- 03障害福祉事業所のお困りごと解決実務
- 2026年10月20日
障害福祉の人員基準を満たせない?常勤換算・欠如減算の確認ポイント|第2話
こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の……

こんにちは。
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。
前回は、
「加算要件を満たせない?」
として、
加算をこのまま請求してよいのか迷ったときに、
何の要件か。
いつからか。
すでに請求しているか。
体制届は必要か。
を確認することが大切だとお伝えしました。
今回は、請求した後のお話です。
「国保連から返戻になった。何を間違えた?」
返戻を見ると、すぐ請求データを直したくなるかもしれません。
しかし、
👉 返戻の原因が、事業所の入力ミスとは限りません。
まず原因を切り分けるところから始めます。
返戻になったら、最初に見るのは「返戻等一覧表」
神奈川県国民健康保険団体連合会の電子請求受付システムでは、請求後の返戻等一覧表を確認できます。
まず見るのは、
エラーコード
エラーメッセージ
です。
「返戻になったから請求を最初から作り直す」
のではなく、
何と何が合っていないのか
を確認します。
👉原因は大きく3つに分けて考える
細かなエラーコードを全部覚える必要はありません。
まず、次の3つに分けると整理しやすくなります。
例えば、
受給者証番号。
市町村番号。
サービスコード。
提供年月。
利用日数。
加算。
などの入力内容です。
入力ミスや古い情報を使っていないか、請求データと元資料を照らします。
国保連の一次審査では、請求内容と受給者台帳・事業所台帳などの情報を照合します。
そのため、
事業所側の請求内容は正しくても、
受給者台帳との不一致で返戻になることがあります。厚生労働省も、請求情報と受給者台帳の不一致がエラー原因となり得ることを示しています。
例えば、
受給者証が更新されている。
支給決定内容が変わった。
自治体側の台帳反映時期とずれている。
といった場合です。
👉 請求画面だけ見て原因が分からなければ、受給者証まで戻って確認する。
ここがポイントです。
事業所番号
届出しているサービス
算定している加算
適用するサービスコード
などとの不一致も確認します。
神奈川県国保連も、サービスコードの適用期間や事業所番号などを確認するエラー例を公表しています。
第3話・第4話で扱った、
変更届や体制届の内容
がここにつながることもあります。
「返戻」と「警告」は同じではありません
ここも知っておきたいところです。
横浜市の集団指導資料では、国保連の一次審査で台帳等との不整合がある場合、
エラー(返戻)
または、
警告
として通知されることが説明されています。
警告は請求自体が支払われる場合がありますが、不整合が残っているため内容確認が必要です。
つまり、
👉 お金が支払われた=請求内容に問題がない
とは限りません。
返戻だけでなく、警告も確認する習慣をつけたいところです。
返戻になったときの確認順序
私は、次の順番で見るのが分かりやすいのではないかと思います。
① 返戻等一覧表を確認する
まずエラーコードとメッセージを見る。
② 元資料と照合する
受給者証
契約内容
サービス提供実績
届出内容
などと請求データを比べます。
③ 原因を直して再請求する
事業所側の入力誤りなら修正します。
台帳側の情報が原因と思われる場合は、自己判断で数字を変えず、必要に応じて自治体や国保連へ確認します。
👉 「エラーが出たから数字を変える」のではなく、「正しい情報は何か」を確認してから直す。
これが基本です。
① エラーコードを見ずに再請求する
同じ内容なら、また返戻になる可能性があります。
② 通りそうな数字へ合わせる
請求を通すことが目的ではありません。
実際の支援と支給決定に合った内容で請求することが前提です。
③ 返戻をその月だけの問題にする
同じ設定で複数の利用者を請求している場合、
ほかの請求にも同じ誤りがないか確認します。
返戻になったら、まずこの4つを並べてください。
① 返戻等一覧表
② 請求したデータ
③ 受給者証
④ サービス提供実績
そして、
「どこから内容が違っている?」
を探します。
これだけで、
入力ミスなのか。
受給者情報なのか。
事業所・算定情報なのか。
かなり絞り込めます。
国保連請求が返戻になったとき、
最初にやることは、
請求データを適当に直すことではありません。
返戻理由を確認する。
元資料と照合する。
請求側か台帳側かを切り分ける。
正しい内容を確認する。
そのうえで修正・再請求する。
という順番です。
👉 「どうすれば請求が通る?」ではなく、「どこが正しい情報と違う?」
この視点で見ると、返戻原因は整理しやすくなります。
□ 返戻等一覧表を確認した
□ エラーコード・メッセージを確認した
□ 受給者証と照合した
□ サービス提供実績と照合した
□ 加算・届出内容を確認した
□ 台帳側の不一致も疑った
□ 原因を確認してから再請求した
□ 同じ原因が他の利用者にないか確認した
返戻というと、
「請求担当者が入力を間違えた」
と思いがちです。
しかし、
その原因をたどると、
受給者情報
人員変更
加算
体制届
変更届
など、請求より前の段階に原因があることもあります。
つまり返戻は、
請求だけの問題とは限りません。
何度も同じ返戻が起きるなら、
その都度エラーを直すだけではなく、
事業所の運営情報と請求情報がきちんとつながっているかを確認する必要があります。
請求そのものだけでなく、
その前提となる指定・届出・加算などの行政手続を整理することが重要だと考えています。
いいえ。
事業所の請求情報だけでなく、受給者台帳等との不一致によって返戻となる場合もあります。
まず返戻理由を確認し、元資料と照合します。
原因を直さず同じ内容で再請求しても、再び返戻になる可能性があります。
まずエラー内容と正しい情報を確認してから修正します。
おすすめできません。
横浜市も、警告は支払いが行われる場合があるものの、不整合が生じているため内容を確認し、請求情報が誤っている場合は必要な対応を行うよう案内しています。
次回は、
運営指導の通知が来た!障害福祉の事前準備と初動対応|第6話
です。
運営指導の通知が届くと、
「何を準備する?」
「どの書類を見直す?」
と慌てるかもしれません。
しかし、
通知が届いてからすべての書類を作り直すのは違います。
次回は、
👉 運営指導の通知を受け取った直後、最初に何を確認し、どの順番で準備するのか
に絞って整理します。
行政書士田中穂積事務所では、
放課後等デイサービス
児童発達支援
就労継続支援B型
共同生活援助(グループホーム)
などの障害福祉サービスについて、
請求の前提となる、
加算
体制届
変更届
人員体制
指定後の行政手続
などのご相談を承っています。
「返戻の原因をたどると加算や届出が心配になった」
「請求内容と行政へ届けている体制が合っているか分からない」
という段階でも構いません。
👉 返戻だけを直すのではなく、その原因まで確認する。
そこから必要な対応を整理していきます。
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前回 加算要件を満たせない?障害福祉の減算・返還前に確認すること|第4話
次回 運営指導の通知が来た!障害福祉の事前準備と初動対応|第6話
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。