2026年 9th page

横浜で愛される宿になる!近隣対策とクレーム予防の実務|第10話

こんにちは。旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜市泉区・中田駅の行政書士のブログです。 前回は、「旅のプロが語る!横浜でリピーターが集まる宿と消える宿の違い|第9話」についてお話ししました。 リピーターが集まる宿には共通点があります。それは、お客様との関係づくりを大切にしていることです。しかし、長く続く宿にはもう一つ大切な条件があります。それが、地域との良好な関係です。どれだけ宿泊者から高い評価を受けていても、近隣住民とのトラブルが続けば、宿の経営は苦しくなります。 今回は、地域に愛される宿づくりと、近隣対策の実務について考えてみたいと思います。 地域に愛される宿は長く続く 旅行業界で37年間、数多くの旅館やホテルを見てきました。その中で感じるのは、長く続く宿ほど、👉地域との関係を大切にしているということです。 宿泊業は、宿泊者だけを相手にする仕事ではありません。地域の中で営業し、地域の環境を活用し、地域と共に発展していく事業です。だからこそ、地域との信頼関係は経営資源の一つだと言えるでしょう。 宿泊者・宿・地域の関係を考える 分かりやすく図にするとこうなります。【長く続く宿】宿泊者↓宿↓地域(三者が良好な関係だと)↓リピーター増加↓地域評価向上↓安定経営 一方で、【苦戦する宿】宿泊者↓宿↓地域(苦情・不満が多いと)↓行政相談↓営業への影響 宿泊者だけが満足していても、地域との関係が悪化すると長続きしません。これが宿泊業の特徴です。 「期待値+α」が宿の魅力になる 旅行会社時代、お客様から高評価を受ける宿には共通点がありました。それは、期待を少し超えてくることです。例えば、・地元ロースターのコーヒー、地酒の酒蔵。・地域のハーブを使ったアメニティ。・地元の人しか知らない飲食店情報(穴場)。・おすすめ朝の散歩コース。こうした小さな工夫が、「顧客満足」につながります。私は旅行業時代、企画づくりを仕事にしていました。宿泊施設とも連携し様々な仕掛けをしてきました。宿泊施設だけではなく、👉地域の魅力を伝えることも大切なおもてなしなのだと思います。 クレーム予防は開業前から始まっている 近隣トラブルの多くは、実は開……

7.学習塾などは日本版DBSにどう向き合うべきか

こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回の記事では、「放課後等デイサービス事業者が今から準備すべきこと」についてお話ししました。 これまで認定こども園や放課後等デイサービスなど、日本版DBSの義務対象事業者を中心に見てきました。しかし、日本版DBSの影響を受けるのはそれだけではありません。・学習塾。・書道教室。・そろばん教室。・英会話教室。・プログラミング教室。・スポーツクラブ。こうした民間の教育・習い事事業者にも、大きな関係がある制度です。今回は、学習塾を中心に、日本版DBSとどのように向き合うべきかについて考えてみたいと思います。 日本版DBSはなぜ学習塾も対象になるのか 学習塾は学校ではありません。児童福祉施設でもありません。それでも日本版DBSの対象として認定事業者とされているのは、👉子どもと継続的に接する環境だからです。例えば、個別指導塾では講師と生徒が一対一になる場面があります。自習室管理や面談など、保護者の目が届かない時間もあります。これは書道教室やそろばん教室でも同じです。日本版DBSは、運営施設の種類で判断する制度ではありません。子どもと接する環境に着目した制度なのです。 「うちは小さい教室だから関係ない」は本当か 地域密着型の教室経営者の方からすると、こう感じるかもしれません。「大手学習塾の話でしょう」「個人経営の教室には関係ないのでは」しかし、保護者の視点で考えるとどうでしょうか。子どもを預ける保護者にとっては、大手か個人経営かは本質ではありません。最も気になるのは、👉「安心して通わせられるか」ということです。むしろ地域密着型の教室ほど、保護者との信頼関係が重要になります。 日本版DBSの本質は信頼づくり 私は、日本版DBSの本質は「排除」ではなく「信頼づくり」だと思っています。・子どもの安全を守る・適切な職員管理を行う・トラブルを未然に防ぐそうした取り組みを社会に示す仕組みが、日本版DBSです。今後は、保護者が塾や教室選びをする際にも、安全への取り組みを意識する場面が増えていくのだと思います。 まだ先の話と思わないことが大切 制度施行はまだ先(2026年12月……

