02 横浜の観光・宿泊ビジネス お悩み解決実務 2nd page

イベント参加者のホテルもまとめて手配したい|主催者がやっても大丈夫?|第4話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、ホテルのフロントで地域体験を予約してあげたいというケースから、案内するだけなのか。予約まで受けるのか。代金まで預かるのか。という、宿泊施設と地域サービスの関わり方を考えました。今回は立場を変えて、イベントを主催する側から考えてみます。たとえば、横浜でスポーツ大会を開催する。展示会を開く。学会や研修会を開催する。音楽イベントを企画する。全国から参加者が集まるので、「せっかくだから近くのホテルもまとめて予約してあげよう」と思った。参加者にとっては、とても便利です。でも、ここで出てくるのが、「イベント主催者がホテルまで手配しても大丈夫?」という疑問です。今回の結論を先にお伝えします。👉 イベント主催者だから自由に宿泊を手配できる、というわけではありません。ポイントは、イベントの案内をしているのか、参加者のために他社の宿泊を手配しているのかです。 1.ホテルを「紹介する」のと「予約する」のは違います まずは、シンプルなケースです。イベントの案内ページに、「会場周辺にはこのようなホテルがあります」と掲載する。各ホテルのホームページへリンクする。参加者自身が、ホテルを選び。ホテルへ申し込み。ホテルへ料金を支払う。この形なら、主催者の役割は基本的に、宿泊情報の案内です。では、「宿泊をご希望の方はこちらからお申し込みください」と主催者が希望を集め、ホテルへまとめて予約する場合はどうでしょう。ここでは、主催者が参加者とホテルの間に入ることになります。👉 「ホテルを教える」のと、「参加者の代わりにホテルを取る」のは同じではありません。まずここを分けて考えます。 2.ホテルを参加者のために手配すると、旅行業法の確認が必要になる 旅行業法では、他人が提供する宿泊サービスについて、代理媒介取次などを行うことが、基本的な旅行業務に含まれています。つまり、イベント主催者だから。スポーツ団体だから。会社だから。NPOだから。という肩書きだけで判断するものではありません。見るべきなのは、実際に何をしているかです。参加者から宿泊希望を受ける。主催者がホテルへ予約する。部屋を割り当てる。宿泊代を集める。キャンセルを受け付ける。このように関与が増えていけば、単……

ホテルのフロントで地域体験を予約してあげたい|どこまでならできる?|第3話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「地域のお店を紹介して、予約につながったら手数料をもらいたい」というケースから、「紹介」という名前ではなく、誰が予約を受けるのか。誰が契約するのか。誰がお金を受け取るのか。を見ることが大切だとお話ししました。 では今回は、もう少し日常的な場面でみてみます。ホテルのフロントで宿泊客から、「明日、近くで何か体験できませんか?」と聞かれました。スタッフが、「この陶芸体験が楽しくておすすめですよ」と案内する。ここまでは自然なおもてなしです。では、「予約もしてもらえますか?」と言われて、代わりに予約したら?さらに、体験料もホテルで受け取ったら?キャンセルになったとき、ホテルが返金まで対応したら?ここで、「どこまでならホテルのサービスとしてやっていいの?」という疑問が出てきます。今回の答えを先にお伝えします。👉 地域体験の予約を手伝っただけで、直ちに旅行業になるわけではありません。ただし、予約・代金・契約・キャンセル対応までホテルが抱え込むと「ホテルは何をしているのか」を整理する必要が出てきます。今回は、その境目を考えてみましょう。 1.「おすすめですよ」と案内するだけなら? まず一番シンプルなケースです。宿泊客に、「近くにこんな体験があります」と案内する。パンフレットを渡す。体験事業者のホームページを紹介する。QRコードを案内する。そして旅行者自身が体験事業者へ申し込み、直接支払う。この場合、ホテルは基本的に、地域情報を案内する役割です。地域のお店や体験を紹介すること自体は、宿泊客の満足度を高める大切なサービスでもあります。👉 これは「紹介するだけ」であることを確認しましょう。 2.「代わりに予約しておきます」で何が変わる? 次は、宿泊客から頼まれて、ホテルスタッフが体験施設へ電話をするケースです。「明日の10時に2名、空いていますか?」「では予約をお願いします」ここまで進むと、単なる情報提供よりホテルの関与は深くなります。ただし、陶芸。料理体験。文化体験。観劇。施設入場。など、運送・宿泊以外のサービスだけを単独で手配することは、旅行業に該当しない例として観光庁から示されています。ですから、「体験を予約した=すぐ旅行業」では……

