壊すのではなく活かす|古民家と空き家が地域の未来になる|第17話

~旅行業37年の行政書士が考える観光まちづくり~
こんにちは。
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。
日曜日に少し肩の力を抜いて読んでいただきたい、
「古民家宿・空き家活用方法」
も、今回で最終話となりました。
第1話からここまで、
空き家を壊す前に考えたいこと。
古民家宿
古民家カフェ
消防・建築
近隣との関係
観光事業
地域との連携
資金
契約
許認可
と、さまざまな角度から古民家・空き家活用を考えてきました。
最後まで読んでくださった方。
途中の記事からこのシリーズを見つけてくださった方。
検索から一つの記事だけ読んでくださった方。
本当にありがとうございます。
最終話でお伝えしたいのは、
新しい制度でも、
新しい許認可でもありません。
このシリーズを通して私が一番お伝えしたかった、
「壊すのではなく、活かす」
ということについて、改めて考えてみたいと思います。
- 1. 1.空き家を見たとき、「古い建物」で終わらせない
- 2. 2.古民家の価値は、建物だけにあるのではない
- 3. 3.旅行業界37年で感じてきた「旅の価値」
- 4. 4.一軒の空き家から、地域へ広がる
- 5. 5.しかし「思い」だけでは続かない
- 6. 6.「宿にしたい」と思った方へ
- 7. 7.古民家の記事も、これから残り続けます
- 8. 今日の実務ワンポイント
- 9. 今日のチェックポイント
- 10. 行政書士田中穂積の視点
- 11. Q&A|古民家・空き家活用シリーズを終えて
- 12. シリーズをお読みいただいた皆さまへ
- 13. \ 古民家・空き家を「壊す」のではなく「活かしたい」方へ /
- 14. クイズ!古民家と空き家を地域の未来へ活かす
1.空き家を見たとき、「古い建物」で終わらせない
使われなくなった家。
古くなった建物。
管理が難しくなった実家。
相続したものの使い道が決まらない住宅。
空き家には、それぞれ事情があります。
もちろん、
すべての空き家を残すべきだとは思いません。
建物の状態。
安全性。
費用。
地域環境。
所有者の事情。
によっては、解体という選択が適切なこともあります。
ただ、
「古いから壊す」
と決める前に、
一度だけ、
「この建物に、もう一度役割を持たせることはできないだろうか」
と考えてみる。
それが、このシリーズの出発点でした。
2.古民家の価値は、建物だけにあるのではない
古い梁
柱
土間
庭
縁側
昔ながらの建具
こうしたものには、新築では作れない魅力があります。
でも、
古民家の価値は、それだけではないと思っています。
そこに、
旅行者が泊まる。
地域の人がコーヒーを飲む。
子どもたちが集まる。
地域の商品が並ぶ。
その土地の食事を味わう。
歴史や文化を知る。
人と人が出会う。
そんな使われ方が生まれたとき、
建物は単に保存されるだけではなく、
もう一度、地域の中で役割を持ち始めます。
👉 古民家を残すことと、古民家を活かすことは同じではありません。
人が関わって初めて、「活用」になるのだと思います。
3.旅行業界37年で感じてきた「旅の価値」
私は行政書士になる前、旅行業界で37年間仕事をしてきました。
その中で、
有名な観光地
大型ホテル
団体旅行
個人旅行
地域の小さな宿など
さまざまな旅行に関わってきました。
そこで感じてきたのは、
旅行者の記憶に残るものは、
必ずしも有名な観光施設だけではないということです。
偶然入った小さなお店。
宿の人との会話。
地元の人に教えてもらった場所。
その土地で食べたもの。
昔ながらの町並み。
そうしたものが、
後になって、
「あの旅行はよかったね」
という記憶になることがあります。
古民家や空き家は、
そうした地域との出会いを生み出せる場所になり得ます。
4.一軒の空き家から、地域へ広がる
たとえば、
一軒の古民家が宿になる。
宿泊客が近くの飲食店へ行く。
地域の商品を買う。
近くの体験へ参加する。
翌日は周辺を観光する。
そうなれば、
空き家活用は、
一つの建物の再生だけでは終わりません。
地域のお店。
交通
体験
農業
文化
人
へとつながっていきます。
私は、
これが観光まちづくりの面白さだと思っています。
大きな観光施設を一つ造ることだけが、
観光地域づくりではありません。
👉 今あるものをつなぎ直すことも、立派な観光まちづくりです。
そして、
古民家や空き家は、そのきっかけになれる存在だと思います。
5.しかし「思い」だけでは続かない
一方で、
このシリーズでは、
良い話だけを書いてきたわけではありません。
消防
建築
旅館業
飲食店営業
近隣関係
資金
契約
運営
撤退
かなり現実的な話もしてきました。
それは、
夢を小さくするためではありません。
むしろ逆です。
