横浜の行政書士のアトリエから 8th page

03実務対応編 2026年7月4日

12.日本版DBS導入で対象者一覧表を作る

こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回は、日本版DBS導入で最初に作る実務計画について整理しました。すると実際の現場では、👉「結局、誰を対象職員として整理すればいいのですか?」という質問が多くでてきます。実は、ここが最も実務で迷うポイントです。正社員だから対象。アルバイトだから対象外。そんな単純な話ではありません。大切なのは、👉「雇用形態ではなく、子どもとどのように関わるか」という視点です。 今回は、事業所でそのまま使える「対象者一覧表」を作るイメージで考えてみたいと思います。 なぜ一覧表が必要なのか 日本版DBSへの対応では、最初から「対象者」を正確に判断しようとすると手が止まります。まず必要なのは、事業所の現状を見える化することです。誰が、どのような立場で、どのくらい子どもと関わっているのか。これを整理して初めて、制度への対応を検討できます。 ステップ1 まずは全員を書き出す 最初は難しく考えなくてもOKです。現在事業所に関わっている人を、すべて書き出します。例えば、・正社員・契約社員・パート・アルバイト・外部講師・委託スタッフ・派遣労働者・スポットワーカー・ボランティアここでは、対象か対象外かを判断する必要はありません。まずは漏れなく一覧化することが大切です。 ステップ2 子どもと接する場面を書き添える 次に、それぞれの人が、どのような場面で子どもと関わるのかを書き加えます。例えば、・授業を担当する・送迎を担当する・受付を担当する・イベントだけ参加する・合宿時のみ帯同する・施設管理のみ行うここまで整理すると、子どもとの関わり方が見えてきます。 ステップ3 判断に迷う人は「保留」にする 実務では、すぐに判断できないケースが少なくありません。例えば、「月に数回だけ来る講師」「イベントだけ参加するスタッフ」「短期間だけ雇用するアルバイト」こうした方を無理に対象・対象外へ分ける必要はありません。まずは、『判断保留』という欄を設けて整理しておきます。制度運用や今後のガイドラインを確認しながら、後で見直せる状態にしておくことが実務では重要です。 ステップ4 外部スタッフも忘れない ……

旅館業の人手不足より怖いオペレーション崩壊の実態|第3話

~人が足りない宿ではなく、仕組みが回らない宿になっていないか~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、旅館・ホテルの口コミ評価が下がる宿の共通点についてお話ししました。口コミは、単なるお客様の感想ではありません。清掃、案内、接客、設備、予約対応など、宿の運営体制が表に出る場所でもあります。 今回のテーマは、「オペレーション崩壊」です。宿泊業界では、👉人手不足が年々深刻になっています。求人を出しても応募がない。採用しても定着しない。繁忙期になると現場が回らない。こうした悩みを抱えている宿は少なくありません。しかし実務では、人が足りないことそのものよりも、業務の流れが整理されていないことが宿の運営を苦しくしているケースがあります。清掃。チェックイン。予約管理。問い合わせ対応。スタッフ間の引き継ぎ。緊急時の対応。こうした流れが崩れると、お客様の不満は口コミに表れ、スタッフの負担も大きくなります。そして結果として、「人が足りない」という問題に見えてしまうのです。 今回は、人手不足の前に確認したい宿のオペレーションについて、旅行業37年の経験と行政書士としての視点から、実務的に整理してみたいと思います。 人手不足の前に確認したいこと 宿の運営が苦しくなったとき、最初に出てくる言葉は、「人が足りない」です。もちろん、本当に人手が足りない場合もあります。しかし、現場をよく見ると、人が足りないのではなく、👉業務の流れが整理されていないというケースもあります。例えば、清掃の終了時間が毎日ずれる。チェックイン前に部屋の最終確認が終わっていない。予約変更の情報が現場に伝わっていない。お客様からの問い合わせに誰が返信するか決まっていない。スタッフごとに案内内容が違う。忘れ物対応のルールがない。 こうした状態では、スタッフが何人いても現場は混乱します。人を増やせば解決するように見えて、実は仕組みを整えなければ、新しいスタッフも同じ混乱に巻き込まれてしまいます。人手不足対策の前に、まず確認したいのは、今の業務がどのような流れで動いているかです。 オペレーション崩壊とは何か オペレーション崩壊とは、宿の業務が一つひとつは存在しているのに、全体としてうまくつながって……

