- 02 横浜の観光・宿泊ビジネス お悩み解決実務
- 2026年10月14日
海外のOTAに横浜の体験を載せたい|最初に何を確認する?|第8話
こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の……

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。
前回は、
「小さな旅行会社は何を売る?|大手と競わない旅行商品のつくり方」
として、
地域。
テーマ。
法人・団体。
インバウンド。
など、小さな旅行会社だからこそ持てる強みを考えました。
今回は、その旅行商品を、
地域の事業者と一緒につくる場合
を考えます。
観光商品は、一社ですべてを用意する必要はありません。
宿泊施設。
飲食店。
交通事業者。
体験事業者。
観光協会。
DMO。
自治体。
などが連携することで、一つの地域を魅力的な旅行商品として見せることもできます。
しかし、
「みんなで地域を盛り上げよう」
だけでは、実際の販売は始まりません。
👉 地域連携を観光ビジネスにするには、「誰が何をするのか」を具体的に決める必要があります。
地域には、
宿泊。
食。
歴史。
文化。
自然。
交通。
体験。
人。
など、さまざまな観光資源があります。
問題は、
それぞれが別々に存在していることです。
たとえば、
泊まる場所はある。
食べる場所もある。
面白い体験もある。
でも、
旅行者から見ると、
どう組み合わせて利用すればよいのか分からない
ということがあります。
そこで、
「宿泊+食」
「まち歩き+体験」
「交通+観光施設」
といった形でつなぐことで、
「地域にあるもの」が「旅行商品」に近づいていきます。
👉 地域連携の役割は、新しいものを全部つくることではなく、すでにある魅力をつなぐことでもあります。
地域の商品づくりでは、
観光協会やDMO(Destination Marketing / Management Organization)
が関わることがあります。
地域の事業者を集める。
観光資源を発掘する。
商品づくりを支援する。
情報を発信する。
旅行者のデータを集める。
など、地域全体をつなぐ役割が期待されます。
しかし、
ここで注意したいのが、
「商品を企画すること」と「旅行商品を販売すること」は同じではない
という点です。
地域の魅力を集め、
モデルコースを作ることと、
実際に旅行者と契約し、宿泊や交通を手配して販売することは別の問題です。
👉 観光協会やDMOが関わる場合も、「誰が最終的に販売するのか」を明確にすることが重要です。
地域連携では、
最初に企画主体を決めます。
観光協会なのか。
旅行会社なのか。
宿泊事業者なのか。
地域商社なのか。
複数事業者による共同企画なのか。
ここが曖昧だと、
話し合いは進んでも、
商品が完成しないことがあります。
誰を呼びたいのか。
何を体験してもらうのか。
どの事業者を組み合わせるのか。
いくらの商品にするのか。
どのように販売するのか。
まで全体を整理する人が必要です。
👉 地域連携では、「参加者を集める」だけでなく、「全体を設計する役割」を決めることが大切です。
次に重要なのが、
販売主体
です。
地域の商品が完成しても、
旅行者がどこで予約し、
誰と契約し、
誰へ代金を支払うのか
が決まっていなければ販売できません。
たとえば、
旅行会社が販売する。
宿泊施設が自社サービスとして販売する。
体験事業者が体験部分だけ販売する。
など、いくつかの方法があります。
ここで、
宿泊。
交通。
他社サービスの手配。
などが含まれると、旅行業法との関係も確認する必要があります。
👉 「誰が販売するか」を決めることは、旅行業登録の要否を考えるうえでも重要です。
地域連携で特に曖昧になりやすいのが、
お金の流れ
です。
旅行者は誰に支払うのか。
販売者は各事業者へいくら支払うのか。
手数料は誰が受け取るのか。
キャンセルが出たら誰が返金するのか。
といったことを決めます。
「みんなで売上を分ける」だけでは足りない
実際の事業では、
販売価格。
仕入価格。
手数料。
支払時期。
キャンセル料。
などを決める必要があります。
また、
事故やトラブルが起きたときに、
誰が旅行者へ対応するのか
も重要です。
👉 地域連携では、「商品内容」だけでなく、「契約・お金・責任」まで決めて初めて事業になります。
旅行会社の役割は、
既製の商品を販売するだけではありません。
宿泊。
交通。
体験。
飲食。
地域資源。
をつなぎ、
旅行者が購入できる形に整えることもできます。
特に小さな旅行会社にとって、
👉地域の事業者と一緒に商品をつくることは、
大手とは違う強みになり得ます。
地域をよく知り、
事業者と直接話し、
細かな商品を作る。
こうした仕事は、
地域密着型の旅行会社と相性があります。
👉 旅行会社が「地域の商品を売る会社」ではなく、「地域の商品をつくる会社」になることもできます。
地域連携では、
「みんなで協力する」
こと自体は難しくありません。
難しいのは、
実際に商品を動かす段階です。
たとえば、
誰が予約を管理するのか決まっていない。
料金が決まらない。
キャンセル対応が曖昧。
問い合わせ先が分からない。
販売する主体が決まっていない。
となると、
せっかく作った商品が販売まで進まないことがあります。
👉 地域連携では、「誰かがやるだろう」を残さないことが大切です。