👉 せっかく始めるなら、長く続けられる形にしてほしい。
そのためです。
「地域を元気にしたい」
「この家を残したい」
「人が集まる場所にしたい」
という思いは、とても大切です。
でも、
事業として続かなければ、
その思いも続けることができません。
だから、
思いと実務
魅力と法律
地域と事業
この両方を見ることが必要なのだと思います。
6.「宿にしたい」と思った方へ
このシリーズを読んで、
「やっぱり、この空き家を宿にしてみたい」
と思った方もいらっしゃるかもしれません。
そこから先は、
もう一段具体的な検討に入ります。
民泊として始めるのか。
旅館業の簡易宿所として始めるのか。
その建物で本当に宿泊事業ができるのか。
消防・建築はどうなるのか。
一年のうち、どのくらい営業したいのか。
運営は誰が行うのか。
こうした点を整理していきます。
このブログでは、
「民泊・簡易宿所 開業完全ガイド」
として、より具体的な宿泊事業の実務も解説しています。現在のシリーズでも、空き家・古民家を宿にしたい方を想定し、民泊と簡易宿所の違いから整理しています。
👉 古民家活用から「宿泊事業」へ進みたい方は、ぜひ次はこちらを読んでみてください。
▶ 民泊・簡易宿所 開業完全ガイド
古民家シリーズはここで終わりますが、
「宿として活かしたい」方の続きは、ここから始まります。
7.古民家の記事も、これから残り続けます
連載は終わります。
でも、
古民家・空き家の記事を書かなくなるわけではありません。
制度が変わったとき。
新しい活用事例が生まれたとき。
地域で面白い取り組みを見つけたとき。
またこのブログで取り上げていきたいと思います。
そして、
これまでの17話も、
これから空き家活用を考える方に、
必要なところから読み返していただければと思います。
👉 連載が終わっても、古民家・空き家活用というテーマは終わりません。
このシリーズも、これから育てていきます。
今日の実務ワンポイント
最終話ですので、最後の実務ワンポイントは一つだけです。
古民家や空き家を見たとき、
すぐに、
「何の許可が必要?」
から考えなくても構いません。
まず、
「この建物を、誰のために、どんな場所として残したい?」
と考えてみてください。
宿
カフェ
体験
地域交流
店舗
事務所
あるいは、別の使い方。
👉 使い方が見えてから、必要な制度や専門家を確認すればよいのです。
まとめ
17話にわたって、
古民家と空き家について考えてきました。
最初にお伝えした、
「壊すのではなく、活かす」
という言葉に、最後も戻りたいと思います。
すべての古民家を残すことが正解ではありません。
すべての空き家を事業にする必要もありません。
でも、
「もう使わないから壊す」
その判断をする前に、
もう一度、
地域
観光
人
事業
という視点から見てみる。
そこから、
新しい使い方が生まれるかもしれません。
一軒の古民家が、
一人の旅行者を呼ぶ。
その旅行者が地域のお店へ行く。
地域の人と話す。
その土地を好きになる。
また訪れる。
そんな小さな循環から、
地域は少しずつ変わっていくのだと思います。
👉 空き家は「過去の建物」ではなく、「これから何に使うかを考えられる場所」です。
それが、このシリーズを通して私がお伝えしたかったことです。
今日のチェックポイント
□この建物を残したい理由がある
□誰に使ってもらいたいか考えている
□地域とのつながりを考えている
□事業として続けられるか考えている
□宿・カフェ・体験など複数の可能性を検討した
□必要な許認可や専門家を早い段階で確認する意識がある
□「壊す」以外の選択肢を一度考えてみた
すべてにチェックが付く必要はありません。
まずは、
「この家がもう一度使われるとしたら、どんな場所になったらうれしいだろう」
そんなところから考えてみてください。
行政書士田中穂積の視点
旅行業界で37年間仕事をしてきた私が、
行政書士になって古民家・空き家について記事を書く。
最初は、
少し離れたテーマに見えたかもしれません。
でも、
このシリーズを書き続けるほど、
私の中ではつながっていきました。
旅行は、
人が移動すること。
宿泊は、
人が滞在すること。
観光は、
人が地域と出会うこと。
そして古民家や空き家は、
その出会いの場所になれる。
だから私は、
古民家活用も観光まちづくりの一つだと考えています。
そこへ行政書士として、
許認可
契約
行政との調整
という実務面から関わる。
旅行業界で経験してきたことと、
現在の行政書士の仕事。
その二つが交わる場所の一つが、
古民家・空き家活用なのかもしれません。
👉 「壊す」のではなく「活かす」。
その一歩を法務の面から支えることが、
行政書士としての私の役割だと考えています。
Q&A|古民家・空き家活用シリーズを終えて
Q1.持っている古民家を活用したいのですが、宿にするかカフェにするかまだ決まっていません。それでも相談できますか?