03実務対応編 2026年7月2日

11.日本版DBS導入で最初に作る実務計画

~担当者・期限・必要書類を見える化する~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 これまでこのブログでは、日本版DBSについて、制度の概要、対象事業者、認定事業者制度、学習塾やスポーツクラブの対応、認定を受けないという選択肢などについてお話ししてきました。ここからは、いよいよ実務対応編に入ります。 日本版DBSについて調べ始めた事業者の方が感じる一番大きな悩みは、👉「結局、何から始めればよいのか」ではないでしょうか。制度を理解することと、現場で実際に動かせる仕組みを作ることは、まったく別の話です。日本版DBS対応では、対象者を整理し、職員へ説明し、同意取得の流れを考え、個人情報管理体制を整え、必要に応じて規程類も見直す必要があります。つまり、これは単なる法改正対応ではなく、事業所の運営そのものに関わる実務対応です。 そこで今回は、まず最初に作っておきたい「日本版DBS対応の実務計画」について考えてみたいと思います。この記事は、読むだけではなく、実際に自社の計画表を作るつもりで読み進めていただければと思います。 なぜ最初に実務計画が必要なのか 日本版DBS対応でよくある失敗は、「とりあえず分かるところから始める」ことです。もちろん、動き出すことは大切です。しかし、全体像が見えないまま進めると、・誰が担当するのか・いつまでに決めるのか・どの書類が必要なのか・誰に説明するのか・個人情報をどこで管理するのかこうした点が後回しになり、途中で混乱しやすくなります。 特に、放課後等デイサービスや児童発達支援事業所のように複数の職員が関わる現場では、管理者だけで完結する話ではありません。法人本部、管理者、児童発達支援管理責任者、現場職員、採用担当者など、複数の人が関わります。また、学習塾やスポーツクラブなどの認定事業者を検討する事業者でも、講師、コーチ、アルバイト、外部スタッフなどを含めて整理する必要があります。だからこそ、最初に必要なのは、完璧な答えではありません。 まずは、「誰が、いつまでに、何を決めるのか」を見える化することです。 実務計画は完璧でなくてよい ここで大切なのは、最初から完璧な計画を作ろうとしないこ……

旅館・ホテルの口コミ評価が下がる宿の共通点とは|第2話

~お客様の不満は、開業後の運営体制に表れる~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。前回は、旅館業許可取得後に本当に始まる宿経営についてお話ししました。旅館業は、許可を取得すれば終わりではありません。お客様を迎え始めてから、本当の宿経営が始まります。今回のテーマは、「口コミ評価」です。ただし今回は、「良い口コミを増やしましょう」「悪い口コミには丁寧に返信しましょう」という話で終わらせるつもりはありません。それだけでは、実際の宿の改善にはつながりにくいからです。今回お伝えしたいのは、口コミを、宿の運営改善に使う方法です。 旅館・ホテルの口コミ評価が下がるとき、そこには必ず理由があります。清掃が悪い。接客が悪い。設備が古い。このように一言で片付けてしまうこともできます。しかし実務では、もう少し細かく見る必要があります。お客様は、何に不満を感じたのか。それは、一度だけのミスなのか。何度も繰り返されている問題なのか。現場の誰が対応すべき問題なのか。すぐ直せるのか。時間や費用がかかるのか。ここまで分けて考えないと、口コミは改善に使えません。 そこで今回は、口コミを単なる評価として読むのではなく、👉「口コミ分解シート」を作るイメージで、宿の運営改善につなげる方法を考えてみたいと思います。 口コミは点数よりも「中身」を見る 予約サイトやGoogleマップの口コミを見ると、つい点数に目が行きます。4.5なのか。4.0なのか。3点台に落ちていないか。もちろん点数は大切です。しかし、宿の改善で本当に見るべきなのは、点数そのものではありません。大切なのは、👉何について不満が書かれているのかです。例えば、同じ3点の口コミでも、内容はまったく違います。「部屋は良かったが、チェックイン案内が分かりにくかった」という口コミと、「清掃が不十分で、もう泊まりたくない」という口コミでは、改善すべき内容が違います。また、「スタッフの対応が冷たかった」という口コミと、「駐車場の場所が分からなかった」という口コミでも、対応すべき担当者や改善策は変わります。口コミを読むときは、良い悪いで一喜一憂するのではなく、👉どの業務に関する指摘なのかを分けて見ることが大切です。 まず口コミを5つに分類……

