日本版DBSの対象事業者とは?|自分の施設が対象か確認しよう|第4話

こんにちは。
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。
第1話では「何から始めるか」
第2話では「日本版DBSとは何か」
第3話では「いつから始まるのか」
について整理してきました。
この導入シリーズの最終回となる第4話は、
「では、誰が対象なのか」
です。
日本版DBSでは、子どもと関わるすべての事業者が同じ扱いになるわけではありません。
大きく分けると、
「法律上、対応が義務となる事業者」
と
「申請して認定を受ける事業者」
があります。
さらに、
事業者が対象だからといって、そこで働く全職員が一律に犯罪事実確認の対象になるわけでもありません。
まずはこの2段階で整理すると分かりやすくなります。
- 1. まず「義務対象」と「認定対象」を分ける
- 2. 放課後等デイサービス・児童発達支援はどうなる?
- 3. 学童・学習塾・スポーツクラブは「自動的に義務」ではありません
- 4. 事業者が対象でも「全職員」が一律対象とは限りません
- 5. まず施設名ではなく「事業」と「業務」を確認する
- 6. 今日の実務ワンポイント
- 7. まとめ|最初に確認するのは「施設名」だけではありません
- 8. 今日のチェックポイント
- 9. 行政書士田中穂積の視点
- 10. Q&A|日本版DBSの対象事業者
- 11. シリーズをお読みいただいた皆さまへ
- 12. \ 日本版DBSへの対応をこれから始める事業者の皆さまへ /
- 13. クイズ!日本版DBSと事業者の立ち位置
まず「義務対象」と「認定対象」を分ける
日本版DBSの対象事業者は、大きく2つに分かれます。
義務対象事業者
法律上、日本版DBSへの対応が義務となる事業者です。
代表的なものとして、
・幼稚園
・小学校、中学校、高等学校
・特別支援学校
・認可保育所
・認定こども園
・児童養護施設
・一定の障害児施設、障害児通所支援事業
などがあります。
公立か私立かにかかわらず、法律で対象となる施設・事業については対応が必要です。
認定対象事業者
一方、
・認可外保育施設
・放課後児童クラブ
・学習塾
・スポーツクラブ
など一定の民間教育保育等事業者については、こども家庭庁へ申請し、認定を受ける制度があります。
認定を受けた場合には、義務対象事業者と同水準の性暴力防止の取組を行います。
つまり、
「子どもと関わる事業だから全部義務」
でも、
「民間事業だから対象外」
でもありません。
まず、自分の事業がどちらに位置づけられるかを確認することが重要です。
放課後等デイサービス・児童発達支援はどうなる?
当事務所へのご相談でも、特に関心が高いのが、
放課後等デイサービスや児童発達支援です。
ここは少し注意が必要です。
指定を受けた障害児通所支援事業である
・児童発達支援
・放課後等デイサービス
・居宅訪問型児童発達支援
・保育所等訪問支援
は、義務対象に含まれます。
一方で他、制度上の位置づけによっては認定対象として整理される事業もあります。
そのため、
「放デイだから」
「児発だから」
という名称だけで判断せず、
実際にどの指定・事業として運営しているのか
を確認することが大切です。
学童・学習塾・スポーツクラブは「自動的に義務」ではありません
放課後児童クラブ
学習塾
スポーツクラブ
こうした事業は、学校や認可保育所などとは扱いが異なります。
一定の要件を満たした事業者が、こども家庭庁へ申請し、認定を受けることで日本版DBSの制度対象となります。
認定を受けると、認定事業者マークを表示でき、こども家庭庁からも認定事業者として公表されます。
保護者から見れば、
「子どもの性暴力防止に取り組んでいる事業者」
を確認する一つの目安になります。
👉今後は、認定を受けているかどうかが、事業者選びの一つの要素になる可能性もあります。
事業者が対象でも「全職員」が一律対象とは限りません
ここも重要です。
施設・事業が日本版DBSの対象だからといって、
経営者
事務職員
送迎担当
調理員
清掃員
すべての人が自動的に同じ扱いになるわけではありません。
実際にどの業務へ従事しているかによって判断します。
現在のガイドラインでは、対象業務を考える際に、
・支配性
・継続性
・閉鎖性
という3つの観点が使われます。
難しく見えますが、実務上は、
「子どもに対して立場上影響を与え得るか」
「業務として継続的に接するか」
「第三者の目が届きにくい状況が生じるか」
という視点で考えます。
例えば送迎担当者は?
例えばバスや送迎車の運転手でも、
他の職員が同乗せず、日常的に子どもと接するような業務であれば、対象となることがあります。
逆に、子どもと接することがほとんどない事務職員などは、業務内容によって対象外となる場合があります。
肩書きだけではなく、
「実際に何をしているか」
を見ることが重要です。
アルバイトやボランティアなら対象外?
