24.横浜市の認定こども園向け日本版DBS対応

24.横浜市の認定こども園向け日本版DBS対応

~多様な職員を採用・配置・研修の流れから整理する~

こんにちは。
横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。
前回は、
横浜市の事業者が日本版DBSで確認したいこと
について考えました。
日本版DBSは全国共通の制度ですが、
実際に必要となる準備は、
施設の種類。
子どもと関わる業務。
職員の配置。
法人本部と各事業所の関係。
によって異なります。
今回は、横浜市内の認定こども園に焦点を当てます。
認定こども園は、幼稚園と保育所の両方の役割を持ち、教育と保育を一体的に提供する施設です。
園内では、
園長。
保育教諭。
保育士。
補助職員。
事務職員。
調理員。
送迎担当者。
外部講師やボランティア。
など、さまざまな立場の人が子どもと関わります。
今回は、
👉横浜市の認定こども園が、日本版DBS対応を採用・配置・研修・情報管理へどう組み込むか
について考えます。

認定こども園は制度の対象となる施設です

こども性暴力防止法では、学校や児童福祉施設など、子どもに教育・保育を提供する一定の事業者に、
犯罪事実確認をはじめとする防止措置が求められます。
認定こども園についても、設置形態や事業の位置づけを確認したうえで、施行に向けた準備を進める必要があります。
制度は2026年12月25日に施行されます。
ただし、
「認定こども園だから、働く人は全員同じ扱いになる」
と考えるのは適切ではありません。
重要なのは、
👉その人が、どの業務で、どの程度継続して子どもと関わるか
を確認することです。

職種名だけで対象者を決めない

対象となる人を整理するときは、
職員名簿だけを見るのではなく、
実際の業務内容を確認します。
例えば、保育教諭や保育士は、
日常的に子どもと接することが明確です。
一方で、
事務職員。
調理員。
用務員。
送迎担当者。
については、園ごとに子どもとの関わり方が異なります。
事務職員でも、
登降園時に子どもを見守ることがあります。
調理員でも、
食育活動で園児と継続的に関わることがあります。
送迎担当者は、
車内で子どもと接する時間があります。
そのため、
職種。
雇用形態。
勤務場所。
子どもと接する頻度。
一対一になる場面。
周囲の目が届きにくい場面。
を合わせて整理します。
👉「何という職種か」ではなく、「どのように子どもと関わるか」から考えることが大切です。

正職員以外も確認します

認定こども園には、
正職員。
非常勤職員。
短時間勤務者。
派遣職員。
委託先の職員。
など、さまざまな契約形態の人が関わります。
日本版DBSへの対応では、
園が直接雇用しているかどうかだけで判断することはできません。
こども家庭庁の施行ガイドラインでは、対象業務従事者が派遣労働者や個人業務受託者である場合についても、
確認や役割分担に関する留意点が示されています。
例えば、
派遣職員の確認を誰が行うのか。
委託会社との契約で何を確認するのか。
園と派遣元・委託先のどちらが情報を管理するのか。
問題が起きた場合に誰へ報告するのか。
を、契約関係も含めて整理します。
園内で働いているから園がすべて行う。
外部委託だから園には関係がない。
と単純に決めないことが重要です。

外部講師やボランティアは活動内容を確認する

認定こども園では、
英語。
音楽。
体操。
水泳。
絵画。
などの外部講師を招くことがあります。
また、行事や園外活動で、
地域の協力者やボランティアが子どもと関わることもあります。
この場合も、
一度だけの短時間の活動なのか。
年間を通して定期的に関わるのか。
園の職員が常に同席するのか。
講師と子どもだけになる場面があるのか。
写真撮影や着替えの補助などを行うのか。
を確認します。
外部講師やボランティアを一律に同じ扱いにするのではなく、
実際の活動内容を一覧にして整理することが必要です。

採用手続へ日本版DBSを組み込む

日本版DBS対応を別の特別な作業にすると、
確認漏れが起きやすくなります。
そこで、従来の採用手続へ組み込みます。
例えば、
募集前
・予定する職種と業務内容を整理する
・子どもと接する業務に当たるか確認する
採用決定前後
・制度について本人へ説明する
・必要な同意や確認手続を進める
・確認結果を扱う責任者を限定する
入職時
・従事者向け研修を実施する
・園内の報告先と相談方法を説明する
・研修の実施記録を残す
という流れです。
対象事業者は、子どもに接する業務の従事者へ研修を受講させる必要があり、
こども家庭庁から研修動画、資料、確認テストなどが公開されています。
👉犯罪事実確認だけでなく、説明・研修・配置までを採用手続の一部にすることがポイントです。