10.日本版DBS制度の認定を受けないという選択肢はあるのか

~日本版DBSと事業者の安全対策を考える~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回の記事では、「スポーツクラブは認定を受けるべきか」についてお話ししました。スポーツクラブでは、外部コーチ、アルバイトスタッフ、短期スタッフ、遠征や合宿など、学習塾とは異なるリスク管理が必要になる場面があります。 そしてその前の記事では、認定事業者になるメリットとデメリットについても考えました。ここまで読まれた方の中には、こう感じた方もいるかもしれません。「認定を受けるのは大変そうだ」「うちの教室規模では現実的ではないかもしれない」「では、認定を受けないという選択肢はあるのだろうか」 今回は、認定を受けないという選択肢はあるのかについて考えてみたいと思います。結論から言えば、事業規模や運営形態によっては、認定を受けないという判断もあり得ると思います。しかし、ここで大切なことがあります。子どもの安全対策は全事業者に求められる。ということです。 認定を受けないという経営判断はあり得る 日本版DBSの認定制度は、すべての民間事業者に義務付けられているものではありません。・学習塾、・スポーツクラブ、・書道教室、・そろばん教室、・英会話教室、各種習い事教室などでは、認定を受けるかどうかは、事業者自身が判断することになります。例えば、・個人経営の教室・少人数で運営している学習塾・地域密着型の習い事教室こうした事業者にとって、認定取得に伴う事務負担や運用コストは、決して小さくないかもしれません。 そのため、認定を受けないという判断自体は、一つの経営判断としてあり得ると思います。 ただし「何もしない」とは違う ここで注意したいのは、認定を受けないことと、何もしないことは違うという点です。認定を受けなければ、制度上の認定事業者としての義務は発生しないかもしれません。しかし、子どもと関わる事業者として、安全対策を考えなくてよいわけではありません。 採用時の確認。・職員や講師への説明。・外部講師の管理・アルバイトスタッフの管理・保護者への説明・個人情報の管・相談窓口や報告ルールこれらは、認定の有無にかかわらず、子どもと関わる事業者にとって重要なテーマです。……

旅館業許可取得後に本当に始まる宿経営|第1話

~開業はゴールではなく、本当のスタート~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 旅館業許可を取得し、いよいよ宿がオープン。長い準備期間を乗り越え、この日を迎えられたことに、まずは心からお祝いを申し上げます。しかし私は、旅行業界で37年間、そして現在は行政書士として多くの宿づくりに関わる中で、一つ強く感じていることがあります。本当の宿経営は、許可を取得してから始まる。ということです。 前シリーズでは、旅館業許可の取得方法、事業計画、建築基準法、消防法、資金計画、運営準備など、「開業まで」に必要なことをお話ししてきました。しかし実際には、開業後に初めて直面する悩みや課題の方が、はるかに多いのです。そこで今回から新シリーズ「旅館業 開業後の落とし穴」をスタートします。このシリーズでは、・人手不足・口コミ管理・OTAへの依存・外国人雇用・消防・保健所対応・近隣トラブル・法令改正・事業承継など、開業後に本当に起こる問題を、旅行業37年の現場経験と、行政書士としての法務視点の両面から、実務ベースで考えていきます。 私は旅行会社で長く、「旅を売る仕事」に携わってきました。 そして現在は、行政書士として「宿を創る仕事」に関わっています。 その二つの経験から言えることがあります。宿は、開業しただけでは続きません。地域から愛され、旅行者に選ばれ、時代の変化に対応しながら、少しずつ育てていくことで、初めて地域に根付く観光事業になります。 私は、旅館業とは単なる許可ビジネスではなく、「地域に人を呼び、地域を活性化する観光事業」だと位置づけています。 だからこそ、開業後の課題にも、真正面から向き合うことが大切です。 このシリーズでは、単なる制度解説ではありません。実際に現場で起こること。その背景にある法律や制度。そして、行政書士としてどのように伴走できるのか。そんな視点を大切にしながら、全13話(予定)でお届けしていきます。 旅館業をこれから始める方にも、すでに宿を運営している方にも、きっと役立つ内容になると思います。ぜひ最後まで、お付き合いいただければ幸いです。 行政書士田中穂積の視点 旅行業界で37年間、多くの宿を見てきました。繁盛する宿もあれば、残念ながら姿を消してしまった宿……