旅のプロが語る!横浜でリピーターが集まる宿と消える宿の違い|第9話

こんにちは。旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜市泉区・中田駅の行政書士のブログです。 前回は、「横浜の旅館業をスマート運営!予約システムと省力化の実践法|第8話」についてお話ししました。予約システムやPMS(宿泊管理システム)、サイトコントローラーなどを活用することで、宿泊施設の運営は大きく効率化できます。しかし、どれだけ優れたシステムを導入しても、お客様が来てくれなければ宿は続きません。同時にリピーターも大事です。 旅行業界で37年間、全国の旅館やホテルを見てきた中で感じることがあります。それは、「また泊まりたい宿」には共通点があるということです。 今回は、リピーターが集まる宿と、一度きりで終わってしまう宿の違いについて考えてみたいと思います。 リピーターは設備だけでは生まれない 宿を始めようと考える方の多くは、・設備・内装・デザイン・客室に目が向きます。もちろん大切です。しかし旅行業時代に見てきた現実は少し違いました。 最新設備を導入しても苦戦する宿がある一方で、建物は決して新しくないのに予約が取りづらい宿そんな施設も数多く見てきました。その違いは何だったのでしょうか。私は、「お客様の記憶に残る体験」だと思っています。 宿選びと再訪の理由は違う 旅行者が最初に宿を選ぶとき、多くの場合はとても現実的です。・駅から近いか・観光地に行きやすいか・料金は予算内か・写真の印象は良いか・口コミ評価は悪くないか つまり、初回予約の段階では、「便利そう」「安すぎず高すぎない」「失敗しなさそう」という理由で選ばれることが多いのです。図にすると、こうなります。【初回予約の決め手】立地↓料金↓写真・設備↓口コミ↓予約 しかし、もう一度泊まりたいと思う理由は少し違います。再訪するかどうかは、「泊まる前に見えた情報」ではなく、👉「泊まった後に残った印象」で決まります。 たとえば、・スタッフの対応が気持ちよかった・部屋が清潔で安心できた・地元のお店を教えてもらえた・朝の空気や街の雰囲気が心に残った・またあの場所に戻りたいと思えたこうした体験が、「次もここにしよう」という気持ちにつながります。 【リピーター化の決め手】接客↓清潔感↓地域体験↓安心感↓思……

横浜の空き家を壊す前に考えたい 地域資源としての古民家|第1話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。私は旅行業界で37年間、多くの地域を訪れ、多くの旅館やホテルを見てきました。現在は行政書士として、旅館業や民泊の開業支援にも携わっています。その中で近年強く感じるのが、空き家や古民家を活用した宿づくりへの関心の高まりです。旅館業も、民泊も、地域活性化も、突き詰めれば「地域の魅力をどう活かすか」という話になります。そして私は、空き家を単なる問題として見るのではなく、👉地域の資源として活かす可能性にも注目しています。 そこで日曜日は少し肩の力を抜いて、古民家や空き家の活用について考えてみたいと思います。☕ 空き家は本当に「負動産」なのでしょうか 近年、空き家問題という言葉を耳にする機会が増えました。・人口減少・高齢化・相続さまざまな理由から全国で空き家が増えています。ニュースなどでは、管理されない空き家による倒壊リスクや景観悪化が取り上げられることも少なくありません。確かに、放置された空き家は問題になります。しかし私は、👉空き家を単なる「負動産」と考えるだけでは少しもったいないように感じています。なぜなら、その建物には、地域の歴史や記憶が残っているからです。 旅行者が求めているものは変わってきた 旅行業界にいた頃、旅行者が宿に求めるものは、大型ホテルや豪華な設備が中心でした。しかし近年は少し変化しています。旅行者は、地域らしさを求めるようになりました。 例えば、・古民家を改装した一棟貸しの宿。・地域の食材を使ったカフェ。・歴史ある町並みを活かした観光拠点。こうした場所には、新しいホテルにはない魅力があります。旅行者は、単に泊まる場所を探しているのではありません。👉その地域でしか味わえない体験を求めているのです。 空き家は観光資源になる可能性がある 私が旅館業の相談を受ける中でも、古民家を活用したいという声は年々増えています。もちろん、簡単な話ではありません。・宿にするなら旅館業法・民泊にするなら住宅宿泊事業法・カフェにするなら飲食店営業許可さらに、消防法や建築基準法も関わってきます。 しかし、だからといって不可能なわけではありません。実際に全国では、空き家だった建物が、宿やカフェと……