これもよくある誤解です。
正社員だけを確認すればよいわけではありません。
短時間勤務
アルバイト
派遣
ボランティア
といった雇用形態や報酬の有無だけでは判断しません。
実際の業務が対象となる先ほどの3要件を満たしていれば、対象となり得ます。
一方、単発のゲスト講師のように継続性がないことが明らかな場合などは、対象外と整理できることがあります。
つまり、
「雇用契約があるか」
より、
「どのように子どもと関わっているか」
を見る制度です。
まず施設名ではなく「事業」と「業務」を確認する
日本版DBSの対象確認で大切なのは、
施設名だけで判断しないことです。
まず、
①どの法律・制度に基づく事業なのか
②義務対象か認定対象か
③その中で誰が対象業務に従事しているのか
の順で整理します。
例えば同じ会社の中に、
放課後等デイサービス。
学習塾。
スポーツ教室。
など複数の事業がある場合、それぞれで制度上の位置づけが異なることもあります。
「会社単位で一律判断する」のではなく、
事業単位。
業務単位。
で整理することがポイントです。
今日の実務ワンポイント
まず、現在の事業所について
「事業名」と「子どもと接する職種」
を書き出してみてください。
例えば、
放課後等デイサービス
・管理者
・児童発達支援管理責任者
・児童指導員
・保育士
・送迎担当
・事務担当
と並べます。
そのうえで、
「誰がどの場面で子どもと接しているか」
を確認する。
これだけでも、対象従事者整理の第一歩になります。
まとめ|最初に確認するのは「施設名」だけではありません
日本版DBSでは、
学校や認可保育所など、法律上対応が義務となる事業者があります。
一方で、
学習塾やスポーツクラブ、放課後児童クラブなど、認定を受けることで制度対象となる事業者もあります。
さらに、施設が対象であっても、全職員を一律に判断するのではありません。
事業。
職種。
実際の業務。
子どもとの関わり方。
まで確認する必要があります。
つまり、
「うちは対象ですか?」
という質問への答えは、事業者名や施設名だけでは決まらないことがあります。
まず自分の事業の位置づけを確認し、次に対象業務を整理する。
これが日本版DBS対応の基本です。
今日のチェックポイント
□ 自分の事業が義務対象か認定対象か確認した
□ 施設名だけで判断していない
□ 放デイ・児発について指定状況を確認した
□ 子どもと接する職種を一覧にした
□ 正社員以外の従事者も確認した
□ 送迎担当や事務職員も業務内容で判断している
□ 対象となる職員を整理し始めている
すべてにチェックが付かなくても構いません。
まずは、
「自分の事業がどちらに位置づけられるのか」
を確認するところから始めましょう。
行政書士田中穂積の視点
制度対応では、
「うちは対象ですか?」
というところから相談が始まることも多いと思います。
しかし、実際に確認を進めると、
同じ会社の中に複数の事業がある。
送迎だけ行う職員がいる。
事務職員も子どもの対応をすることがある。
アルバイトや外部スタッフがいる。
といった事情が出てきます。
だからこそ私は、
「施設名だけで○・×を付けない」
ことが大切だと考えています。
どんな事業を行っているのか。
誰がどんな仕事をしているのか。
子どもとどのように接しているのか。
ここを一つずつ整理する。
制度を現場で運用するためには、この作業が欠かせません。
行政書士として、単に「対象です」「対象外です」と答えるだけではなく、
事業所ごとの実態を整理し、施行後に無理なく運用できる形へつなげることを大切にしたいと考えています。
Q&A|日本版DBSの対象事業者
Q1.放課後等デイサービスは日本版DBSの対象ですか?
指定障害児通所支援事業として行う放課後等デイサービスは、義務対象に含まれます。
ただし、対象となる職員については実際の業務内容も確認する必要があります。
Q2.学習塾やスポーツクラブも必ず対応が必要ですか?
学校や認可保育所などと同じ意味で自動的な義務対象になるわけではありません。
一定の要件を満たして認定を受けた場合に、法律に基づく取組の対象となります。
Q3.子どもと関わる職員は全員対象ですか?
職種名だけでは判断できない場合があります。
対象業務かどうかは、支配性・継続性・閉鎖性などを踏まえて実際の業務内容から確認します。
シリーズをお読みいただいた皆さまへ
第1話から第4話まで、
日本版DBSの入口となるポイントを整理してきました。
第1話
何から準備するのか
第2話
どのような制度なのか
第3話
いつ始まるのか
第4話
誰が対象になるのか
まずこの4つを押さえるだけでも、日本版DBSの全体像はかなり見えやすくなります。
しかし、実務はここからです。
対象従事者の整理
犯罪事実確認
就業規則
情報管理
職員研修
相談・報告体制
疑いが生じた場合の対応
施行が近づくにつれ、事業者が実際に整えなければならない内容も具体的になっています。
このブログでは、引き続き実務対応編として、対象事業者様別情報を一つずつ分かりやすく取り上げていきます。
\ 日本版DBSへの対応をこれから始める事業者の皆さまへ /
行政書士田中穂積事務所
― 横浜の行政書士のアトリエ ― では、
・自分の施設が義務対象か認定対象か確認したい
・対象となる従事者を整理したい
・施行までに何を準備すればよいか整理したい
・規程や情報管理体制を整えたい
・職員への説明や研修準備を進めたい
といったご相談に対応しています。
日本版DBSへの対応は、
「犯罪事実確認の申請をすること」
だけではありません。
事業内容と職員の業務を整理し、
誰が。
何を。
いつ確認し。
どのように情報を管理するのか。
現場で運用できる形へ整えることが大切です。
行政書士田中穂積事務所では、事業所ごとの状況を確認しながら、施行に向けた準備を一緒に整理します。
▼ 関連ページはこちら
▶ 日本版DBS対応支援
▶ 相談から正式依頼までの流れ
▶ お問い合わせフォーム
クイズ!日本版DBSと事業者の立ち位置
このシリーズを最初から読む
▶ 第1話:日本版DBS対応は何から始める?事業者が今準備したいこと
▶ 第2話:日本版DBSとは何か|子どもと関わる事業者が知っておきたい新制度
▶ 第3話:日本版DBSはいつから始まる?|事業者が押さえておきたい施行スケジュール
▶ 「なぜ今この法律が必要なのか?」シリーズの記事一覧
▶「対象事業者様別情報」の記事の一覧
この記事を書いた人 Wrote this article
田中穂積
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。