公園や道路で観光イベントを開きたい|場所が決まる前に何を確認する?|第14話

公園や道路で観光イベントを開きたい|場所が決まる前に何を確認する?|第14話

こんにちは。
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。

前回は、観光地でお土産や地域商品を販売するときには、
何を売るのか。
誰が売るのか。
そして、どこで売るのか。
まで整理することが大切だとお話ししました。

今回は、その「どこで」にもう少し踏み込んでみます。
たとえば、公園で地域マルシェを開きたい。道路の一部を使って観光イベントを行いたい。駅前のスペースで地域の魅力を紹介したい。
そんな企画を考えたときに、
「公共の場所だから、何か申請すれば使えるの?」「そのための確認事項は?」
という疑問が出てきます。
今回の答えを先にお伝えします。
👉 イベントの内容を固める前に、まずその場所を誰が管理し、どんな使い方ができるのかを確認しましょう。
場所によって、必要な手続も相談先も変わります。

1.まず「その場所を誰が管理しているか」を確認する

同じように見える公共空間でも、管理者は同じとは限りません。
道路であれば道路管理者、公園であれば公園を管理する行政機関など、場所によって相談先が変わります。
横浜市でも、道路占用については各区の土木事務所への事前相談を案内しています。
公園でイベントを行う場合にも、内容によって公園内行為許可などの手続が必要になります。
👉 最初に調べるのは「申請書」ではなく「誰に相談する場所なのか」です。
ここを間違えると、その後の準備が進みません。

2.道路では「使用」と「占用」を分けて考える

道路でイベントを行う場合には、少し注意が必要です。
たとえば、道路上でイベントを開催して人や車の通行に影響する場合には、警察による道路使用許可が関係します。
さらに、テーブルやイス、ステージなどを道路上へ継続して設置する場合には、道路管理者による道路占用許可が必要になることがあります。
つまり、
「道路をイベントで使う」だけでは、必要な手続は一つとは限りません。
横浜市も、道路イベントについて警察への道路使用許可と、内容に応じた道路占用許可の事前相談を案内しています。
👉 何を置くのか。どのくらいの時間使うのか。通行へどのような影響があるのか。
ここまで具体的にして相談します。

3.公園も自由にイベント会場にできるわけではない

公園も、地域イベントとの相性がよい場所です。
マルシェや体験イベント、地域交流の催しなど、観光と地域をつなぐ場として活用できる可能性があります。
ただし、公園は誰でも自由に営業やイベントへ使える場所ではありません。
横浜市では、公園内でお祭りなどの行事を行う場合、公園内行為許可が必要になる場合があると案内しています。
イベント内容によっては、車両の通行や火気、食品提供についても別の確認が必要です。
👉 「公園で何かやりたい」ではなく、「何人くらいで、何をするイベントなのか」まで伝えることが大切です。

4.場所を予約してから企画するのでは遅いこともある

ここが今回、一番お伝えしたいところです。
イベントを考えると、
日時を決める
出店者を集める
チラシを作る
SNSで告知する
その後で行政へ相談する
という順番になりがちです
しかし、公共空間では、
「その内容では使えません」
「配置を変えてください」
「別の手続も必要です」
となる可能性があります。
横浜市の公共空間活用資料でも、道路イベントでは実施のおおよそ3か月前から事前相談を行う流れが示されています。
👉 告知してから許可を確認するのではなく、企画段階で相談する。
これが大切です。

5.最初の相談では「イベントの一枚図」を作る

行政へ相談するときに、
「観光イベントをやりたいのですが」
だけでは、判断しにくいものです。
そこで簡単な一枚の企画図を作ってみます。
開催したい場所と日時、イベントの目的、想定する来場者数、出店内容、テントやテーブルなどの設置物、車両の出入り、飲食や火気の有無を書いておきます。
完成した企画書である必要はありません。
👉 行政が「何を確認すればよいか分かる資料」を持って相談する。
これだけでも話は進めやすくなります。

6.公共空間の活用も観光づくりの一つ

旅行業界で仕事をしていると、
観光は観光施設の中だけで生まれるものではないと感じます。
地域のお祭りやマルシェ、まちなかのイベントをきっかけに、その地域へ初めて足を運ぶ人もいます。
そこから飲食店へ立ち寄り、地域の商品を買い、別の観光施設を訪れる。
そうした流れが生まれれば、イベントは一日の催しではなく、
地域を知ってもらう入口
になります。
だからこそ、場所の許可を最後の手続として考えるのではなく、
👉 「この場所だからできるイベントは何か」から企画する。
そんな視点も大切だと思います。

