02旅館業開業、経営支援 4th page

横浜の古民家を宿にするには何が必要か|第3話

~魅力を活かす前に確認したい許認可の第一歩~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。日曜日の朝に、少し肩の力を抜いて読んでいただきたい「古民家宿・空き家活用の実践ガイド」今回は第3話です。前回は、「なぜ今、古民家宿が選ばれるのか」についてお話ししました。新しいホテルにはない温かさ。地域の暮らしを感じられる空間。古い梁や柱、庭、畳、縁側、土間。そうした古民家ならではの魅力は、旅の目的そのものになることがあります。 しかし、古民家を宿にしたいと思ったとき、魅力だけで話を進めることはできません。「この建物を宿にしたい」「空き家を活かして地域に人を呼びたい」「古民家を壊さず、観光資源として使いたい」そう思ったときに、最初に確認すべきことがあります。それが、宿として使える建物なのかという視点です。 今回は、古民家を宿にするための第一歩として、確認しておきたい許認可や実務のポイントについてお話しします。 古民家の魅力と宿にする難しさ 古民家には、新築の建物にはない魅力があります。長い時間をかけて残ってきた建物には、その地域の暮らしや歴史が刻まれています。柱の傷。床のきしみ。古い建具。庭の木々。その一つひとつが、訪れる人にとっては特別な体験になります。都会のホテルでは味わえない時間。地域の空気を感じる滞在。それが、古民家宿の大きな魅力です。 しかし一方で、古民家を宿にするには難しさもあります。古い建物だからこそ、現在の法律や基準にそのまま合うとは限りません。建物の構造。避難経路。消防設備。水回り。衛生管理。近隣環境。用途地域。こうした点を確認しないまま進めてしまうと、後から大きな壁にぶつかることがあります。古民家を活かすためには、まず現実を知ることが大切です。 まず確認したいのは「宿として使う」ということ 古民家を活用するといっても、使い方によって必要な手続きは変わります。例えば、自分たちだけで使う別荘。地域の交流スペース。古民家カフェ。体験施設。民泊。簡易宿所。旅館・ホテル。同じ古民家でも、使い方が変われば、確認すべき許認可も変わります。特に注意したいのは、👉「人を泊めるかどうか」です。 お客様を宿泊させる場合、単に空いている部屋を貸すだけでは済みません。宿泊事業として行……

旅館業の人手不足より怖いオペレーション崩壊の実態|第3話

~人が足りない宿ではなく、仕組みが回らない宿になっていないか~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、旅館・ホテルの口コミ評価が下がる宿の共通点についてお話ししました。口コミは、単なるお客様の感想ではありません。清掃、案内、接客、設備、予約対応など、宿の運営体制が表に出る場所でもあります。 今回のテーマは、「オペレーション崩壊」です。宿泊業界では、👉人手不足が年々深刻になっています。求人を出しても応募がない。採用しても定着しない。繁忙期になると現場が回らない。こうした悩みを抱えている宿は少なくありません。しかし実務では、人が足りないことそのものよりも、業務の流れが整理されていないことが宿の運営を苦しくしているケースがあります。清掃。チェックイン。予約管理。問い合わせ対応。スタッフ間の引き継ぎ。緊急時の対応。こうした流れが崩れると、お客様の不満は口コミに表れ、スタッフの負担も大きくなります。そして結果として、「人が足りない」という問題に見えてしまうのです。 今回は、人手不足の前に確認したい宿のオペレーションについて、旅行業37年の経験と行政書士としての視点から、実務的に整理してみたいと思います。 人手不足の前に確認したいこと 宿の運営が苦しくなったとき、最初に出てくる言葉は、「人が足りない」です。もちろん、本当に人手が足りない場合もあります。しかし、現場をよく見ると、人が足りないのではなく、👉業務の流れが整理されていないというケースもあります。例えば、清掃の終了時間が毎日ずれる。チェックイン前に部屋の最終確認が終わっていない。予約変更の情報が現場に伝わっていない。お客様からの問い合わせに誰が返信するか決まっていない。スタッフごとに案内内容が違う。忘れ物対応のルールがない。 こうした状態では、スタッフが何人いても現場は混乱します。人を増やせば解決するように見えて、実は仕組みを整えなければ、新しいスタッフも同じ混乱に巻き込まれてしまいます。人手不足対策の前に、まず確認したいのは、今の業務がどのような流れで動いているかです。 オペレーション崩壊とは何か オペレーション崩壊とは、宿の業務が一つひとつは存在しているのに、全体としてうまくつながって……

