日本版DBSはいつから始まる?|事業者が押さえておきたい施行スケジュール|第3話

こんにちは。
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。
前回は、
「日本版DBSとは何か|子どもと関わる事業者が知っておきたい新制度|第2話」
として、日本版DBSの全体像を整理しました。
今回は、
「いつから始まり、いつ何をすればよいのか」です。
日本版DBSの施行日は、
2026年12月25日です。
ただし、
「12月25日までに全職員の犯罪事実確認を終わらせる」
という制度ではありません。
施行前。
施行後の新規従事者。
すでに働いている職員。
この3つに分けると、かなり分かりやすくなります。
- 1. 日本版DBSは2026年12月25日から始まります
- 2. 施行前|まず「運用できる状態」をつくる
- 3. 施行後|新たに働く人は原則として業務開始前に確認
- 4. 今いる職員は2029年12月24日まで
- 5. 犯罪事実確認は一度だけではありません
- 6. 施行まで100日を切った今、何から始める?
- 7. 今日の実務ワンポイント
- 8. まとめ|12月25日はゴールではなくスタート
- 9. 今日のチェックポイント
- 10. 行政書士田中穂積の視点
- 11. Q&A|日本版DBSの施行スケジュール
- 12. 次回予告
- 13. \ 日本版DBSへの対応をこれから始める事業者の皆さまへ /
- 14. 障害福祉サービス事業者の皆さまへ
- 15. クイズ!日本版DBSの施行スケジュール
日本版DBSは2026年12月25日から始まります
こども性暴力防止法は、2026年12月25日に施行されます。
現在は、ガイドラインやQ&A、各種ひな型も公表され、事業者が具体的な準備を進める段階に入っています。
大切なのは、
12月25日を「すべての準備を終える日」と考えないことです。
12月25日は、
制度を実際に運用し始める日
と考えると分かりやすいでしょう。
施行前|まず「運用できる状態」をつくる
施行前に取り組みたいのは、犯罪事実確認そのものより、そのための土台づくりです。
例えば、
・自分の事業が対象になるか確認する
・対象となる従事者を整理する
・担当者、責任者を決める
・就業規則や服務規律を確認する
・相談、報告ルートを整える
・犯罪事実確認情報を扱う人や管理方法を決める
といった準備です。
最新のガイドラインでも、犯罪事実確認だけでなく、研修、相談体制、問題が疑われた場合の対応、
情報管理などが制度の重要な柱として整理されています。
つまり、
「DBSの申請方法だけ覚えればよい」
わけではありません。
施行後|新たに働く人は原則として業務開始前に確認
2026年12月25日以降、新たに対象業務へ従事する人については、
原則としてその業務に就かせるまでに犯罪事実確認を行います。
そのため、今後は採用と日本版DBS対応を別々に考えることができません。
採用する。
入職日を決める。
対象業務を確認する。
犯罪事実確認を行う。
という流れを、事業所の採用手続の中に組み込む必要があります。
「採用してから考える」のではなく、
採用段階から確認する仕組み
を整えておくことがポイントです。
今いる職員は2029年12月24日まで
では、施行時点ですでに働いている職員はどうでしょうか。
義務対象事業者の「施行時現職者」については、
2029年12月24日まで
に犯罪事実確認を行うこととされています。
つまり、全員について2026年12月25日までに確認を終える必要はありません。
ただし、
「3年あるから後でよい」
という意味でもありません。
誰が対象なのか。
何人いるのか。
どの順番で確認するのか。
を早めに整理しておくことが重要です。
なお、認定を受ける民間教育保育等事業者では、認定時点との関係で期限の考え方が異なります。
自分の事業が義務対象なのか、認定対象なのかについては、第4話で整理します。
犯罪事実確認は一度だけではありません
日本版DBSは、施行時に一度確認して終わる制度でもありません。
犯罪事実確認を行った対象者については、5年を基準として再確認する仕組みがあります。
つまり、
採用。
現職者確認。
再確認。
までを継続的に管理する必要があります。
だからこそ、担当者個人の記憶ではなく、
「誰を、いつ確認したのか」
を管理できる仕組みを最初からつくっておくことが大切です。
施行まで100日を切った今、何から始める?
