01旅行業・宿泊・体験・地域連携から考える 2nd page

宿泊・体験・交通をセットで販売すると旅行業になる?|第2話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「観光ビジネスを始める前に整理したいこと|誰に何を提供する?」として、誰に。何を。誰が提供するのか。誰が販売するのか。誰がお金を受け取るのか。という、観光ビジネスの基本的な組み立て方を考えました。 今回は、その計画を具体化したときに出てきやすい、「これは旅行業になるの?」という疑問を取り上げます。たとえば、ホテル宿泊+地域体験。古民家宿泊+まち歩き。観光船+食事。バス移動+観光施設。こうしたサービスをセットで販売すると、旅行業登録が必要になるのでしょうか。👉 ポイントは、「観光に関係するサービスだから旅行業になる」のではなく、誰が運送・宿泊を手配し、どのような形で販売するのかを見ることです。今回は、観光ビジネスと旅行業法の境目を、できるだけ分かりやすく整理します。 そもそも「旅行業」とは何をする事業? 旅行業というと、旅行会社がパッケージツアーを販売することをイメージするかもしれません。もちろん、それも旅行業です。しかし旅行業法では、もう少し広く考えます。基本となるのは、報酬を得て、運送や宿泊について一定の契約・手配などを事業として行うことです。 分かりやすい例は「宿や交通を手配する」 たとえば、他社のホテルを予約して旅行者へ提供する。JR券や航空券を販売する。貸切バスを使ったツアーを販売する。といった行為は、旅行業との関係が強くなります。観光庁も、航空券の販売、旅館のあっせん、貸切バスを利用したツアー販売などを基本的な旅行業務の例として示しています。(国土交通省)つまり、👉 「旅行会社という名前を使っているか」ではなく、実際にどんな取引をしているかを見ることが重要です。 宿泊・体験・交通を組み合わせるとどうなる? ここからが観光ビジネスでは特に重要です。たとえば、ホテル宿泊+陶芸体験を一つの商品として販売するとします。この場合、「体験が入っているから旅行業」というわけではありません。見るべきなのは、宿泊を誰が提供し、誰が手配し、誰が旅行者と契約するのかです。 自社のサービスだけを提供する場合 自社で旅館やホテルを運営していて、自社の宿泊と自社で行う体験を組み合わせる。このような場合には、他……

観光ビジネスを始める前に整理したいこと|誰に何を提供する?|第1話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 今回から、新シリーズ「観光ビジネスを形にする実務」~旅行業・宿泊・体験・地域連携から考える~を始めます。観光ビジネスというと、旅行会社。ホテル・旅館。飲食店。体験施設。観光案内。など、それぞれ別の業種を思い浮かべるかもしれません。しかし実際の旅行では、泊まる。食べる。移動する。体験する。地域を歩く。買い物をする。といったさまざまなサービスがつながっています。そして、その組み合わせ方によって、「旅行業にあたるのか」「どんな許認可が必要なのか」「誰が販売するのか」「どこで収益を得るのか」も変わってきます。そこで第1話では、いきなり法律や許認可から入るのではなく、👉 観光ビジネスを始める前に、「誰に、何を、誰が、どう提供するのか」を整理するところから考えてみたいと思います。 観光ビジネスは「何を売るか」だけでは決まらない たとえば、古民家に泊まる。地域の料理を楽しむ。地元をガイドと歩く。観光船に乗る。伝統文化を体験する。こうした一つ一つも観光サービスになります。さらに、宿泊+体験食+まち歩き交通+観光宿泊+地域ツアーのように組み合わせることで、一つの観光商品になることもあります。 まず「業種」ではなく「旅行者の体験」から考える 最初から、「旅行会社をつくろう」「体験施設を始めよう」と業種だけを決めるのではなく、旅行者にどんな時間を過ごしてもらいたいのかから考えてみます。たとえば横浜でも、港。歴史。街歩き。食。クルーズ。地域文化。など、さまざまな観光資源があります。それらを誰に、どのように楽しんでもらうのか。ここから観光ビジネスの形が見えてきます。 最初に整理したい「誰に・何を」 観光事業を考えるときには、まず二つを明確にします。 誰に来てもらいたいのか たとえば、家族旅行。シニア層。若い個人旅行者。企業や団体。学校。訪日外国人旅行者。では、求めるサービスが違います。すべての人を対象にするより、「誰に来てもらいたいのか」をある程度イメージした方が、商品を考えやすくなります。 何を提供したいのか 次に、その人に何を体験してもらうのかを考えます。宿泊なのか。食なのか。地域体験なのか。移動なのか。ガイドなのか。それとも複数……