旅館・ホテルの口コミ評価が下がる宿の共通点とは|第2話

~お客様の不満は、開業後の運営体制に表れる~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。前回は、旅館業許可取得後に本当に始まる宿経営についてお話ししました。旅館業は、許可を取得すれば終わりではありません。お客様を迎え始めてから、本当の宿経営が始まります。今回のテーマは、「口コミ評価」です。ただし今回は、「良い口コミを増やしましょう」「悪い口コミには丁寧に返信しましょう」という話で終わらせるつもりはありません。それだけでは、実際の宿の改善にはつながりにくいからです。今回お伝えしたいのは、口コミを、宿の運営改善に使う方法です。 旅館・ホテルの口コミ評価が下がるとき、そこには必ず理由があります。清掃が悪い。接客が悪い。設備が古い。このように一言で片付けてしまうこともできます。しかし実務では、もう少し細かく見る必要があります。お客様は、何に不満を感じたのか。それは、一度だけのミスなのか。何度も繰り返されている問題なのか。現場の誰が対応すべき問題なのか。すぐ直せるのか。時間や費用がかかるのか。ここまで分けて考えないと、口コミは改善に使えません。 そこで今回は、口コミを単なる評価として読むのではなく、👉「口コミ分解シート」を作るイメージで、宿の運営改善につなげる方法を考えてみたいと思います。 口コミは点数よりも「中身」を見る 予約サイトやGoogleマップの口コミを見ると、つい点数に目が行きます。4.5なのか。4.0なのか。3点台に落ちていないか。もちろん点数は大切です。しかし、宿の改善で本当に見るべきなのは、点数そのものではありません。大切なのは、👉何について不満が書かれているのかです。例えば、同じ3点の口コミでも、内容はまったく違います。「部屋は良かったが、チェックイン案内が分かりにくかった」という口コミと、「清掃が不十分で、もう泊まりたくない」という口コミでは、改善すべき内容が違います。また、「スタッフの対応が冷たかった」という口コミと、「駐車場の場所が分からなかった」という口コミでも、対応すべき担当者や改善策は変わります。口コミを読むときは、良い悪いで一喜一憂するのではなく、👉どの業務に関する指摘なのかを分けて見ることが大切です。 まず口コミを5つに分類……

旅館業許可取得後に本当に始まる宿経営|第1話

~開業はゴールではなく、本当のスタート~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 旅館業許可を取得し、いよいよ宿がオープン。長い準備期間を乗り越え、この日を迎えられたことに、まずは心からお祝いを申し上げます。しかし私は、旅行業界で37年間、そして現在は行政書士として多くの宿づくりに関わる中で、一つ強く感じていることがあります。本当の宿経営は、許可を取得してから始まる。ということです。 前シリーズでは、旅館業許可の取得方法、事業計画、建築基準法、消防法、資金計画、運営準備など、「開業まで」に必要なことをお話ししてきました。しかし実際には、開業後に初めて直面する悩みや課題の方が、はるかに多いのです。そこで今回から新シリーズ「旅館業 開業後の落とし穴」をスタートします。このシリーズでは、・人手不足・口コミ管理・OTAへの依存・外国人雇用・消防・保健所対応・近隣トラブル・法令改正・事業承継など、開業後に本当に起こる問題を、旅行業37年の現場経験と、行政書士としての法務視点の両面から、実務ベースで考えていきます。 私は旅行会社で長く、「旅を売る仕事」に携わってきました。 そして現在は、行政書士として「宿を創る仕事」に関わっています。 その二つの経験から言えることがあります。宿は、開業しただけでは続きません。地域から愛され、旅行者に選ばれ、時代の変化に対応しながら、少しずつ育てていくことで、初めて地域に根付く観光事業になります。 私は、旅館業とは単なる許可ビジネスではなく、「地域に人を呼び、地域を活性化する観光事業」だと位置づけています。 だからこそ、開業後の課題にも、真正面から向き合うことが大切です。 このシリーズでは、単なる制度解説ではありません。実際に現場で起こること。その背景にある法律や制度。そして、行政書士としてどのように伴走できるのか。そんな視点を大切にしながら、全13話(予定)でお届けしていきます。 旅館業をこれから始める方にも、すでに宿を運営している方にも、きっと役立つ内容になると思います。ぜひ最後まで、お付き合いいただければ幸いです。 行政書士田中穂積の視点 旅行業界で37年間、多くの宿を見てきました。繁盛する宿もあれば、残念ながら姿を消してしまった宿……