地域のお店をまとめて紹介して手数料をもらいたい|これも旅行業になる?|第2話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「私でも横浜で観光ビジネスを始められる?」という疑問から、誰に。何を。どのように提供するのか。を最初に整理することが大切だとお話ししました。では、こんなビジネスを思いついたらどうでしょう。「横浜のいいお店をたくさん知っている」「地域の体験施設や飲食店を観光客に紹介したい」「自分のホームページでまとめて紹介して、予約につながったら紹介料をもらえないかな」一見すると、地域のお店を紹介しているだけに見えます。でも、ここで気になるのが、「手数料をもらったら旅行業になるの?」ということです。今回の答えを先にお伝えします。👉 「手数料をもらう=すぐ旅行業」ではありません。一方で、👉 「紹介しているだけ」と呼べば旅行業にならない、というわけでもありません。大切なのは名称ではなく、実際に誰のために、何を、どこまでやっているのかです。今回は、そこを集中して整理します。 1.まず「何を紹介するのか」で話が変わります たとえば、あなたのサイトで、横浜のレストラン。陶芸体験。ものづくり体験。イベント。地域の商品。などを紹介するとします。一方で、ホテル。旅館。貸切バス。航空券。などを紹介する場合もあります。同じ「観光客への紹介」でも、旅行業法上は同じように扱われるとは限りません。旅行業法では、報酬を得て、宿泊や運送について契約の代理・媒介・取次などを事業として行うことは、旅行業に該当し得ます。観光庁の資料でも、旅館のあっ旋や航空券販売などが旅行業務の例として示されています。一方、飲食、体験、イベントなど、運送・宿泊以外のサービスだけを単独で扱う場合は、同じ判断にならないことがあります。観光庁も、運送・宿泊以外のサービスだけを手配するケースを旅行業に該当しない例として整理しています。👉 「地域のお店を紹介する」と一括りにせず、まず何を紹介するのかを分けてみましょう。 2.「広告を載せる」のと「予約を取る」のは同じではない 次に確認したいのが、あなたはどこまで関わるのかです。たとえば、自分のサイトに、「この店がおすすめです」と掲載する。そして、「予約はこちら」と、お店自身の予約ページへ案内する。ここでは、あなたの役割はかなり「情報提供……

私でも横浜で観光ビジネスを始められる?|最初に何を決めればいいのか|第1話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 「旅行や観光の仕事経験はないけれど、観光に関わる仕事をしてみたい」「地域のお店や体験をつないで、何か事業にできないかな」「空き家や宿泊施設を使って、観光客を呼べないだろうか」そんなアイデアはある。でも、次にこんな疑問が出てきませんか。「そもそも、私でも横浜で観光ビジネスを始められるの?」結論から言えば、👉 観光業界の経験がなくても、観光ビジネスを始めることはできます。ただし、最初から旅行業登録や宿泊施設の許可について調べ始める必要はありません。その前に決めたいことがあります。それは、「誰に、何を、どんな形で提供するのか」です。今回は、「観光の仕事を始めてみたいけれど、何から考えればいいのか分からない」という方に向けて、最初の一歩を整理します。 1.観光ビジネスは旅行会社だけのものではありません 「観光ビジネス」と聞くと、旅行会社。ホテル。旅館。観光バス。などを思い浮かべるかもしれません。私もこれまでそのような内容のブログを書いてきました。しかし、観光に関わる仕事はそれだけではありません。地域のまち歩きやものづくりの体験。飲食。地域イベント。古民家活用。宿泊。外国人旅行者向けサービス。地元の商品販売。など、地域を訪れる人に何かを提供する事業も広い意味では観光ビジネスにつながります。ですから、「旅行会社で働いたことがないから無理」と最初から考える必要はありません。むしろ、自分がこれまで経験してきたこと。地域で知っていること。自社がすでに持っている商品やサービス。そこから観光との接点を探すことができます。 2.最初に決めたいのは「誰に来てほしいのか」 「横浜で何か観光事業をしたい」だけでは、まだ少し広すぎます。最初に考えてほしいのは、誰に来てほしいのかです。たとえば、横浜を初めて訪れる国内旅行者なのか。何度も横浜へ来ている人なのか。外国人旅行者なのか。家族連れなのか。シニアなのか。趣味を目的に訪れる人なのか。対象が変われば、提供するものも変わります。👉 「何を売るか」より先に、「誰のどんな時間をつくるのか」を考える。ここが観光ビジネスのスタートです。 3.「横浜なら何が売れる?」から考えなくてもいい ここでよくあるのが、「……