横浜で障害福祉サービスを開業するには|第1話

こんにちは。
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。
今回から、新しいシリーズ
「障害福祉サービス 開業準備編」
を始めます。
このシリーズでは、
・放課後等デイサービス
・児童発達支援
・就労継続支援B型
・共同生活援助(グループホーム)
を中心に、障害福祉サービス事業所を開業するまでに必要となる準備を、できるだけ分かりやすく整理していきます。
「障害福祉サービスを始めたいけれど、何から手を付ければよいのか分からない」
そんな方も少なくないと思います。
物件を探す。
職員を採用する。
指定申請をする。
設備を整える。
運営書類を作る。
やることはたくさんあります。
しかし、大切なのは、それらをバラバラに進めないことです。
👉 障害福祉サービスの開業は、「指定申請・人員・物件・設備・運営準備」を一つの計画として進めることが大切です。
今回はシリーズ第1話として、まず横浜市を例にとり開業までの全体像を整理します。
障害福祉サービスは「場所を借りれば始められる」事業ではありません
飲食店や小売店などでも許認可が必要になることがありますが、障害福祉サービスにはさらに、
事業所として指定を受ける
という大きな手続があります。
そのため、
「良い物件が見つかったから契約する」
「スタッフを集めてから申請する」
という進め方が、必ずしも安全とは限りません。
指定を受けるためには、サービスごとに定められた、
・人員基準
・設備基準
・運営基準
などを満たす必要があります。
国の基準でも、指定障害福祉サービスについて、人員・設備・運営に関する基準がそれぞれ定められています。
つまり、
物件、人、設備、書類のすべてが関係する事業
と考えた方が分かりやすいでしょう。
まず決めたいのは「どのサービスを始めるか」
障害福祉サービスと一口にいっても、事業の内容は異なります。
たとえば、
放課後等デイサービスや児童発達支援は、主に子どもへの支援を行います。
就労継続支援B型では、利用者の就労や生産活動などを支援します。
共同生活援助、いわゆるグループホームは、生活の場を提供しながら必要な支援を行うサービスです。
当然、
必要な職員。
必要な設備。
物件に求められる条件。
開業後の運営方法。
も変わってきます。
そのため最初に、
👉 「障害福祉事業をやりたい」ではなく、「どのサービスを、誰に、どのように提供するのか」
を具体的にすることが大切です。
開業準備は大きく4つに分けて考える
障害福祉サービスの開業準備は、まず次の4つに分けると整理しやすくなります。
1. 指定申請
障害福祉サービスを提供するためには、原則として指定権者から指定を受ける必要があります。
横浜市では、サービスごとに新規指定に関する手続や事前相談の案内があります。
たとえば日中活動系サービスでは、
事前相談
↓
指定申請
↓
書類補正・事前審査
↓
本審査
↓
指定
という流れが示されています。
放課後等デイサービスや児童発達支援についても、横浜市では新規開設を検討する事業者向けに手続の流れが案内され、指定前面接や指定申請書の確認などが行われています。
「申請書を提出すれば終わり」という手続ではありません。
2.人員配置
次に重要なのが人員です。
サービスによって、
管理者。
サービス管理責任者。
児童発達支援管理責任者。
生活支援員。
職業指導員。
児童指導員。
保育士。
世話人。
など、必要になる職種や配置が異なります。
また、
「採用予定です」
だけではなく、
資格。
実務経験。
勤務時間。
常勤・非常勤。
他の職務との兼務。
なども確認する必要があります。
物件が決まっていても、必要な人員を確保できなければ開業できないことがあります。
3.物件・設備
そして、開業準備で特に慎重に進めたいのが物件です。
広さ。
部屋の配置。
相談室。
訓練・作業スペース。
居室。
洗面設備。
トイレ。
避難経路。
消防設備。
など、確認すべき事項があります。
サービスによって必要な設備は異なります。
ここで大切なのは、
「広そうだから大丈夫」
「以前も福祉施設だったから大丈夫」
と判断しないことです。
契約後に、
「この配置では基準を満たせない」
「追加工事が必要になった」
となると、開業時期や資金計画にも影響します。
4.運営準備
指定を受ければ、その日から自然に事業所が運営できるわけではありません。
開業前には、
・運営規程
・重要事項説明書
・契約書
・各種記録様式
・職員の役割分担
・緊急時の対応
・事故対応
・虐待防止
・感染症対策
・個人情報管理
など、実際にサービスを提供するための準備も必要になります。
開業日から職員が迷わず動けるように、
「指定を取る準備」と「運営を始める準備」を同時に進める
ことが重要です。
横浜で開業するなら「事前相談」を早めに意識する
横浜市で障害福祉サービスを開業する場合、サービスによって事前相談や申請方法が定められています。
特に物件や設備が関係する事業では、
契約や工事を先に進める前に、行政への確認が必要になる場面があります。
横浜市の日中活動系サービスでは、新規指定に向けて事前相談を行い、その後に指定申請へ進む流れが案内されています。
放課後等デイサービス・児童発達支援でも、新規開設事業者向けの手続が設けられています。
そのため、
「物件を契約してから相談する」
ではなく、
👉 候補物件が見えてきた段階で、必要な確認を始める
という意識を持っておくと安心です。
開業日は「申請日」から逆算して考える
「できれば3か月後に開業したい」
と考える方もいるでしょう。
しかし、障害福祉サービスの開業では、
物件。
人員確保。
事前相談。
消防・建築などの確認。
指定申請。
書類補正。
備品購入。
職員研修。
利用者募集。
などを並行して進めます。
そのため、
開業予定日だけを先に決めるのではなく、
指定申請にいつまでに何が必要なのか
から逆算してスケジュールを作ることが大切です。
無理なスケジュールを組むと、
物件は借りているのに指定を受けられない。
