サビ管が突然退職したらどうする?|第1話

サビ管が突然退職したらどうする?|第1話

こんにちは。
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。

今回から、新シリーズ
「障害福祉事業所のお困りごと解決実務」
を始めます。
これまでの「開業準備編」「運営実務編」と違い、今回からは、
現場で突然起きる「困った」
からスタートします。
「サビ管が辞めると言ってきた」
「変更届を忘れていた」
「加算の要件を満たしているか分からない」
そんなとき、
まず何を確認し、どの順番で動けばよいのか。
一つずつ実務目線で整理していきます。
第1話は、
サビ管が突然退職したらどうする?
です。

「後任を探さなきゃ!」その前に

サービス管理責任者から、
「今月末で退職したい」
と言われた。
真っ先に、
求人を出さなければ。
紹介会社へ連絡しなければ。
と思うでしょう。
もちろん後任探しは必要です。
しかし、その前に確認したいことがあります。

まず「いつ欠けるのか」を確認する

退職日。
最終勤務日。
有給休暇の開始日。
を確認します。
そして、
実際にいつからサビ管業務ができなくなるのか
を明確にします。
次に、
事業所内に要件を満たす職員や、みなし配置の候補となる職員がいないかを確認します。
👉 「職員が辞める」ことと「サビ管が欠如する」ことを分けて考える。
ここが最初です。

最初に確認したい4つ

突然の退職なら、まず次の4点です。

1.退職日と最終勤務日

誰がいつまでサビ管業務を担当できるのか確認します。

2.事業所内の候補者

実務経験。
基礎研修。
実践研修。
など、候補者の経歴・研修歴を確認します。

3.個別支援計画の状況

更新が近い利用者。
モニタリング中の利用者。
新規利用予定者。
など、現在進行中の業務を洗い出します。

4.指定権者への相談

横浜市でも、やむを得ない事由によるサビ管欠如については、速やかな相談が重要です。
👉 後任探しと行政確認を同時に進める。
「後任が決まってから連絡」ではありません。

「みなしサビ管」が使えることもあります

突然の退職など、
事業者の責任によらないやむを得ない事情でサビ管が欠け、すぐに後任を配置できない場合には、
一定の要件を満たす職員をサビ管とみなして配置できる特例があります。
原則は欠如から1年間。
さらに一定の条件を満たせば、実践研修修了まで最長2年間となる場合もあります。
ただし、自動的に使えるわけではありません。厚生労働省
「急に辞めたから1年間大丈夫」
という制度ではありません。
候補者の実務経験。
研修修了状況。
欠如前からの勤務状況。
などを確認する必要があります。
👉 自己判断で配置せず、指定権者へ確認する。
ここは重要です。

「経験が長いから大丈夫」は危険です

サビ管の後任を急ぐと、
「この職員は福祉経験が長いから大丈夫だろう」
となりがちです。
しかし、
福祉業界で長く働いていることと、
サビ管の配置要件を満たすことは同じではありません。
実務経験
基礎研修
実践研修
などを確認します。
必要に応じて、以前の勤務先でどの業務に従事していたのかも確認します。
👉 急いでいるときほど、資格・実務経験の確認は丁寧に。
間違った人を配置すると、問題をさらに大きくしてしまいます。

減算はいつから?

サビ管退職で気になるのが、
「すぐ減算になるの?」
ではないでしょうか。
現行ルールでは、サービス管理責任者欠如減算は原則として、
欠如した月の翌々月から
対象となります。
翌月末までに人員基準を満たせば、減算されない取扱いがあります。
ただし、
「まだ時間がある」
と考えるのは危険です。
その間に、
後任確保。
要件確認。
行政相談。
必要な届出。
を進める必要があります。
👉 減算までの猶予ではなく、正常な体制へ戻すための時間
と考えましょう。

サビ管退職は「人員」だけの問題ではありません

サビ管がいなくなると、
人員基準だけでなく、
個別支援計画。
モニタリング。
新規利用者への対応。
などにも影響します。
つまり、
「一人欠けた」というだけの問題ではありません。

支援への影響も確認する

誰の計画更新が近いか。
現在どこまで進んでいるか。
後任やみなし配置となる職員へ、何を引き継ぐ必要があるか。
ここまで確認します。
👉 サビ管退職は、人員の穴ではなく「支援の司令塔が空く問題」です。

やってはいけない3つの対応

① 行政への相談を後回しにする
後任が決まってからではなく、欠如が分かった段階で相談します。
② 要件確認前に後任として決める
「たぶん大丈夫」で配置しないことです。
③ 求人だけして待つ
求人と並行して、
みなし配置
減算
届出
個別支援計画
も確認します。

令和9年度報酬改定はどうなる?

