横浜で児童発達支援を開業するには|第4話

こんにちは。
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。
前回は、
「横浜で放課後等デイサービスを開業するには」
として、
指定までの流れ。
人員配置。
児童発達支援管理責任者。
物件・設備。
横浜市への事前相談。
開業後の運営準備。
などを整理しました。
今回は、同じ障害児通所支援である、
児童発達支援
を取り上げます。
放課後等デイサービスと共通する部分も多いため、
「放デイとほとんど同じでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、児童発達支援では、
主に就学前の子どもを対象として、発達や生活の基礎となる支援を行う
という特徴があります。
👉 開業手続が似ていても、「誰に、どのような支援をする事業所なのか」は別に考える必要があります。
今回は、横浜市を例にとり児童発達支援を始めるときに確認したいポイントを整理します。
児童発達支援はどんな事業?
児童発達支援は、障害のある未就学児などに対して、日常生活における基本的な動作や知識・技能の習得、集団生活への適応などに必要な支援を行う障害児通所支援です。
放デイが主に就学後の子どもを対象とするのに対して、児童発達支援では、
就学前の子どもの発達段階を意識した支援
が中心になります。
「何を支援する事業所なのか」を最初に考える
たとえば、
・日常生活の基本動作
・コミュニケーション
・遊びや活動
・集団への参加
・保護者への支援
など、どのような支援を行う事業所にするのかを考えます。
この支援方針によって、
必要な職員。
物件。
設備。
一日の流れ。
保護者との関わり方。
も変わってきます。
👉 「児発を開業する」ではなく、「どのような児発をつくるのか」から考えることが大切です。
横浜で児童発達支援を開業するまでの流れ
横浜市では、児童発達支援と放課後等デイサービスについて、新規開設の手続が設けられています。
大きな流れは、
指定前説明会
↓
指定前事前個別相談
↓
指定前面接・指定申請
↓
指定・事業開始
です。
指定前説明会
横浜市では、児童発達支援または放課後等デイサービスの新規指定を受けようとする法人について、指定前説明会(4月・7月・12月の指定する日)への参加が必要です。
そのため、
「物件と職員が決まったら申請する」
というだけではなく、
説明会や事前相談の日程も含めて開業時期を考える
必要があります。
事前個別相談では事業計画全体を見る
指定前事前個別相談(指定希望日の前々月16日~末日)では、
・開設時期
・開設場所
・人材の確保
・資金状況
・事業所の運営方針
なども確認されます。
つまり、
👉 申請書だけを準備するのではなく、人・物件・資金・支援内容を一つの開業計画として整理することが必要です。
※説明会や申請スケジュール、提出方法などは変更される可能性があります。実際に開業を検討するときは、必ず横浜市の最新案内をご確認ください。
人員配置は早めに確認する
一般的な児童発達支援事業所では、
児童指導員または保育士。
児童発達支援管理責任者。
など、必要な職員を配置します。
人数だけではなく資格・勤務形態を見る
確認するのは、
「何人いるか」
だけではありません。
資格。
実務経験。
研修。
常勤・非常勤。
勤務時間。
兼務。
なども関係します。
そのため、採用予定者が、
実際に人員基準上の配置として認められるか
を早い段階で確認しておくことが重要です。
児童発達支援管理責任者は支援の中心になる
特に重要なのが、
児童発達支援管理責任者(児発管)
です。
児発管は、個別支援計画の作成などを通じて、子どもの支援全体を組み立てる重要な役割を担います。
「児発管として働いた経験がある」
「研修を受けたことがある」
というだけで判断せず、現在の要件を満たしているかを確認します。
👉 「児発管が一人いればよい」ではなく、事業所の支援方針と児発管の役割を一緒に考えることが大切です。
物件・設備は「子どもの動き」から考える
児童発達支援事業所では、発達支援を行うためのスペースや、サービス提供に必要な設備・備品などを整える必要があります。
しかし、
「基準上の部屋があればよい」
というだけではありません。
未就学児が安全に過ごせるか
児童発達支援では、小さな子どもが実際に施設の中を動きます。
そのため、
転倒しにくいか。
危険な場所はないか。
活動しやすいか。
落ち着いて過ごせる場所があるか。