今日の実務ワンポイント

公共空間でイベントを企画するときは、次の5つを先に確認してみてください。
①その場所の管理者は誰か?
②どんなイベントを予定しているか?
③テントやステージなどを設置するか?
④人や車の通行に影響するか?
⑤いつまでに相談・申請が必要か?
👉 場所を押さえる前に、まず「そこでその企画ができるか」を相談する。
これが今回の実務ワンポイントです。

まとめ

「公園や道路で観光イベントを開きたい。申請すれば使える?」
今回の答えは、
👉 場所とイベント内容によって必要な手続が変わるため、企画段階から確認することが大切です。
道路では道路使用や道路占用、公園では公園内行為許可などが関係する場合があります。
さらに、イベント内容によって食品、火気、車両など別の確認が必要になることもあります。
だから、
場所を決める → 企画を完成させる → 最後に申請する
ではなく、
👉場所の候補を考える → 管理者へ相談する → できる形に企画を整える
という順番で進めてみましょう。

今日のチェックポイント

□使用したい場所の管理者を確認している
□イベントの目的と内容を整理している
□設置する設備を確認している
□人や車の通行への影響を考えている
□必要な許可・届出を確認している
□相談・申請時期を確認している
□出店者を募集する前に場所の条件を確認している
すべてにチェックが付かなくても問題ありません。
まずは、
「どこで、誰に、何を楽しんでもらいたいイベントなのか」
を一枚にまとめてみてください。

行政書士田中穂積の視点

旅行業界で37年間仕事をしてきて、観光地の魅力は有名な施設だけで作られるものではないと感じています。
普段は通り過ぎる場所に地域のお店が集まる。
地域の食や商品を知る。
そこで人と話す。
そんな一日だけのイベントが、その地域を知るきっかけになることがあります。
一方、公共空間には本来の役割があり、安全や通行への配慮も必要です。
だからこそ、
「ここでイベントをやりたい」から始めるだけでなく、「この場所をどう使えば地域にも来訪者にもよいのか」を考える。
許認可の確認も、その企画を実現するための一部です。
行政書士としても、企画を止めるためではなく、実現できる形を一緒に整理することが大切だと考えています。

Q&A|公共空間で観光イベントを開きたい

Q1.道路でイベントをする場合、道路使用許可だけで大丈夫ですか?

イベント内容によって異なります。
道路使用許可のほか、テーブルやステージなどを継続して設置する場合には道路占用許可が必要になることがあります。
早い段階で道路管理者と警察の双方へ確認することが大切です。

Q2.公園でマルシェを開くことはできますか?

イベント内容や公園によって異なります。
横浜市では、公園内でお祭りなどの行事を行う場合、公園内行為許可が必要になる場合があります。
まず使用したい公園を管理する窓口へ企画内容を伝えて相談しましょう。

Q3.行政への相談は企画が完成してからでよいですか?

むしろ、企画段階で相談することをおすすめします。
場所によって利用条件や必要な許可が異なるため、出店者募集や告知を始める前に確認した方が、後から企画を大きく変更するリスクを減らせます。

次回予告

公共空間を使ったイベントでは、
「どこで行うか」
を早い段階で確認することが大切だとお話ししました。
では次は、
地域の魅力を実際に体験してもらう事業を考えてみます。
まち歩きやものづくり体験、農業体験、文化体験などを有料の商品として提供したい。
そこで出てくるのが、
「体験イベントなら、参加料を取って自由に開催できる?」
という疑問です。
次回は、
体験イベントを有料で開きたい|観光コンテンツにするとき何を決める?|第15話
として、
👉 地域の体験を観光商品として販売するとき、始める前に整理したい実務
を考えます。

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・行政へ相談する前に企画を整理したい
・どの許可・届出が関係するのか分からない
といった企画段階からご相談いただけます。
旅行業界37年の経験と行政書士としての法務・許認可の視点から、
「申請できるか」だけではなく、その企画をどのような形なら実現できるのか
を一緒に整理します。

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クイズ!公園や道路で観光イベントを開く前に何を確認する?

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この記事を書いた人 Wrote this article

田中穂積

田中穂積

横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。