なぜ今、横浜では古民家宿が選ばれるのか|第2話

~旅行者が求める価値の変化と地域資源としての可能性~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回の記事では、「空き家を壊す前に考えたい、地域資源としての古民家」についてお話ししました。 空き家は、放置すれば負の遺産として地域の問題・課題になることがあります。しかし一方で、地域資源として活かせる可能性も秘めています。今回は、「なぜ今、古民家宿が選ばれるのか」について考えてみたいと思います。 私は旅行業界で37年間、数多くの旅館やホテルと関わってきました。その中で強く感じているのは、旅行者が宿に求める価値が、昔と今では少しずつ変わってきているということです。日曜日の今日は少し肩の力を抜いて、古民家や空き家の活用について考えてみましょう。☕ 「泊まる」から「体験する」へ かつて宿選びでは、駅や繁華街から近く賑やか。設備が新しい。部屋が広い。そんなことが大きな評価基準でした。もちろん、今でも大切な要素です。しかし最近では、「その土地でしか味わえない時間」を求める旅行者が増えているように感じます。図にするとこんなイメージです。【これまで】立地↓設備↓料金↓宿泊 【これから】地域らしさ↓体験↓思い出↓再訪(リピート) 宿泊そのものではなく、その土地で何を感じられるか。それが旅の価値になりつつあるのです。 古民家宿だからこそ生まれる体験 古民家宿には、最新ホテルにはない魅力があります。木の香り。梁の存在感。縁側から眺める庭。地域で受け継がれてきた建物だからこそ、その場所でしか味わえない空気があります。旅行者が求めているのは、豪華さだけではありません。「ここでしか過ごせない時間」なのだと思います。 地域を知ることが旅の魅力になる 旅行業時代、私は全国各地の旅館やホテルを訪れてきました。人気のある宿には共通点があります。👉地域を大切にしていることです。・近くの商店を紹介する・地元の食材を提供する・地域のお祭りを案内する宿だけではなく、宿を拠点に地域全体を楽しんでもらおうという姿勢があります。 宿は、地域への入口でもあるのです。古民家は地域の資源になる前回の記事でもお話ししましたが、私は空き家を単なる問題として見るのではなく、地域の資源とし……

9.スポーツクラブは日本版DBS制度の認定を受けるべきか?

~日本版DBSを経営判断として考える~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回の記事では、「8.認定事業者になるメリットとデメリット」についてお話ししました。認定を受けることは、単なる制度対応ではなく、経営判断でもあるというお話でした。 今回は、「スポーツクラブは認定を受けるべきか」について考えてみたいと思います。7話でお話しした学習塾と今回お話しするスポーツクラブ。どちらも子どもと関わる事業ですが、実は日本版DBSとの関係で見ると、👉スポーツクラブの方がより大きな影響を受ける可能性があります。なぜなら、スポーツ指導の現場には、更衣室、遠征、合宿、外部コーチなど、学習塾にはない環境が存在するからです。 スポーツクラブは学習塾と何が違うのか 例えば学習塾の場合、多くは教室内で授業を行い、一定時間が経過すると帰宅します。【学習塾】授業↓帰宅 一方、スポーツクラブでは、【スポーツクラブ】練習↓更衣室↓個別指導↓遠征↓合宿↓大会という流れになることも珍しくありません。つまり、子どもと大人が接する場面が多く、関係性もより密接になりやすいのです。 だからこそ、安全管理やリスクマネジメントの重要性が高くなります。 外部コーチやアルバイトの存在 スポーツクラブには、正社員だけでなく・外部コーチ・アルバイトスタッフ・大学生スタッフ・短期指導員 などさまざまな立場の人が関わります。こども家庭庁の資料でも、派遣労働者、スポットワーカー、ボランティアなども対象として想定されています。 つまり、「うちは正社員だけ管理しているから大丈夫」という話ではありません。誰が、どのような形で、どれだけ子どもと接するのか。これを整理することが、日本版DBS対応の第一歩になります。 認定取得のメリット スポーツクラブが認定を取得するメリットは、👉保護者への安心感を示しやすいことです。また近年、スポーツ指導の現場でも、安全管理への関心は高まっています。技術指導だけではなく、運営体制そのものが評価対象になりつつあります。認定制度が広く認知されれば、「安全対策に取り組んでいるクラブ」というメッセージを伝えやすくなるで……