6.日本版DBS、放課後等デイサービス事業者が今から準備すべきこと

こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回の記事では、「認定こども園は日本版DBSで何が変わるのか」についてお話ししました。認定こども園は日本版DBSの中心的な対象事業者ですが、同じく重要な対象事業者として放課後等デイサービス事業所があります。実際に児童福祉の現場では、子どもと職員との距離が近く、送迎や個別支援など、日常的な関わりが多くなります。そのため、認定こども園とはまた違った視点で日本版DBSへの対応を考える必要があります。 今回は、👉放課後等デイサービス事業者が今から準備しておきたいポイントについて考えてみたいと思います。 放課後等デイサービスはなぜ日本版DBSへの対応が必要なのか 放課後等デイサービスは、障害のある子どもたちや発達に特性のある子どもたちを支援する重要な事業です。そのため、保護者から求められる信頼性も非常に高くなります。私は前職の旅行業界で37年間、「安全と信頼が事業の土台になる」ことを見てきました。これは児童福祉の世界でも同じです。 どれだけ良い支援プログラムがあっても、保護者から信頼されなければ事業は継続できません。日本版DBSは、まさにその信頼を支える制度の一つになると考えています。 職員採用の考え方が変わります 放課後等デイサービスでは、・保育士、・児童指導員、・理学療法士、・作業療法士、・言語聴覚士 など、さまざまな職種が働いています。今後は採用時においても、日本版DBSを前提とした対応が必要になってくるでしょう。 特に重要なのは、採用面接の段階から制度への理解を共有しておくことです。制度が始まって後から説明するよりも、最初から制度の存在を伝えておく方が現場の混乱は少なくなります。 送迎業務にも注意が必要 放課後等デイサービス特有の業務として、送迎があります。送迎車内では、職員と子どもが少人数で接する場面もあります。もちろん大多数の事業所では間違いなく適切に運営されています。しかし、日本版DBSが目指しているのは、問題が起きてから対応することではなく、問題が起きにくい環境を作ることです。 その意味では、送迎体制や記録方法についても見直しのきっかけになるかもしれま……

横浜の旅館業をスマート運営!予約システムと省力化の実践法|第8話

こんにちは。旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜市泉区・中田駅の行政書士のブログです。 前回は、「横浜で旅館業を始めるなら行政書士をどう使う?失敗しない専門家活用術|第7話」についてお話ししました。旅館業許可を取得し無事に開業できたとしても、そこで終わりではありません。むしろ宿泊業は開業してからが本番です。予約管理、顧客対応、チェックイン、清掃手配、レビュー管理。これらを毎日確実に回し続けなければなりません。今回は、旅行業37年の経験と行政書士の視点から、「小規模宿でも実践できるスマート運営」について考えてみたいと思います。 宿は開業してからが本番 まず最初にお伝えしたいのは、旅館業許可はゴールではないということです。図にするとこうなります。 【旅館業経営の流れ】旅館業許可取得↓予約受付↓宿泊↓レビュー投稿↓再予約↓利益つまり、許可取得はスタート地点です。宿泊業は、その後の運営品質によって結果が大きく変わります。 OTA(予約サイト)は敵ではない 現在の宿泊業では、・楽天トラベル・じゃらん・Booking.com・Agoda・ExpediaなどのOTA(Online Travel Agent)の活用が一般的です。旅行業界では昔から、「OTAは手数料が高い」と言われることがあります。確かに送客手数料はどの予約サイトからでも発生します。しかし私は旅行業37年の経験から、OTAを悪者にする必要はないと考えています。なぜなら、開業したばかりの宿にとって、OTAは集客力そのものだからです。開業時の知名度ゼロの状態からでも、世界中の旅行者へ宿を販売できる。これは非常に大きなメリットです。 OTAのメリットとデメリット まずメリットです。・集客力がある・知名度がなくても販売できる・外国人旅行者にもアプローチできる・レビューが蓄積される 一方でデメリットもあります。・送客手数料が発生する・価格競争に巻き込まれやすい・OTA依存になる危険がある 重要なのは、OTAを利用しながらも依存しすぎず直販を増やしていくことです。 サイトコントローラーは宿の生命線 旅行会社時代、私はオーバーブッキングの恐ろしさを何度も見てきました。満室だと思っていたのに予約が入ってしまう。……