保護者と面談できるか。
など、実際の使い方まで考えます。
横浜市の物件相談を契約前に活用する
横浜市では、新規開設時の物件について注意事項を示しており、候補物件を確認するための物件相談も案内されています。
たとえば、
トイレ。
静養スペース。
面談スペース。
書類を安全に保管する場所。
なども確認していきます。
👉 物件契約後に基準へ合わせるのではなく、候補物件の段階で「児発として使えるか」を確認することが重要です。
消防や建築について専門的な確認が必要な場合には、それぞれの関係機関や専門家への確認も必要になります。
放デイと似ていても「利用する子ども」が違う
児童発達支援と放課後等デイサービスは、
指定手続。
人員配置。
児発管。
物件確認。
など、共通する部分があります。
しかし、事業所づくりまで同じとは限りません。
児発では保護者との関わりも重要になる
未就学の子どもの場合、
子ども本人への支援だけでなく、
家庭での様子。
保護者の困りごと。
保育所や幼稚園等との関係。
就学を見据えた支援。
なども考える必要があります。
そのため、
「放デイの未就学児版」
と単純に考えるのではなく、
👉 児童発達支援として、子どもの発達段階と保護者との関わりを含めた支援体制を考えることが大切です。
指定申請と開業後の運営準備を並行する
指定申請を進めながら、
実際に子どもを迎えるための準備も必要です。
たとえば、
・運営規程
・重要事項説明書
・利用契約関係書類
・個別支援計画を作成する体制
・各種記録様式
・事故・緊急時対応
・虐待防止
・感染症対策
・個人情報管理
・職員研修
などです。
さらに、
利用者募集。
保護者への説明。
相談支援事業所との連携。
保育所・幼稚園等との連携。
送迎を行う場合の体制。
なども考えます。
👉 指定日をゴールにするのではなく、「その日から子どもと保護者を迎えられる状態」をつくることが開業準備です。
今日の実務ワンポイント
横浜で児童発達支援を始めたい方は、
まず次の4つを書き出してみてください。
① どのような子どもを対象にするのか
② どのような支援を提供するのか
③ 物件・児発管・その他の職員がどこまで決まっているか
④ いつ横浜市へ相談し、いつ開業したいのか
全部決まっていなくても構いません。
むしろ、
「決まっていないこと」を把握する
ことが開業準備の第一歩です。
👉 児発開業は、物件探しや申請書作成だけから始めず、「どんな支援をする事業所なのか」を 中心に全体を組み立ててみましょう。
まとめ
横浜で児童発達支援を開業するには、
支援内容。
人員配置。
児童発達支援管理責任者。
物件・設備。
横浜市への事前相談。
指定申請。
運営準備。
を並行して進めます。
放デイと制度上似ている部分はあります。
しかし、
対象となる子どもの年齢や発達段階、保護者との関わりまで考えると、同じ事業所づくりではありません。
👉 「児発の指定を取ること」ではなく、「どのような子どもに、どのような支援を届ける事業所なのか」を明確にし、そのための人・物件・運営体制を整えることが大切です。
今日のチェックポイント
• □どのような子どもを対象にするか考えている
• □提供する支援内容を整理している
• □開業予定時期を考えている
• □横浜市の指定までの流れを確認している
• □児童発達支援管理責任者の確保を進めている
• □必要な人員配置を確認している
• □候補物件を契約前に確認している
• □保護者との関わり方を考えている
• □指定申請と運営準備を並行して考えている
すべてにチェックが付かなくても問題ありません。
まずは、
「対象となる子ども・支援内容・人員・物件」
の4つから整理してみましょう。
行政書士田中穂積の視点
児童発達支援と放課後等デイサービスは、
指定申請の書類だけを見ると似ている部分があります。
しかし、開業支援で大切なのは、
同じ書類が必要かどうかではなく、実際にどのような事業所をつくるのか
だと考えています。
未就学の子どもを支援する児童発達支援では、
子どもの発達。
保護者との関係。
職員体制。
施設内での安全。
地域の保育所・幼稚園等との連携。
まで考える必要があります。
そのうえで、
物件。
人員。
指定申請。
運営準備。
を一つにつなげていきます。
行政書士として、
申請書を作ることだけでなく、開業までに何を確認し、誰に相談すればよいのかを整理すること
も大切な支援だと考えています。
Q&A|横浜で児童発達支援を開業するとき
Q1.児童発達支援と放デイを同じ場所で運営できますか?
