横浜で就労継続支援B型を開業するには|第5話

こんにちは。
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。
前回は、
「横浜で児童発達支援を開業するには」
として、
指定までの流れ。
人員配置。
児童発達支援管理責任者。
物件・設備。
横浜市への事前相談。
開業準備。
などを整理しました。
今回は、障害児通所支援から少し分野を移して、
就労継続支援B型
を取り上げます。
放デイや児発では、
「どのような子どもに、どのような支援をするか」
が事業所づくりの中心でした。
一方、B型では、
利用者を支援する福祉事業
であると同時に、
仕事や生産活動の機会をつくる事業
でもあります。
👉 「作業場所と職員をそろえればB型を始められる」のではなく、支援と生産活動をどう両立させるかを開業段階から考えることが大切です。
今回は、横浜市を例にとりB型事業所を始めるときに確認したいポイントを整理します。
就労継続支援B型はどんな事業?
就労継続支援B型は、一般企業などで働くことが難しい障害のある方に対して、
通所により就労や生産活動の機会を提供し、必要な知識や能力の向上を支援する障害福祉サービスです。
B型では、利用者と雇用契約を結ばないという特徴があります。
「何の仕事をするか」だけでは足りない
B型を考えると、
軽作業。
清掃。
食品製造。
農作業。
パソコン作業。
など、「仕事の内容」に目が向きやすくなります。
しかし、その前に、
どのような利用者を想定するのか。
どのような支援が必要なのか。
その人の力をどう伸ばしていくのか。
を考える必要があります。
👉 B型では、「仕事を用意すること」と「利用者を支援すること」を一つの事業として考えます。
横浜でB型を開業するまでの流れ
横浜市でB型を始めるには、新規指定を受ける必要があります。
大きく考えると、
事業計画を整理する
↓
物件・人員を確認する
↓
横浜市への事前相談・面談
↓
指定申請
↓
指定・事業開始
という流れです。
指定申請の前に事業全体を整理する
B型では、
物件。
職員。
利用定員。
生産活動。
工賃。
収支。
利用者確保。
などが互いに関係します。
そのため、
「申請書を作ればよい」
という考え方ではなく、
👉 どんなB型事業所をつくるのかを先に整理し、その計画に人・物件・収支を合わせていくことが大切です。
※指定申請の手続や提出期限、相談方法などは変更される可能性があります。実際に開業を検討するときは、
横浜市等の最新案内をご確認ください。
人員配置はサービス管理責任者だけではない
B型では、
サービス管理責任者。
職業指導員。
生活支援員。
管理者。
など、必要な職員を配置します。
職業指導員と生活支援員
職業指導員は、生産活動や作業に関する支援。
生活支援員は、日常生活面を含む支援。
を担います。
ただし、
「基準上の人数を満たしているか」
だけでなく、
実際の利用者像や作業内容に合った職員体制になっているか
も重要です。
サービス管理責任者は支援全体を組み立てる
サービス管理責任者は、
個別支援計画。
利用者の状況把握。
支援内容の調整。
職員への助言。
など、事業所の支援全体を組み立てる重要な役割を担います。
資格、実務経験、研修修了状況などを確認し、
予定している方が現在の配置要件を満たしているか
を早めに確認しておきましょう。
👉 物件を契約してからサビ管を探すのではなく、人員確保も開業計画と並行して進めることが大切です。
物件・設備は「何をする事業所か」から考える
B型の物件では、
単に広さだけを見るのではなく、
どのような生産活動を行うのか
から考える必要があります。
作業内容によって必要な環境が変わる
たとえば、
食品を扱う。
機械や工具を使う。
パソコン作業をする。
商品を保管・発送する。
などでは、必要な設備やスペースが変わります。
利用者が安全に作業できるか。
職員が支援しやすいか。
休憩・相談できる場所があるか。
といった点も確認します。
また、生産活動によっては、
消防。
建築。
食品営業。
その他の許認可。
が関係することもあります。
👉 「B型の指定基準を満たすか」だけでなく、
「その場所で予定している仕事を実際に行えるか」まで契約前に確認することが重要です。
B型では「生産活動」を開業前から考える
B型では、利用者に就労や生産活動の機会を提供します。
そのため、
「開業してから仕事を探す」
ではなく、
何を仕事にするのか。
誰から受注するのか。
どこで販売するのか。
どの程度の収入が見込めるのか。
利用者が継続して取り組める仕事か。
を開業前から考えておきます。
継続できる仕事かを見る
仕事があっても、