なぜ今、横浜では古民家宿が選ばれるのか|第2話

~旅行者が求める価値の変化と地域資源としての可能性~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回の記事では、「空き家を壊す前に考えたい、地域資源としての古民家」についてお話ししました。 空き家は、放置すれば負の遺産として地域の問題・課題になることがあります。しかし一方で、地域資源として活かせる可能性も秘めています。今回は、「なぜ今、古民家宿が選ばれるのか」について考えてみたいと思います。 私は旅行業界で37年間、数多くの旅館やホテルと関わってきました。その中で強く感じているのは、旅行者が宿に求める価値が、昔と今では少しずつ変わってきているということです。日曜日の今日は少し肩の力を抜いて、古民家や空き家の活用について考えてみましょう。☕ 「泊まる」から「体験する」へ かつて宿選びでは、駅や繁華街から近く賑やか。設備が新しい。部屋が広い。そんなことが大きな評価基準でした。もちろん、今でも大切な要素です。しかし最近では、「その土地でしか味わえない時間」を求める旅行者が増えているように感じます。図にするとこんなイメージです。【これまで】立地↓設備↓料金↓宿泊 【これから】地域らしさ↓体験↓思い出↓再訪(リピート) 宿泊そのものではなく、その土地で何を感じられるか。それが旅の価値になりつつあるのです。 古民家宿だからこそ生まれる体験 古民家宿には、最新ホテルにはない魅力があります。木の香り。梁の存在感。縁側から眺める庭。地域で受け継がれてきた建物だからこそ、その場所でしか味わえない空気があります。旅行者が求めているのは、豪華さだけではありません。「ここでしか過ごせない時間」なのだと思います。 地域を知ることが旅の魅力になる 旅行業時代、私は全国各地の旅館やホテルを訪れてきました。人気のある宿には共通点があります。👉地域を大切にしていることです。・近くの商店を紹介する・地元の食材を提供する・地域のお祭りを案内する宿だけではなく、宿を拠点に地域全体を楽しんでもらおうという姿勢があります。 宿は、地域への入口でもあるのです。古民家は地域の資源になる前回の記事でもお話ししましたが、私は空き家を単なる問題として見るのではなく、地域の資源とし……

横浜の旅館業を“地域の資産”に変える!|最終話

~旅行業37年の行政書士が語る成功ロードマップ~ こんにちは。旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜市泉区・中田駅の行政書士のブログです。このシリーズでは、・旅館業とは何か・事業計画・用途地域と建築基準法・消防法対応・資金計画・許可申請・運営体制・リピーターづくり・地域との共存など、旅館業開業に必要なポイントを順番にお話ししてきました。そして今回はいよいよ最終話です。旅館業許可を取得し、宿を開業し、お客様を迎える。もちろんそれは大切な目標です。しかし私自身は、本当のスタートはそこからだと考えています。 今回は、旅行業37年の経験を通じて感じてきた、「長く続く宿とは何か」について考えてみたいと思います。 許可取得はゴールではなくスタート 旅館業の相談を受ける中で、「許可さえ取れれば何とかなる」と考えている方も少なくありません。しかし実際には、当たり前のことですが許可取得はスタートラインです。図にするとこうなります。【旅館業開業の流れ】物件選定↓許可取得↓開業↓運営改善↓地域との共存↓リピーター獲得↓地域の資産へ 旅館業は、許可を取って終わる事業ではありません。開業後にどう育てていくか。そこが本当の勝負になります。 なお、旅館業許可申請の具体的な流れや、保健所審査・必要書類については、別の記事で詳しく整理しています。横浜市で旅館業を始める前に、あわせて確認しておくと、許可取得までの実務の流れが理解しやすくなります。 ▶ 横浜の旅館業許可申請を解説!保健所審査と必要書類の実務|第5話 長く続く宿に共通すること 旅行業時代、私は全国の数え切れないほどの宿を見てきました。その中で感じるのは、長く続く宿には共通点があるということです。設備が豪華だからではありません。建物が新しいからでもありません。共通しているのは、地域との関係を大切にしていることです。地域の飲食店を紹介する。地元の魅力を伝える。近隣住民との関係を大切にする。そうした積み重ねが、結果として宿の価値になっていきます。 宿は地域の広告塔でもある 宿泊者は、宿だけを利用するわけではありません。・食事をする・観光する・買い物をする・地域を歩くつまり宿は、その地域の入口です。私は旅行業界で長く働……