児童発達支援と放課後等デイサービスを一体的に運営する形もあります。
ただし、
人員。
設備。
定員。
サービス提供時間。
などについて、具体的な計画に応じた確認が必要です。
「同じ職員・同じ部屋をそのまま使える」と自己判断せず、計画段階で横浜市へ確認することが大切です。
Q2.保育園や幼稚園だった物件なら児発にも使えますか?
以前の用途だけでは判断できません。
現在予定している児童発達支援について、
設備基準。
消防。
建築。
間取り。
利用方法。
などを改めて確認します。
候補物件の段階で必要な確認を行いましょう。
Q3.児童発達支援管理責任者が決まる前でも相談できますか?
はい。
むしろ、
物件。
人員。
開業予定日。
支援内容。
などを具体的に考え始めた段階で全体を整理しておくと、児発管を含む採用計画も立てやすくなります。
次回予告
次回は、
障害児通所支援から少し分野を移して、
就労継続支援B型
を取り上げます。
次回は、
「横浜で就労継続支援B型を開業するには|第5話」
として、
・指定までの流れ
・サービス管理責任者
・職業指導員・生活支援員
・物件・設備
・生産活動
・工賃
・収支計画
・開業準備
などを整理します。
児発や放デイとは違い、
B型では、
「利用者を支援する福祉事業」と「仕事・生産活動をつくる事業」
の両方を考える必要があります。
👉 次回は、「作業場所と職員をそろえればB型を始められる」という考え方ではなく、 支援と生産活動をどう両立させるのかを開業段階から考えていきます。
\ 障害福祉サービスの開業準備を進めたい方へ /
行政書士田中穂積事務所
― 横浜の行政書士のアトリエ ― では、
放課後等デイサービス、児童発達支援、就労継続支援B型、共同生活援助(グループホーム)など、障害福祉サービス事業所の開業・運営についてご相談を承っています。
例えば、
・開業までのスケジュール整理
・指定申請に必要な要件の確認
・人員配置の確認
・候補物件・設備基準の整理
・行政への事前相談に向けた準備
・指定申請書類の作成・提出支援
・運営規程や各種書類の整備
・開業後の変更届・体制届・加算届
など、事業所の状況に応じて必要な支援を整理します。
障害福祉サービスの開業では、
物件、人員、設備、指定申請、運営準備
がそれぞれ別々ではなく、互いに関係しています。
そのため当事務所では、
「申請書を作ること」だけを目的にするのではなく、
開業までに何を、どの順番で確認すればよいのか
から一緒に整理しています。
また、障害福祉サービス事業者の皆さまには、日本版DBSをはじめ、開業後に関係する制度や運営体制の整備についても必要に応じてご案内しています。
👉 横浜で児童発達支援の開業を検討している段階から、現在決まっていることと、これから確認することを整理してみませんか。
▼ 関連ページはこちら
▶ 障害福祉サービス支援業務
▶ 日本版DBS対応支援
▶ 相談から正式依頼までの流れ
▶ お問い合わせフォーム
横浜市泉区・中田駅周辺の事業者はもちろん、オンライン相談により全国の障害福祉サービス事業者・開業予定者にも対応しています。
*お知らせ
横浜市では、障害者グループホーム(GH)を計画的に整備しており、年度ごとに新規設置法人の募集・選考を行っています。
2026年8月現在、令和9年度に新規設置する法人の募集も行われています。
【応募期限 令和8年9月10日(木曜日) 17:00厳守】
GHについては第6話でお話しする予定です。
クイズ!横浜で児童発達支援を開業するには
この記事を書いた人 Wrote this article
田中穂積
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。