地域で観光商品を作る場合は、
まず次の5つを書き出してみてください。
①誰が企画するのか
②誰がサービスを提供するのか
③誰が販売するのか
④誰が旅行者と契約するのか
⑤誰が代金を受け取るのか
この5つが決まると、
旅行業登録が必要なのか。
どの事業者と契約が必要なのか。
お金をどう流すのか。
が見えやすくなります。
👉 「地域で一緒にやる」を、「誰が何をする」に変えてみましょう。
観光協会。
DMO。
宿泊施設。
飲食店。
交通事業者。
体験事業者。
旅行会社。
それぞれが持つ強みをつなぐことで、
地域ならではの観光商品を作ることができます。
しかし、
「連携すること」
そのものが目的ではありません。
誰が企画するのか。
誰が販売するのか。
誰が契約するのか。
誰がお金を受け取るのか。
まで決めて、
初めて旅行者が購入できる商品になります。
👉 地域連携を観光ビジネスに変える鍵は、「一緒にやること」ではなく、「役割を決めて実際に売れる仕組みにすること」です。
□商品づくりの中心となる事業者を決めている
□参加する事業者の役割を整理している
□誰が旅行商品を販売するか決めている
□旅行者が誰と契約するか整理している
□誰が代金を受け取るか決めている
□各事業者への支払方法を考えている
□キャンセル時の対応を決めている
□問い合わせ・トラブル時の窓口を決めている
□旅行業登録が必要か確認している
すべてにチェックが付かなくても問題ありません。
まずは、
「企画・販売・契約・代金」
の4つを誰が担当するのか整理してみましょう。
旅行業界で37年間仕事をしてきて感じるのは、
地域には魅力があっても、それがそのまま旅行商品になるわけではない
ということです。
宿。
飲食店。
交通。
体験。
それぞれが魅力的でも、
旅行者が自分ですべてを探し、予約しなければならない状態では、
一つの商品にはなっていません。
そこを、
誰に。
何を。
どう組み合わせて。
どのように販売するのか。
まで整理することで、
地域の魅力を旅行商品に変えることができます。
一方、行政書士として見ると、
旅行業登録。
契約関係。
販売主体。
各事業者の許認可。
なども確認する必要があります。
👉 観光の企画と法務を別々に考えず、「実際に販売できるところまで」仕組みを整える。
これが、地域連携を観光ビジネスへ変えるために重要だと考えています。
Q1.観光協会やDMOが旅行商品を作れば、そのまま販売できますか?
企画することと、旅行商品として販売することは別に考える必要があります。
商品内容や契約・手配の方法によっては、旅行業法上の確認が必要になります。
誰が旅行者と契約し、誰が販売・手配するのかを整理しましょう。
Q2.旅行会社は地域連携でどんな役割を持てますか?
宿泊・交通・体験などを組み合わせ、旅行者が購入できる形に商品化する役割を持つことができます。
また、
予約。
販売。
手配。
旅行者対応。
などを担うことで、地域事業者と旅行者をつなぐ役割も期待できます。
Q3.地域事業者との連携では契約書も必要ですか?
取引内容によりますが、
料金。
役割。
支払条件。
キャンセル。
責任分担。
などを明確にしておくことは重要です。
口頭だけで進めず、誰が何を担当するのかを文書で整理しておくことが、トラブル防止にもつながります。
地域で観光商品を作ると、
次に考えたいのが、
海外からの旅行者をどう受け入れるか
です。
インバウンドというと、
ホームページを外国語にする。
英語を話せるスタッフを置く。
といった対応を思い浮かべるかもしれません。
しかし実際には、
予約。
決済。
案内。
食事。
緊急時対応。
文化・習慣の違い。
外国人スタッフを雇用する場合の在留資格。
など、受入れ全体を考える必要があります。
次回は、
「インバウンド向け観光事業を始める前に整えたいこと|第10話」
として、
外国人旅行者を受け入れるための実務を整理します。
👉 次回は、「外国語対応」だけではない、インバウンド観光事業の受入れ体制について考えます。
行政書士田中穂積事務所
― 横浜の行政書士のアトリエ ― では、旅行業・宿泊業・地域体験などの観光ビジネスについて、事業内容の整理から必要な許認可まで一体で支援しています。
例えば、
・旅行業登録が必要かどうかの確認
・旅行業登録申請
・地域観光商品の事業スキーム整理
・観光協会・地域事業者との役割整理
・旅行商品の販売方法の整理
・宿泊・体験・交通を組み合わせる場合の許認可確認
・行政への事前相談
・開業までのスケジュール整理
など、計画段階に応じて必要な準備を整理します。
地域観光では、
宿泊・交通・体験・飲食・旅行業・地域連携
が互いにつながっています。
そのため、
「誰と組むか」
だけではなく、
誰が企画し、誰が販売し、誰が契約し、誰がお金を受け取るのか
から一緒に整理します。
👉 地域の魅力を、「紹介する観光資源」から「実際に購入できる観光商品」へ変えるところから整理してみませんか。
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前回 小さな旅行会社は何を売る?|大手と競わない旅行商品のつくり方|第8話
次回 インバウンド向け観光事業を始める前に整えたいこと|第10話
関連 旅行業登録、開業、経営支援
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。