横浜で愛される宿になる!近隣対策とクレーム予防の実務|第10話

こんにちは。旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜市泉区・中田駅の行政書士のブログです。 前回は、「旅のプロが語る!横浜でリピーターが集まる宿と消える宿の違い|第9話」についてお話ししました。 リピーターが集まる宿には共通点があります。それは、お客様との関係づくりを大切にしていることです。しかし、長く続く宿にはもう一つ大切な条件があります。それが、地域との良好な関係です。どれだけ宿泊者から高い評価を受けていても、近隣住民とのトラブルが続けば、宿の経営は苦しくなります。 今回は、地域に愛される宿づくりと、近隣対策の実務について考えてみたいと思います。 地域に愛される宿は長く続く 旅行業界で37年間、数多くの旅館やホテルを見てきました。その中で感じるのは、長く続く宿ほど、👉地域との関係を大切にしているということです。 宿泊業は、宿泊者だけを相手にする仕事ではありません。地域の中で営業し、地域の環境を活用し、地域と共に発展していく事業です。だからこそ、地域との信頼関係は経営資源の一つだと言えるでしょう。 宿泊者・宿・地域の関係を考える 分かりやすく図にするとこうなります。【長く続く宿】宿泊者↓宿↓地域(三者が良好な関係だと)↓リピーター増加↓地域評価向上↓安定経営 一方で、【苦戦する宿】宿泊者↓宿↓地域(苦情・不満が多いと)↓行政相談↓営業への影響 宿泊者だけが満足していても、地域との関係が悪化すると長続きしません。これが宿泊業の特徴です。 「期待値+α」が宿の魅力になる 旅行会社時代、お客様から高評価を受ける宿には共通点がありました。それは、期待を少し超えてくることです。例えば、・地元ロースターのコーヒー、地酒の酒蔵。・地域のハーブを使ったアメニティ。・地元の人しか知らない飲食店情報(穴場)。・おすすめ朝の散歩コース。こうした小さな工夫が、「顧客満足」につながります。私は旅行業時代、企画づくりを仕事にしていました。宿泊施設とも連携し様々な仕掛けをしてきました。宿泊施設だけではなく、👉地域の魅力を伝えることも大切なおもてなしなのだと思います。 クレーム予防は開業前から始まっている 近隣トラブルの多くは、実は開……

旅のプロが語る!横浜でリピーターが集まる宿と消える宿の違い|第9話

こんにちは。旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜市泉区・中田駅の行政書士のブログです。 前回は、「横浜の旅館業をスマート運営!予約システムと省力化の実践法|第8話」についてお話ししました。予約システムやPMS(宿泊管理システム)、サイトコントローラーなどを活用することで、宿泊施設の運営は大きく効率化できます。しかし、どれだけ優れたシステムを導入しても、お客様が来てくれなければ宿は続きません。同時にリピーターも大事です。 旅行業界で37年間、全国の旅館やホテルを見てきた中で感じることがあります。それは、「また泊まりたい宿」には共通点があるということです。 今回は、リピーターが集まる宿と、一度きりで終わってしまう宿の違いについて考えてみたいと思います。 リピーターは設備だけでは生まれない 宿を始めようと考える方の多くは、・設備・内装・デザイン・客室に目が向きます。もちろん大切です。しかし旅行業時代に見てきた現実は少し違いました。 最新設備を導入しても苦戦する宿がある一方で、建物は決して新しくないのに予約が取りづらい宿そんな施設も数多く見てきました。その違いは何だったのでしょうか。私は、「お客様の記憶に残る体験」だと思っています。 宿選びと再訪の理由は違う 旅行者が最初に宿を選ぶとき、多くの場合はとても現実的です。・駅から近いか・観光地に行きやすいか・料金は予算内か・写真の印象は良いか・口コミ評価は悪くないか つまり、初回予約の段階では、「便利そう」「安すぎず高すぎない」「失敗しなさそう」という理由で選ばれることが多いのです。図にすると、こうなります。【初回予約の決め手】立地↓料金↓写真・設備↓口コミ↓予約 しかし、もう一度泊まりたいと思う理由は少し違います。再訪するかどうかは、「泊まる前に見えた情報」ではなく、👉「泊まった後に残った印象」で決まります。 たとえば、・スタッフの対応が気持ちよかった・部屋が清潔で安心できた・地元のお店を教えてもらえた・朝の空気や街の雰囲気が心に残った・またあの場所に戻りたいと思えたこうした体験が、「次もここにしよう」という気持ちにつながります。 【リピーター化の決め手】接客↓清潔感↓地域体験↓安心感↓思……