特定の取引先だけに依存している。
季節によって仕事量が大きく変わる。
利益がほとんど残らない。
という状態では安定しません。
👉 B型の生産活動は、福祉支援であると同時に、継続性のある事業として考える必要があります。
工賃と収支を一緒に考える
B型では、生産活動によって得た収入から必要な経費を差し引き、利用者へ工賃を支払います。
そのため、
「工賃を高く設定したい」
という目標だけでは足りません。
工賃の原資を考える
たとえば、
商品の売上。
受託作業収入。
材料費。
仕入費。
外注費。
運搬費。
などを整理します。
そのうえで、
どの程度の工賃を継続して支払えるのか
を考えます。
👉 大切なのは、高い工賃を掲げることではなく、その工賃を継続して生み出せる生産活動をつくることです。
「福祉」と「生産活動」の収支を分けて見る
B型では、
障害福祉サービスとしての収支
と、
生産活動の収支
を分けて考える視点が重要です。
福祉事業として見るもの
利用者数。
障害福祉サービスの報酬。
人件費。
家賃。
水道光熱費。
車両費。
その他の運営費。
生産活動として見るもの
商品・作業の売上。
材料費。
仕入費。
生産活動に必要な経費。
工賃。
この二つを混ぜてしまうと、
「利用者が増えれば経営は大丈夫」
「売上があれば工賃は払える」
といった誤解につながります。
👉 B型では、「福祉サービスとして事業所が続くか」と「生産活動から工賃を生み出せるか」の両方を見る必要があります。
指定申請と開業準備を並行する
指定申請と同時に、
開業初日から事業所を運営できる準備も進めます。
たとえば、
・運営規程
・重要事項説明書
・利用契約関係書類
・個別支援計画に関する体制
・各種記録様式
・事故・緊急時対応
・虐待防止
・感染症対策
・個人情報管理
・職員研修
などです。
さらにB型では、
利用者募集。
仕事の確保。
取引先との調整。
作業手順。
工賃の計算。
生産活動の記録。
なども準備します。
👉 指定日をゴールにせず、「その日から利用者を迎え、支援と仕事の両方を動かせる状態」をつくることが開業準備です。
今日の実務ワンポイント
横浜で就労継続支援B型を始めたい方は、
まず次の5つを書き出してみてください。
① どのような利用者を想定するのか
② どのような支援を行うのか
③ 何を生産活動にするのか
④ サビ管・職業指導員・生活支援員をどう確保するのか
⑤ その仕事でどの程度の工賃を継続して支払えそうか
全部決まっていなくても構いません。
大切なのは、
「福祉」と「仕事」のどちらか一方だけで計画を作らないこと
です。
👉 B型開業では、支援計画と生産活動の計画を同じ段階から考えてみましょう。
まとめ
横浜で就労継続支援B型を開業するには、
利用者への支援。
サービス管理責任者。
職業指導員・生活支援員。
物件・設備。
指定申請。
生産活動。
工賃。
収支計画。
運営準備。
を並行して考える必要があります。
放デイや児発との大きな違いは、
支援だけではなく、
利用者が取り組む仕事と、その仕事から生まれる工賃
まで考える必要があることです。
👉 B型の開業で大切なのは、「指定を取れる事業所」をつくることだけではなく、
「支援と仕事が無理なく続く事業所」をつくることです。
今日のチェックポイント
□どのような利用者を想定するか整理している
□提供する支援内容を考えている
□サービス管理責任者の確保を進めている
□職業指導員・生活支援員の配置を確認している
□候補物件を契約前に確認している
□生産活動の内容を考えている
□仕事の受注先・販売先を考えている
□工賃の原資を確認している
□福祉と生産活動の収支を分けて考えている
すべてにチェックが付かなくても問題ありません。
まずは、
「利用者・支援・人員・仕事・収支」
の5つから整理してみましょう。
行政書士田中穂積の視点
就労継続支援B型の開業では、
指定申請の要件を満たすことはもちろん重要です。
しかし、
人員をそろえる。
物件を確保する。
申請書を作る。
だけでは、B型事業所が継続して運営できるとは限りません。
B型では、
どんな利用者を支援するのか。
どんな仕事を提供するのか。
その仕事を継続して確保できるのか。
工賃をどう生み出すのか。
まで考える必要があります。
行政書士として大切だと考えているのは、
指定申請だけではなく、
物件。
人員。
支援。
生産活動。
収支。
開業後の運営。
を一つの計画として整理することです。
👉 「指定を受けられるか」だけでなく、
「指定後に無理なく続けられるか」まで考えて開業準備を進めることが大切です。
Q&A|横浜で就労継続支援B型を開業するとき
Q1.B型の仕事は開業してから探してもよいですか?