園と法人本部の役割を分ける

複数の認定こども園や保育施設を運営する法人では、
本部と各園の役割分担が必要です。
法人本部で共通化しやすいものは、
・情報管理の基本方針
・対象者を判断する基準
・職員への基本説明資料
・研修教材
・採用時の共通手順
・法人本部への報告ルール
です。
各園で管理したいものは、
・現在の対象者一覧
・園内の責任者と代行者
・外部講師や委託先の一覧
・研修の実施記録
・園内の相談・報告先
・現場での具体的な対応手順
です。
こども家庭庁は、対応ルール、対応フロー、情報管理規程などのひな型を公開していますが、
実際の組織体制や情報管理方法に合わせた調整が必要です。
👉法人共通の規程だけで終わらせず、各園で誰が動くのかまで決めます。

情報は園内で広く共有しない

犯罪事実確認に関する情報は、
通常の職員情報とは性質が異なります。
そのため、
園長なら全員分を見られる。
法人の人事担当者なら自由に共有できる。
現場の管理者にも詳しい内容を伝える。
という運用は避けなければなりません。
まず決めるのは、
誰が確認結果を閲覧するのか。
どこへ保存するのか。
園と法人本部のどちらで管理するのか。
担当者が不在の場合に誰が代行するのか。
退職や異動時にどう処理するのか。
です。
情報管理規程のひな型も、閲覧者が一人か複数か、専用システム外で記録を保存するかによって分けて用意されています。
👉結果を取得してから考えるのではなく、取得前に管理方法を決めることが重要です。

配置転換や復職時にも確認する

確認が必要になるのは、
新規採用時だけではありません。
例えば、
事務職員を保育補助へ配置する。
育児休業から復職する。
別の園から異動する。
短時間勤務から通常勤務へ変更する。
外部講師との契約内容を変更する。
という場合があります。
職員本人は以前から在籍していても、
担当する業務が変われば、
日本版DBS上の整理も見直す必要があります。
採用時だけの仕組みにせず、
採用。
異動。
復職。
業務変更。
退職。
の各場面へ確認欄を設けると、運用しやすくなります。

横浜市への既存手続と分けて管理する

横浜市内の認定こども園では、
職員配置。
施設運営。
給付認定。
補助金。
園の変更手続。
など、日本版DBSとは別の行政実務もあります。横浜市では、認定こども園について
教育・保育の利用や設置者向けの手続・補助制度などが案内されています。
そのため、職員の採用や配置変更があった場合には、
横浜市への届出や報告が必要か。
日本版DBS上の対象者確認が必要か。
研修・対象者一覧の更新が必要か。
を分けて確認します。
日本版DBSの手続を行えば、
横浜市への既存手続も完了するわけではありません。

今日の実務ワンポイント

現在、園に関わっている人を、
次の四つに分けて書き出してみましょう。
1.園が直接雇用する職員
2.派遣会社から来ている職員
3.委託先の職員
4.外部講師・ボランティア
その横に、
子どもと接する頻度。
一対一になる可能性。
園職員の同席の有無。
確認を担当する組織。
を書き加えます。
👉職員名簿だけでは見えない人まで含めて確認することが、認定こども園の第一歩です。

まとめ

横浜市の認定こども園では、
園長。
保育教諭。
保育士。
補助職員。
事務職員。
調理員。
送迎担当者。
外部講師やボランティア。
など、多様な立場の人が子どもと関わります。
日本版DBSへの対応で大切なのは、
👉職種や雇用形態だけで判断せず、実際の業務内容から対象者を整理すること
です。
そのうえで、
採用時の説明と確認。
入職時・定期研修。
異動や復職時の見直し。
園と法人本部の役割分担。
確認結果の厳格な情報管理。
を、既存の人事・運営業務へ組み込みます。
規程を作るだけでなく、
園の日常業務の中で無理なく続けられる形にすることが重要です。