横浜の空き家を壊す前に考えたい 地域資源としての古民家|第1話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。私は旅行業界で37年間、多くの地域を訪れ、多くの旅館やホテルを見てきました。現在は行政書士として、旅館業や民泊の開業支援にも携わっています。その中で近年強く感じるのが、空き家や古民家を活用した宿づくりへの関心の高まりです。旅館業も、民泊も、地域活性化も、突き詰めれば「地域の魅力をどう活かすか」という話になります。そして私は、空き家を単なる問題として見るのではなく、👉地域の資源として活かす可能性にも注目しています。 そこで日曜日は少し肩の力を抜いて、古民家や空き家の活用について考えてみたいと思います。☕ 空き家は本当に「負動産」なのでしょうか 近年、空き家問題という言葉を耳にする機会が増えました。・人口減少・高齢化・相続さまざまな理由から全国で空き家が増えています。ニュースなどでは、管理されない空き家による倒壊リスクや景観悪化が取り上げられることも少なくありません。確かに、放置された空き家は問題になります。しかし私は、👉空き家を単なる「負動産」と考えるだけでは少しもったいないように感じています。なぜなら、その建物には、地域の歴史や記憶が残っているからです。 旅行者が求めているものは変わってきた 旅行業界にいた頃、旅行者が宿に求めるものは、大型ホテルや豪華な設備が中心でした。しかし近年は少し変化しています。旅行者は、地域らしさを求めるようになりました。 例えば、・古民家を改装した一棟貸しの宿。・地域の食材を使ったカフェ。・歴史ある町並みを活かした観光拠点。こうした場所には、新しいホテルにはない魅力があります。旅行者は、単に泊まる場所を探しているのではありません。👉その地域でしか味わえない体験を求めているのです。 空き家は観光資源になる可能性がある 私が旅館業の相談を受ける中でも、古民家を活用したいという声は年々増えています。もちろん、簡単な話ではありません。・宿にするなら旅館業法・民泊にするなら住宅宿泊事業法・カフェにするなら飲食店営業許可さらに、消防法や建築基準法も関わってきます。 しかし、だからといって不可能なわけではありません。実際に全国では、空き家だった建物が、宿やカフェと……

横浜の旅館業をスマート運営!予約システムと省力化の実践法|第8話

こんにちは。旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜市泉区・中田駅の行政書士のブログです。 前回は、「横浜で旅館業を始めるなら行政書士をどう使う?失敗しない専門家活用術|第7話」についてお話ししました。旅館業許可を取得し無事に開業できたとしても、そこで終わりではありません。むしろ宿泊業は開業してからが本番です。予約管理、顧客対応、チェックイン、清掃手配、レビュー管理。これらを毎日確実に回し続けなければなりません。今回は、旅行業37年の経験と行政書士の視点から、「小規模宿でも実践できるスマート運営」について考えてみたいと思います。 宿は開業してからが本番 まず最初にお伝えしたいのは、旅館業許可はゴールではないということです。図にするとこうなります。 【旅館業経営の流れ】旅館業許可取得↓予約受付↓宿泊↓レビュー投稿↓再予約↓利益つまり、許可取得はスタート地点です。宿泊業は、その後の運営品質によって結果が大きく変わります。 OTA(予約サイト)は敵ではない 現在の宿泊業では、・楽天トラベル・じゃらん・Booking.com・Agoda・ExpediaなどのOTA(Online Travel Agent)の活用が一般的です。旅行業界では昔から、「OTAは手数料が高い」と言われることがあります。確かに送客手数料はどの予約サイトからでも発生します。しかし私は旅行業37年の経験から、OTAを悪者にする必要はないと考えています。なぜなら、開業したばかりの宿にとって、OTAは集客力そのものだからです。開業時の知名度ゼロの状態からでも、世界中の旅行者へ宿を販売できる。これは非常に大きなメリットです。 OTAのメリットとデメリット まずメリットです。・集客力がある・知名度がなくても販売できる・外国人旅行者にもアプローチできる・レビューが蓄積される 一方でデメリットもあります。・送客手数料が発生する・価格競争に巻き込まれやすい・OTA依存になる危険がある 重要なのは、OTAを利用しながらも依存しすぎず直販を増やしていくことです。 サイトコントローラーは宿の生命線 旅行会社時代、私はオーバーブッキングの恐ろしさを何度も見てきました。満室だと思っていたのに予約が入ってしまう。……