全部を一度に進める必要はありません。
私は、まず次の3つから始めることをおすすめします。
1.対象者を整理する
誰が子どもと接する対象業務に従事しているのかを確認します。
2.現在の規程・体制を確認する
就業規則、服務規律、相談窓口、報告ルート、情報管理など、すでにある仕組みを確認します。
3.担当者とスケジュールを決める
「誰が日本版DBS対応を進めるのか」を決め、施行前・施行後に分けて準備事項を整理します。
最初から完璧な制度をつくる必要はありません。
まず現在地を確認することが第一歩です。
今日の実務ワンポイント
日本版DBS対応について、
紙一枚に次の3つを書いてみましょう。
「12月25日までに準備すること」
「施行後の新規従事者への対応」
「現在働いている職員への対応」
この3つに分けるだけで、
「全部すぐにやらなければ」
という混乱をかなり減らせます。
まとめ|12月25日はゴールではなくスタート
日本版DBSは2026年12月25日に施行されます。
しかし、その日までにすべての犯罪事実確認を終える制度ではありません。
施行前は、
対象者、規程、担当者、相談体制、情報管理などを整理する。
施行後は、
新たに対象業務へ就く人を原則として業務開始前に確認する。
施行時現職者は、期限を踏まえて計画的に確認する。
そして、その後も継続して運用する。
この時間軸を理解しておけば、今やるべきことも見えやすくなります。
今日のチェックポイント
□ 2026年12月25日が施行日だと確認した
□ 施行前と施行後の対応を分けて考えている
□ 対象となる従事者を整理し始めている
□ 担当者や責任者を決めている
□ 規程・相談体制・情報管理を確認している
□ 新規従事者は原則として業務開始前に確認すると理解した
□ 施行時現職者には経過期間があることを理解した
すべてにチェックが付いていなくても構いません。
今必要なのは、
「何がまだ決まっていないのか」
を見えるようにすることです。
行政書士田中穂積の視点
制度対応では、
「12月25日までに何を終わらせればいいですか」
と期限に目が向きがちです。
しかし本当に大切なのは、
12月26日から現場で制度が動くかどうかです。
誰が担当するのか。
誰を確認するのか。
情報を誰が管理するのか。
困ったとき誰へ報告するのか。
こうしたことが決まっていて初めて、制度は現場で機能します。
私は旅行業界で37年間、制度変更や安全管理に関わってきました。
そこで学んだのは、
期限に間に合わせること以上に、無理なく続けられる仕組みをつくることが大切だということです。
日本版DBSについても、その視点を大切にしたいと考えています。
Q&A|日本版DBSの施行スケジュール
Q1.現在の職員も12月25日までに全員確認が必要ですか?
いいえ。
義務対象事業者の施行時現職者については、2029年12月24日までに犯罪事実確認を行うこととされています。
ただし、誰が対象になるのかは施行前から整理しておきましょう。
Q2.施行後に新しく採用する人はいつ確認しますか?
原則として、対象となる業務に従事させるまでに犯罪事実確認を行います。
そのため、採用フローの中に日本版DBS対応を組み込む必要があります。
Q3.一度確認すれば、その後は確認不要ですか?
いいえ。
確認後も5年を基準とした再確認の仕組みがあります。
一度きりの手続ではなく、継続して管理する制度だと考えておきましょう。
次回予告
次回は、
「日本版DBSの対象事業者とは?|自分の施設が対象か確認しよう|第4話」
です。
保育所。
認定こども園。
放課後等デイサービス。
児童発達支援。
学習塾。
スポーツクラブ。
「うちは義務なのか」
「認定を受ける事業者なのか」
という違いを中心に整理します。
\ 日本版DBSへの対応をこれから始める事業者の皆さまへ /
行政書士田中穂積事務所
― 横浜の行政書士のアトリエ ― では、
・自分の施設が対象になるのか確認したい
・施行までに何を準備するか整理したい
・対象従事者を整理したい
・規程や情報管理体制を整えたい
・職員への説明や運用方法を準備したい
といったご相談に対応しています。
日本版DBSへの対応で大切なのは、書類を作って終わることではありません。
実際の事業所で運用できる仕組みにすることです。
現在の状況を確認しながら、施行までに必要な準備を整理していきます。
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障害福祉サービス事業者の皆さまへ
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クイズ!日本版DBSの施行スケジュール
前回 日本版DBSとは何か 子どもと関わる事業者が知っておきたい新制度
次回 日本版DBSの対象事業者とは?自分の施設が対象か確認してみよう
この記事を書いた人 Wrote this article
田中穂積
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。