もちろんです。
むしろ、
物件を購入したり、
大きな改修を始めたりする前に、
「何に使える可能性があるのか」
を整理することには意味があります。
まずは、
やりたいことと建物の条件を一緒に整理する
ところから始めます。
Q2.古民家を宿として使いたい場合は、次に何を読めばよいですか?
このブログの、
「民泊・簡易宿所 開業完全ガイド」
がおすすめです。
民泊と簡易宿所の違い。
物件。
消防・建築。
届出・許可。
開業準備。
など、宿泊事業へ進むための実務をより具体的に解説しています。
▶ 民泊・簡易宿所 開業完全ガイド
Q3.この古民家シリーズはこれで完全に終わりですか?
定期連載としては今回で一区切りです。
ただし、
古民家・空き家活用について、
制度改正。
新しい動き。
地域で参考になる事例。
などがあれば、今後も取り上げていきます。
👉 17話で終わるシリーズではなく、これからも必要に応じて育てていくテーマ
と考えています。
シリーズをお読みいただいた皆さまへ
ここまで、
「古民家宿・空き家活用の活用方法」
をお読みいただき、
本当にありがとうございました。
日曜日の記事として、
少し肩の力を抜きながら、
古民家
地域
観光
仕事
について考えてきました。
肩の力を抜いてと考えて始めましたが毎週読んでくださった方がいること。
途中の記事から過去記事まで読んでくださった方がいること。
古民家や空き家について検索し、
このブログを見つけてくださった方がいること。
そのような方々からの応援が記事を書き続ける大きな励みになっています。
このシリーズはいったんここで一区切りです。
でも、
日曜日の記事は続きます。
次の日曜日から「貸切バス」シリーズ第2章へ
次の日曜日からは、
以前このブログで取り上げ、多くの反響をいただいた
「貸切バスの正しい手配」
シリーズを再開します。
これまでの第1話~第4話(記事はリライトしております)では、
貸切バスを取り巻くルール。
運賃
営業区域
安全管理
など、手配の基本を取り上げてきました。
ここからは第2章として、
もっと具体的な旅行の場面へ進みます。
学校
部活動
社員旅行
団体旅行
インバウンド
空港送迎
ホテル
そして実際の貸切バス手配。
私は旅行業界で37年間、
実際に多くの貸切バスの手配にも関わってきました。
そして今でも多くのバス会社の方とつながっています。
次のシリーズでは、
一般的なバス会社の記事とは少し違う、
「旅行会社で手配する側から見た貸切バス」
についてお話ししていきます。
最初のテーマは、
学校・部活動の遠征で貸切バスを手配するときの注意点|第5話
です。
「安いバスを見つければ大丈夫?」
「保護者会で直接予約してもいい?」
「遠征や大会では何を確認する?」
といった、
実際の利用場面から考えていきます。
古民家とはずいぶん違うテーマに見えます。
でも、
人が地域を訪れる。
移動する。
泊まる。
楽しむ。
すべて観光・旅行につながっています。
日曜日はこれからも、
旅行業界37年の経験と行政書士の視点から、旅と地域の実務を少し深く、でも分かりやすく
バス会社の方にも読んでいただけるような内容でお届けしていきたいと思います。
また次の日曜日にお会いできればうれしく思います。
\ 古民家・空き家を「壊す」のではなく「活かしたい」方へ /
行政書士田中穂積事務所
― 横浜の行政書士のアトリエ ― では、
・古民家や空き家を活用したい
・宿、カフェ、体験施設など使い方から相談したい
・空き家を民泊・簡易宿所として活用したい
・契約や改修の前に必要な確認を整理したい
・観光事業として地域につなげたい
といった構想段階からご相談いただけます。
旅行業界37年の経験と行政書士としての法務・許認可の視点から、
「許可を取る」だけではなく、「その建物をどう活かしていくのか」
というところから一緒に整理します。
必要に応じて、建築・登記・税務など他分野の専門家とも連携しながら進めることが大切です。
👉 「この建物を残したい」と思ったとき、その思いを事業として形にする方法を一緒に考えてみませんか。
▼ 古民家・宿泊事業についてはこちら
▶ 古民家・空き家活用の記事一覧
▶ 民泊・簡易宿所 開業完全ガイド
▶ 旅行・宿泊・観光事業支援
▶ 古民家活用はこちら
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前回 行政書士から見た空き家活用の落とし穴|第16話
次の日曜日 貸切バスシリーズ第2章|学校・部活動の遠征で貸切バスを手配するときの注意点|第5話
この記事を書いた人 Wrote this article
田中穂積
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。