからこそ、日本版DBSへの対応も、「犯罪事実確認だけ行えばよい」ではなく、普段の支援や事業所運営の中へどう組み込むかを考える必要があります。今回は、放課後等デイサービス事業者が今から確認しておきたいポイントに絞って整理します。 放課後等デイサービスは日本版DBSの義務対象です 指定を受けた放課後等デイサービスは、日本版DBSの義務対象です。つまり、「認定を受けるかどうかを選ぶ」事業ではありません。制度施行後は、法律に基づいて必要な安全確保措置や犯罪事実確認を行うことになります。ただし、制度対応は犯罪事実確認だけではありません。放デイ事業者には、・児童対象性暴力等を未然に防ぐ・職員への研修を行う・子どもが相談できる環境を整える・疑いが生じた場合に適切に対応する・対象となる職員について犯罪事実確認を行う・重要な情報を適切に管理するといった仕組み全体が求められます。 まず「誰が対象になるのか」を整理する 放課後等デイサービスには、さまざまな職種がいます。例えば、・管理者・児童発達支援管理責任者・児童指導員・保育士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・送迎担当などです。重要なのは、「正社員かパートか」だけで判断しないことです。現在のガイドラインでは、指定障害児通所支援事業に従事し、障害児への支援や便宜の供与に関する業務を行う人が対象として整理されています。実際にどのような業務をしているのかを確認することが必要です。 送迎担当はどう考える? 放デイでは送迎が日常業務の一つです。送迎車内では、職員と子どもが少人数で過ごすこともあります。そのため、「送迎だけだから対象外」と単純に決めることはできません。誰が。どの程度継続して。どのような形で子どもと接しているのか。実際の業務内容を確認して整理する必要があります。……

5.認定こども園は日本版DBSで何が変わるのか

~園長先生と運営法人が今から準備したいこと~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「日本版DBSの対象事業者とは?|自分の施設が対象か確認しよう|第4話」として、義務対象事業者と認定対象事業者の違いを整理しました。今回は、対象事業者別にもう一歩具体的に見ていきます。最初に取り上げるのは「認定こども園」です。結論からいうと、認定こども園は日本版DBSへの対応が義務となる事業者です。幼保連携型。幼稚園型。保育所型。地方裁量型。いずれの認定こども園も対象となります。では、2026年12月25日の施行によって、園の運営は具体的に何が変わるのでしょうか。今回は、園長先生や運営法人が押さえておきたいポイントに絞って整理します。 認定こども園は日本版DBSの義務対象です 日本版DBSでは、認定こども園は法律上の「学校設置者等」に含まれ、安全確保措置や犯罪事実確認などを実施する義務があります。つまり、「認定を受けるかどうかを選ぶ」認定対象事業者ではありません。制度への対応が必要です。ただし、日本版DBS対応は、「職員の性犯罪歴を確認する」ことだけではありません。園として、・児童対象性暴力等を未然に防ぐ・職員へ研修を行う・子どもや保護者が相談できる環境をつくる・疑いが生じた場合に調査・対応する・犯罪事実確認を行う・重要な情報を適切に管理するという仕組み全体を整えることになります。 園で大きく変わるのは4つです 1.対象職員を整理し、犯罪事実確認を行う まず必要になるのが、「誰が確認対象なのか」の整理です。認定こども園だからといって、すべての職員を肩書きだけで一律に判断するわけではありません。幼保連携型認定こども園では、園長、保育教諭など法律上対象となる職種が定められています。また、その他の職員についても、実際の業務内容によって対象になる場合があります。そのため、職員一覧を作る。職種を確認する。実際に子どもとどのように接しているかを確認する。という作業が必要です。施行後に新たに対象業務へ就く人は、原則として業務開始前に犯罪事実確認を行います。施行時点ですでに働いている対象職員については、経過期間の中で計画的に確認を進めます。 2.「問題を起こさせない仕組み」をつくる 日本版DBSでは……