職員を採用したのに開業できない。
という期間が生じる可能性もあります。
今日の実務ワンポイント
これから開業を考えている方は、まずA4用紙1枚で構いませんので、
「開業準備シート」
を作ってみてください。
書く内容は、
・始めたいサービス
・開業したい地域
・開業予定時期
・候補物件の有無
・必要な職員
・現在確保できている職員
・必要な設備
・行政への相談状況
です。
まだ決まっていない項目は「未定」で構いません。
大切なのは、
何が決まっていて、何が決まっていないのかを見えるようにすること
です。
まとめ
障害福祉サービスを開業するときには、
指定申請。
人員配置。
物件・設備。
運営準備。
をそれぞれ進める必要があります。
ただし、この4つは独立しているわけではありません。
物件を決めれば設備基準に影響します。
採用する人によって人員基準に影響します。
指定申請の時期によって開業日も変わります。
👉 障害福祉サービスの開業で大切なのは、「何を申請するか」だけではなく、「何を、どの順番で準備するか」を最初に整理することです。
一つずつ確認していけば、必要以上に難しく考える必要はありません。
このシリーズでは、その順番を一つずつ整理していきます。
今日のチェックポイント
これから障害福祉サービスを開業する方は、次の項目を確認してみましょう。
□始めたい障害福祉サービスが決まっている
□対象となる利用者をイメージできている
□開業したい地域が決まっている
□開業予定時期を考えている
□候補となる物件を探している
□必要な人員について確認を始めている
□人員・設備・運営基準があることを理解している
□指定申請までの流れを確認している
□契約や工事の前に確認すべき事項があることを理解している
□開業後の運営準備まで考え始めている
すべてにチェックが付かなくても問題ありません。
まずは、
「どのサービスを、どこで、いつ始めたいのか」
の3つから整理してみましょう。
行政書士田中穂積の視点
障害福祉サービスの開業相談では、
「まだ何も決まっていないので、相談するには早いでしょうか」
と思われる方もいるかもしれません。
しかし実際には、
まだ決めていない段階だからこそ確認できることがあります。
特に、
物件を契約する。
改修工事を始める。
職員を採用する。
といった判断は、あとから簡単に戻せないことがあります。
行政書士として指定申請を考えるときも、完成した申請書だけを見るのではなく、
物件。
人員。
設備。
運営体制。
開業時期。
を一緒に整理することが重要だと考えています。
分からないことを全部調べ終えてから相談する必要はありません。
むしろ、
「何を確認すればよいのか分からない」段階から順番を整理する。
それも開業準備の一つです。
Q&A|横浜で障害福祉サービスを開業するときの疑問
Q1.まだ物件が決まっていなくても相談できますか?
はい。
むしろ、物件契約前に確認しておいた方がよい事項があります。
サービスごとの設備基準や物件の使い方などを確認したうえで候補を探す方が、契約後の想定外を減らしやすくなります。
Q2.法人を作ってからでないと開業準備はできませんか?
指定を受けるためには法人格など一定の要件がありますが、法人設立前でも事業内容、人員、資金、候補物件、スケジュールなどの整理はできます。
法人設立だけを先に進めるのではなく、開業計画全体の中で設立時期を考えることが大切です。
Q3.放デイ・児発・B型・GHでは準備内容は同じですか?
共通する部分はありますが、必要な人員、設備、運営方法などはサービスによって異なります。
そのため、
「障害福祉サービスだから全部同じ」
とは考えず、開業するサービスごとに基準を確認する必要があります。
このシリーズでも、それぞれの違いを順番に取り上げていきます。
次回予告
障害福祉サービスの開業準備では、
「まず物件を探そう」
と考える方も多いと思います。
しかし、物件を先に契約してしまうと、
必要な設備基準を満たせない。
想定外の改修が必要になる。
予定していたサービスで使えない。
といった問題が起こることがあります。
次回は、
「横浜の障害福祉事業は物件契約前が重要|第2話」
として、
物件契約の前に確認したい、
・用途
・広さ
・間取り
・設備
・消防
・建築
・指定基準
などを整理します。
👉 次回は、「良い物件を探す」前に「その物件で事業ができるかを確認する」という考え方を取り上げます。
\ 障害福祉サービスの開業準備を進めたい方へ /
行政書士田中穂積事務所
― 横浜の行政書士のアトリエ ― では、
放課後等デイサービス、児童発達支援、就労継続支援B型、共同生活援助(グループホーム)など、障害福祉サービス事業所の開業・運営についてご相談を承っています。
例えば、
・開業までのスケジュール整理
・指定申請に必要な要件の確認
・人員配置の確認
・候補物件・設備基準の整理
・行政への事前相談に向けた準備
・指定申請書類の作成・提出支援
・運営規程や各種書類の整備
・開業後の変更届・体制届・加算届
など、事業所の状況に応じて必要な支援を整理します。
障害福祉サービスの開業では、
物件、人員、設備、指定申請、運営準備
がそれぞれ別々ではなく、互いに関係しています。
そのため当事務所では、
「申請書を作ること」だけを目的にするのではなく、
開業までに何を、どの順番で確認すればよいのか
から一緒に整理しています。
また、障害福祉サービス事業者の皆さまには、日本版DBSをはじめ、開業後に関係する制度や運営体制の整備についても必要に応じてご案内しています。
👉 まだ計画が固まっていない段階でも、まず現在決まっていることと、これから確認することを整理するところから始めてみませんか。
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クイズ!横浜で障害福祉サービスを開業するには
この記事を書いた人 Wrote this article
田中穂積
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。