今日のチェックポイント

□ 職種別ではなく業務内容から対象者を整理している
□ 非常勤・短時間勤務者も確認している
□ 派遣職員の確認方法を決めている
□ 委託先との役割分担を確認している
□ 外部講師の活動内容を把握している
□ 採用手続に日本版DBS対応を組み込んでいる
□ 入職時研修の方法を決めている
□ 異動・復職時にも対象者を見直している
□ 法人本部と園の役割を分けている
□ 情報を閲覧できる人を限定している
すべてにチェックが付かなくても構いません。
まずは、
園に関わる人。
子どもと関わる業務。
確認・管理を担当する人。
の三つから整理してみましょう。

行政書士田中穂積の視点

認定こども園では、
教育と保育を一体的に行うため、
さまざまな職種や雇用形態の人が子どもと関わります。
そのため、
正職員だけ確認すればよい。
保育教諭と保育士だけを対象にすればよい。
外部委託は委託会社に任せればよい。
という整理では、現場の実態と合わないことがあります。
大切なのは、
園で働く人を一律に扱うことではありません。
誰が。
どの業務で。
どの程度継続して。
どのような環境で子どもと関わるのか。
を確認することです。
行政書士としてお手伝いしたいのは、
国のひな型へ園名を入れることだけではありません。
園の職員配置や採用手続を確認し、
法人本部と園の役割を分ける。
採用や異動時の確認手順を作る。
研修と記録を既存業務へ組み込む。
重要な情報を必要以上に共有しない体制を整える。
ことで、園の負担を減らすことです。
そして、園長や職員が制度対応に追われるのではなく、
👉子どもへの教育・保育に専念できる環境をつくる。
それが、認定こども園の日本版DBS対応で大切だと考えています。

Q&A|認定こども園の日本版DBS対応

Q1.事務職員や調理員も必ず対象になりますか。
A 一律に職種名だけで判断するものではありません。
子どもと接する頻度、業務の継続性、一対一になる場面など、実際の業務内容を確認して整理します。

Q2.派遣職員の確認は派遣会社に任せればよいですか。
A 派遣元と園の役割分担を確認する必要があります。
確認を誰が行い、園がどの情報を受け取り、問題が生じた場合に誰が対応するのかを、契約や運用手順の中で明確にします。

Q3.法人共通の規程を作れば、各園の手順は不要ですか。
A 基本方針や情報管理規程は法人で共通化できます。
ただし、責任者、対象者一覧、報告先、研修記録、外部講師の状況などは、各園の実情に合わせて整理する必要があります。

次回予告

次回は、
横浜市の放課後等デイサービス向け日本版DBS対応
について考えてみたいと思います。
放課後等デイサービスでは、
管理者。
児童発達支援管理責任者。
児童指導員。
保育士。
支援員。
送迎職員。
非常勤・兼務職員。
外部講師やボランティア。
などが子どもと関わります。
特に、
送迎中に子どもと一対一になる。
複数事業所を兼務する。
短時間勤務者が多い。
児童発達支援と放課後等デイサービスを多機能型で運営する。
といった、障害児通所支援特有の場面があります。
次回は、
👉横浜市の放課後等デイサービスが、日本版DBS対応を採用・送迎・配置・研修・運営書類へどう組み込むか
について、行政書士としての視点から整理します。

\ 子どもたちの未来を支える事業者の皆さまへ /

行政書士田中穂積事務所
― 横浜の行政書士のアトリエ ― では、
放課後等デイサービス、児童発達支援事業所を中心に、
子どもと関わる事業者の皆さまの運営・法令対応を支援しています。
日本版DBSへの対応をはじめ、
・対象者一覧表、職員説明資料の作成
・同意取得、個人情報管理体制の整備
・社内規程、運用チェックリストの作成
・職員研修、保護者説明会の実施支援
・変更届、加算届、運営規程の整備
・委員会、研修記録、運営指導対策
など、現場で継続して運用できる仕組みづくりを伴走支援しています。
また、
放課後等デイサービス、児童発達支援事業所など、
障害福祉サービス事業者の皆さまへ、
障害福祉サービス事業所 運営・法令対応チェックリスト
無料で進呈しております。
変更届、運営規程、委員会、研修記録、各種運営書類、日本版DBSへの準備状況について、
👉現在できていることと、見直しが必要なこと
を整理できるチェックリストです。
まずは、
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この記事を書いた人 Wrote this article

田中穂積

田中穂積

横浜市泉区・中田駅を拠点に活動する行政書士。旅行業・宿泊業を中心とした観光ビジネスや障害福祉サービスの許認可・開業支援などを行っています。旅行業界37年の経験を生かし、現場と法務の両面から実務情報を発信しています。