横浜の旅館業を“地域の資産”に変える!|最終話

~旅行業37年の行政書士が語る成功ロードマップ~ こんにちは。旅行会社で37年間、「旅を売る現場」に携わり、現在は「宿を創るお手伝い」をしている横浜市泉区・中田駅の行政書士のブログです。このシリーズでは、・旅館業とは何か・事業計画・用途地域と建築基準法・消防法対応・資金計画・許可申請・運営体制・リピーターづくり・地域との共存など、旅館業開業に必要なポイントを順番にお話ししてきました。そして今回はいよいよ最終話です。旅館業許可を取得し、宿を開業し、お客様を迎える。もちろんそれは大切な目標です。しかし私自身は、本当のスタートはそこからだと考えています。 今回は、旅行業37年の経験を通じて感じてきた、「長く続く宿とは何か」について考えてみたいと思います。 許可取得はゴールではなくスタート 旅館業の相談を受ける中で、「許可さえ取れれば何とかなる」と考えている方も少なくありません。しかし実際には、当たり前のことですが許可取得はスタートラインです。図にするとこうなります。【旅館業開業の流れ】物件選定↓許可取得↓開業↓運営改善↓地域との共存↓リピーター獲得↓地域の資産へ 旅館業は、許可を取って終わる事業ではありません。開業後にどう育てていくか。そこが本当の勝負になります。 なお、旅館業許可申請の具体的な流れや、保健所審査・必要書類については、別の記事で詳しく整理しています。横浜市で旅館業を始める前に、あわせて確認しておくと、許可取得までの実務の流れが理解しやすくなります。 ▶ 横浜の旅館業許可申請を解説!保健所審査と必要書類の実務|第5話 長く続く宿に共通すること 旅行業時代、私は全国の数え切れないほどの宿を見てきました。その中で感じるのは、長く続く宿には共通点があるということです。設備が豪華だからではありません。建物が新しいからでもありません。共通しているのは、地域との関係を大切にしていることです。地域の飲食店を紹介する。地元の魅力を伝える。近隣住民との関係を大切にする。そうした積み重ねが、結果として宿の価値になっていきます。 宿は地域の広告塔でもある 宿泊者は、宿だけを利用するわけではありません。・食事をする・観光する・買い物をする・地域を歩くつまり宿は、その地域の入口です。私は旅行業界で長く働……

8.日本版DBS認定事業者になるメリットとデメリット

~日本版DBSは経営判断になる時代へ~ こんにちは。横浜市泉区・中田駅近くで開業する行政書士が、日本版DBS制度について、子どもと関わる事業者の方に向けて解説します。 前回の記事では、「学習塾は日本版DBSにどう向き合うべきか」についてお話ししました。日本版DBSが始まることで、学習塾や書道教室、そろばん教室などの民間教育事業者も、子どもの安全と保護者からの信頼について考える時代がやってきます。今回は、認定事業者になるメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。日本版DBSをめぐる議論の中で、「認定を受けた方がいいのか」「受けないという選択肢はあるのか」という声をよく耳にします。しかし私は、これは単なる制度対応の話ではなく、👉経営判断の絡んでくる話だと思っています。 日本版DBSの認定制度とは 前回も触れましたが、認定事業者制度は、義務対象事業者ではない民間事業者が、一定の基準を満たした場合に認定を受けられる仕組みです。学習塾、スポーツクラブ、習い事教室などは主な対象として想定されています。つまり、法律で義務付けられているわけではありません。認定を受けるかどうかは、👉事業者自身が判断することになります。 認定を受けるメリット 最大のメリットは、👉保護者からの信頼向上でしょう。これまで保護者は、立地や料金、カリキュラムなどを比較して教室を選んでいました。しかし今後は、安全対策という視点が加わる可能性があります。【これまで】料金↓立地↓カリキュラム↓入会 【これから】安全性↓料金・立地↓信頼性↓カリキュラム↓入会もちろん、すべての保護者が認定制度を理解しているわけではありません。しかし制度が浸透していけば、「どのような安全対策を行っているのか」という点が選ばれる理由の一つになる可能性があります。 認定を受けるデメリット 一方で、認定には一定の負担も伴います。・職員管理・個人情報管理・運用ルールの整備・継続的な管理体制これらは一度作れば終わりではありません。👉運用し続ける必要があります。特に小規模事業者にとっては、人的負担や事務負担をどう考えるかが大きな課題になるでしょう。 本当に重要なのは認定取得そのものではない ここで誤解してほし……