開業後に仕事を増やしていくことはできます。
ただし、開業時に生産活動の見通しがなければ、
仕事。
工賃。
職員配置。
収支計画。
を組み立てにくくなります。
そのため、開業前から一定の仕事や販売先の見通しを持っておくことが大切です。
Q2.サービス管理責任者が決まれば人員面は大丈夫ですか?
サビ管だけではありません。
B型では、職業指導員や生活支援員などの配置も必要です。
人数だけでなく、勤務時間、兼務、実際の支援体制まで確認します。
Q3.工賃は高く設定した方がよいですか?
工賃の向上は重要ですが、継続して支払えることが前提です。
どのような仕事で、どの程度の収益を生み出せるのかを開業前から考えることが大切です。
次回予告
次回は、
利用者の「生活の場」を支える、
共同生活援助(障害者グループホーム)
を取り上げます。
次回は、
「横浜で障害者グループホームを開設するには|第6話」
として、
・指定までの流れ
・サービス管理責任者
・世話人・生活支援員
・住居・設備
・消防・建築
・横浜市の新規設置に関する手続
・夜間・緊急時の体制
・開業準備
などを整理します。
B型が主に日中の活動を支援するサービスなのに対して、
グループホームでは、
利用者の生活そのものを支える体制
を考える必要があります。
👉 次回は、「普通の住宅を借りればグループホームにできる」と考えず、
住まい・人員・指定・消防・建築をどう一緒に確認するのかを整理します。
\ 障害福祉サービスの開業準備を進めたい方へ /
行政書士田中穂積事務所
― 横浜の行政書士のアトリエ ― では、
放課後等デイサービス、児童発達支援、就労継続支援B型、共同生活援助(グループホーム)など、
障害福祉サービス事業所の開業・運営についてご相談を承っています。
例えば、
・開業までのスケジュール整理
・指定申請に必要な要件の確認
・人員配置の確認
・候補物件・設備基準の整理
・行政への事前相談に向けた準備
・指定申請書類の作成・提出支援
・運営規程や各種書類の整備
・開業後の変更届・体制届・加算届
など、事業所の状況に応じて必要な支援を整理します。
障害福祉サービスの開業では、
物件、人員、設備、指定申請、運営準備
がそれぞれ別々ではなく、互いに関係しています。
そのため当事務所では、
「申請書を作ること」だけを目的にするのではなく、
開業までに何を、どの順番で確認すればよいのか
から一緒に整理しています。
👉 横浜で就労継続支援B型の開業を検討している段階から、支援・人員・物件だけでなく、
生産活動と収支まで含めて整理してみませんか。
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横浜市泉区・中田駅周辺の事業者はもちろん、オンライン相談により全国の障害福祉サービス事業者・開業予定者にも対応しています。
*お知らせ
横浜市では、障害者グループホーム(GH)を計画的に整備しており、年度ごとに新規設置法人の募集・選考を行っています。
2026年8月現在、令和9年度に新規設置する法人の募集も行われています。
【応募期限 令和8年9月10日(木曜日) 17:00厳守】
GHについては第6話でお話しする予定です。
クイズ!横浜で就労継続支援B型を開業するには
前回 横浜で児童発達支援を開業するには|第4話
次回 横浜で障害者グループホームを開設するには|第6話
この記事を書いた人 Wrote this article
田中穂積
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。