5.認定こども園は日本版DBSで何が変わるのか

~園長先生と運営法人が今から準備したいこと~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回の記事では、「日本版DBSの対象事業者とは?~自分の施設が対象か確認してみよう~」についてお話ししました。認定こども園や保育所、放課後等デイサービス事業所など、多くの児童福祉事業者が制度の対象となる可能性があることをご理解いただけたのではないでしょうか。 しかし実際に対象事業者だと分かると、「結局、うちは何を準備すればいいのか?」という疑問が出てきます。私も行政書士としてご相談を受ける中で、制度そのものよりも、実際の運用や準備についての質問が増えてきています。 今回は、義務対象事業者の代表格ともいえる「認定こども園」に焦点を当てながら、日本版DBSによって何が変わるのか、そして園長先生や運営法人が今から何を準備すべきなのかを実務の視点から考えてみたいと思います。 日本版DBSで認定こども園は何が変わるのか まず押さえておきたいのは、認定こども園は制度の中心的な対象事業者の一つになるということです。つまり、「様子を見てから考えよう」では済まない可能性があります。制度開始後は、子どもと接する職員に関する確認手続きや、園としての管理体制整備が求められることになります。重要なのは、確認作業そのものではありません。その情報をどう管理し、どう運用するかです。園長先生が最初に悩むのは職員対応私が今後最も相談が増えると予想しているのは、職員への説明です。制度そのものより、「職員にどう説明するのか」が現場では大きな課題になります。例えば、・なぜ確認が必要なのか・個人情報はどう扱われるのか・同意はどう取得するのか・既存職員はどうなるのかこうした疑問は必ず出てきます。制度への理解が不十分なまま進めると、職員との信頼関係に影響する可能性もあります。 実は見落とされがちな個人情報管理 もう一つ重要なのが個人情報管理です。日本版DBSで扱う情報は、極めて慎重な取扱いが求められる情報です。そのため、単に制度対応するだけではなく、園として、・誰が管理するのか・どこに保管するのか・閲覧権限をどうするのかといったルール整備が必要になります。私は行政書士として、むしろこちらの方が……

横浜で旅館業を始めるなら行政書士をどう使う?失敗しない専門家活用術|第7話

こんにちは。旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜市泉区・中田駅の行政書士のブログです。 前回は、「横浜で旅館業開業にいくら必要?融資・補助金・資金計画の現実|第6話」についてお話ししました。旅館業の開業を考え始めると、多くの方が最初に悩むのは物件探しです。そして次に、保健所、消防署、建築基準法、融資、許可申請など、次々と課題が出てきます。そんな時によく聞かれるのが、「行政書士は何をしてくれるのですか?」という質問です。 今回は、旅館業開業における行政書士の役割と、失敗しない専門家活用術についてお話ししたいと思います。 行政書士は申請代行業者ではありません 行政書士というと、「書類を作る人」というイメージを持たれることがあります。もちろん申請書類の作成は重要な仕事です。しかし旅館業開業において本当に重要なのは、申請書を作ることではありません。むしろ、👉「その物件で本当に開業できるのか」を事前に見極めることです。 私が最初の相談で確認するのも、・所在地・用途地域・建物の用途・図面・資金計画です。 申請は最後の工程であり、開業準備の大部分はその前にあります。 相談のタイミングが早い人ほど失敗しない 実務では、物件契約後に相談されるケースがあります。しかし、「契約してしまった後」では選択肢が限られます。例えば、・旅館業営業が難しい用途地域だった・消防設備費用が予想以上だった・用途変更が必要だった・融資計画が成り立たなかったこうした問題は、契約前なら回避できた可能性があります。 だからこそ私は、「契約前に相談してください」とお伝えしています。行政書士を最も有効活用できるタイミングは、申請前ではなく、物件選定の段階なのです。 旅行業出身だから見えること 私は旅行会社で37年間、数多くの宿泊施設を見てきました。その経験から感じるのは、許可が取れる宿と、成功する宿は違うということです。法的に営業可能でも、・立地・導線・客層・競合環境によって結果は大きく変わります。旅館業許可はスタートラインです。開業後にどう運営していくかまで考えることが大切です。 今や専門家はチームで考える時代 旅館業開業では、行政書士だけで完結しないこともあります。例え……

4.日本版DBSの対象事業者とは?