令和9年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた議論は現在も続いています。
サビ管・児発管の確保や、急な退職時の対応についても意見が出ています。
ただし、
2026年10月時点では、来年度の最終ルールはまだ決まっていません。
現時点では現行制度で対応しながら、
正式な改定内容が示された段階で改めて確認する必要があります。

今日の実務ワンポイント

もし今日、
「来月で辞めたいです」
と言われたら、
まず一枚の紙に書いてください。
• 退職日
• 最終勤務日
• 事業所内の候補者
• 候補者の実務経験・研修歴
• 個別支援計画の更新予定
• 行政へ確認したいこと
この6つです。
これだけでも、
「何から手を付ければいいか分からない」
状態から抜け出せます。

まとめ

サビ管が突然退職したとき、
最初にやることは、
求人だけではありません。
いつから欠如するのか。
事業所内に候補者はいないか。
みなし配置の可能性はあるか。
行政へ何を確認するか。
減算はいつからか。
支援計画へどんな影響があるか。
を一つずつ整理します。
👉 「サビ管が辞める」ではなく、「明日から何が変わるのか」を確認する。
それが最初の一歩です。

今日のチェックポイント

□ 退職日・最終勤務日を確認した
□ サビ管が欠如する日を把握した
□ 事業所内の候補者を確認した
□ 実務経験・研修歴を確認した
□ みなし配置の可能性を確認した
□ 指定権者への相談準備をした
□ 個別支援計画への影響を確認した
□ 減算の時期を確認した

行政書士田中穂積の視点

サビ管の退職そのものより怖いのは、
焦って動いた結果、行政手続や報酬まで後から問題になること
です。
求人
人員配置
みなし配置
変更届
減算
個別支援計画
これらは別々に見えて、すべて一つの出来事からつながっています。
だからこそ、
問題が起きたときほど、
まず状況を整理する。
行政書士田中穂積事務所では、
変更届だけを作るのではなく、
「今、何を確認すべきなのか」
を整理するところからお手伝いしたいと考えています。

Q&A|サビ管が突然辞めたとき

Q1.サビ管が退職したら、すぐ事業を休止しなければなりませんか?

一律に直ちに休止となるわけではありません。
後任を配置できるか。
やむを得ない事由によるみなし配置が可能か。
などを確認します。
欠如が分かった段階で、指定権者へ相談することが重要です。

Q2.事業所内の職員を、とりあえずサビ管にできますか?

誰でも配置できるわけではありません。
実務経験や研修修了状況などの要件確認が必要です。

Q3.退職したらすぐ減算ですか?

原則として、サビ管欠如減算は欠如月の翌々月から対象となります。
翌月末までに人員基準を満たせば、減算されない取扱いがあります。
ただし、欠如が分かった時点から早めに対応を始めることが重要です。

次回予告

次回は、
障害福祉の人員基準を満たせない?常勤換算・欠如減算の確認ポイント|第2話
です。
職員が急に休職した。
退職者が続いた。
利用者が増えた。
勤務時間を変更した。
そんなとき、
「人員基準を満たしている?」
と不安になることがあります。
しかし、
人員基準は単純な人数だけでは判断できません。
次回は、
👉 「人が足りないかも」と気づいたとき、最初にどこを見るのか
を整理します。
このシリーズではこれからも、
「困った、その瞬間」から解決へ向かう記事
をお届けしていきます。

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障害福祉サービス事業所の、
サービス管理責任者の変更
人員体制
変更届
指定後の行政手続
などについてご相談を承っています。
「退職すると言われたばかり」
「後任が決まっていない」
「みなし配置が使えるか分からない」
「減算への影響が心配」
という段階でも構いません。
👉 後任が決まってからではなく、欠如が分かった段階で整理する。
早めに確認することで、選べる対応が増える場合があります。

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クイズ!サビ管が突然退職したらどうする?

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この記事を書いた人 Wrote this article

田中穂積

田中穂積

横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。