~自分の施設が対象か確認してみよう~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回は、「日本版DBSはいつから始まるのか」についてお話ししました。施行日が近づくにつれ、事業者の皆さまにとって大切になるのが、👉「うちは対象になるのだろうか?」という問題です。 ニュースなどで日本版DBSという言葉を聞く機会は増えてきましたが、実際には、「認定こども園は対象らしい」「学習塾はどうなんだろう」「うちの事業所は対象になるのかな」と感じている方も多いのではないでしょうか。 今回は、日本版DBSの対象事業者について、現時点で公表されている内容を整理しながら見ていきたいと思います。 日本版DBSには二つの対象区分がある まず知っておきたいのは、日本版DBSには、「義務対象事業者」と「認定対象事業者」の二つがあることです。 ここを混同してしまうと、制度の理解を誤る可能性があります。まずはその違いを整理しておきましょう。 義務対象事業者とは 義務対象事業者とは、👉法律により日本版DBSへの対応が求められる事業者です。現時点では、・認定こども園・保育所・地域型保育事業・放課後児童クラブ・放課後等デイサービス・児童発達支援事業所などが中心になります。 いずれも、子どもと日常的かつ継続的に接する機会の多い事業者です。制度施行後は、必要な対応を行うことが求められることになります。 認定対象事業者とは 一方で、学習塾やスポーツクラブなどについては、現時点では義務対象ではありません。しかし、👉一定の基準を満たした事業者が認定を受ける制度が予定されています。例えば、・学習塾・英会話教室・スイミングスクール・サッカークラブ・ダンススクール・習い事教室などが想定されています。 将来的には、保護者から👉「日本版DBS認定を受けていますか?」と尋ねられ利用検討の判断となる時代が来るかもしれません。 その意味では、義務対象でなくても無関係とは言えない制度だと考えています。 なぜ対象事業者の確認が重要なのか 新しい制度が始まる時、いつも最も危険なのは、「うちは関係な……

横浜で旅館業開業にいくら必要?融資・補助金・資金計画の現実|第6話

こんにちは。旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜(泉区)の行政書士のブログです。 前回は、横浜の旅館業許可申請を解説!保健所審査と必要書類の実務|第5話についてお話ししました。物件が決まり、保健所や消防署との事前相談も進み、いよいよ開業が見えてくると、多くの方が次に直面するのが「お金」の問題です。 ・旅館やホテルを開業したい。・古民家を改修して宿にしたい。・地域に人を呼び込む観光事業を始めたい。その想いは素晴らしいものです。しかし実際の開業相談では、必ずと言っていいほど「結局いくら必要なのですか?」という質問が出てきます。旅館業開業で最も大切なのは、実は許可申請そのものより、しっかりとした資金計画かもしれません。今回は、旅館業開業に必要なお金について、旅行業37年の経験と行政書士の視点から考えてみたいと思います。 旅館業開業で必要になるお金とは 旅館業開業では、想像以上に多くの費用が発生します。代表的なものを挙げると、・物件取得費・改修工事費・消防設備工事費・家具・備品購入費・広告宣伝費・ホームページ制作費・運転資金などです。 特に既存物件を宿泊施設へ転用する場合、消防設備や建築基準法への対応費用が大きくなるケースもあります。また、開業後すぐに満室になるとは限りません。そのため、数か月分の運転資金を確保しておくことも重要です。 融資は悪いことではない 開業相談の中で、「借金はしたくない」という声を聞くことがあります。もちろん自己資金だけで開業できれば理想です。しかし、宿泊業は初期投資が大きい業種です。現実的には、融資を活用しながら事業を立ち上げるケースが多くなります。 代表的なのが、日本政策金融公庫の創業融資です。無担保・無保証で利用できる場合もあり、創業時の資金調達先として広く活用されています。一般的には、総事業費の3分の1程度の自己資金があると、融資審査時に事業計画の説得力が増すと言われています。 融資担当者が見ているのは「返済できるか」 実は、金融機関が最も気にしているのは、建物の立派さではありません。「返済できる事業なのか」という点です。 私は旅行業界で37年間、旅行商品を販売し、宿泊施設と関わってきました。その経験から言えるのは、宿泊施設は……