05観光ビジネスを形にする実務 2nd page

イベント参加者のホテルもまとめて手配したい|主催者がやっても大丈夫?|第4話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、ホテルのフロントで地域体験を予約してあげたいというケースから、案内するだけなのか。予約まで受けるのか。代金まで預かるのか。という、宿泊施設と地域サービスの関わり方を考えました。今回は立場を変えて、イベントを主催する側から考えてみます。たとえば、横浜でスポーツ大会を開催する。展示会を開く。学会や研修会を開催する。音楽イベントを企画する。全国から参加者が集まるので、「せっかくだから近くのホテルもまとめて予約してあげよう」と思った。参加者にとっては、とても便利です。でも、ここで出てくるのが、「イベント主催者がホテルまで手配しても大丈夫?」という疑問です。今回の結論を先にお伝えします。👉 イベント主催者だから自由に宿泊を手配できる、というわけではありません。ポイントは、イベントの案内をしているのか、参加者のために他社の宿泊を手配しているのかです。 1.ホテルを「紹介する」のと「予約する」のは違います まずは、シンプルなケースです。イベントの案内ページに、「会場周辺にはこのようなホテルがあります」と掲載する。各ホテルのホームページへリンクする。参加者自身が、ホテルを選び。ホテルへ申し込み。ホテルへ料金を支払う。この形なら、主催者の役割は基本的に、宿泊情報の案内です。では、「宿泊をご希望の方はこちらからお申し込みください」と主催者が希望を集め、ホテルへまとめて予約する場合はどうでしょう。ここでは、主催者が参加者とホテルの間に入ることになります。👉 「ホテルを教える」のと、「参加者の代わりにホテルを取る」のは同じではありません。まずここを分けて考えます。 2.ホテルを参加者のために手配すると、旅行業法の確認が必要になる 旅行業法では、他人が提供する宿泊サービスについて、代理媒介取次などを行うことが、基本的な旅行業務に含まれています。つまり、イベント主催者だから。スポーツ団体だから。会社だから。NPOだから。という肩書きだけで判断するものではありません。見るべきなのは、実際に何をしているかです。参加者から宿泊希望を受ける。主催者がホテルへ予約する。部屋を割り当てる。宿泊代を集める。キャンセルを受け付ける。このように関与が増えていけば、単……

ホテルのフロントで地域体験を予約してあげたい|どこまでならできる?|第3話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「地域のお店を紹介して、予約につながったら手数料をもらいたい」というケースから、「紹介」という名前ではなく、誰が予約を受けるのか。誰が契約するのか。誰がお金を受け取るのか。を見ることが大切だとお話ししました。 では今回は、もう少し日常的な場面でみてみます。ホテルのフロントで宿泊客から、「明日、近くで何か体験できませんか?」と聞かれました。スタッフが、「この陶芸体験が楽しくておすすめですよ」と案内する。ここまでは自然なおもてなしです。では、「予約もしてもらえますか?」と言われて、代わりに予約したら?さらに、体験料もホテルで受け取ったら?キャンセルになったとき、ホテルが返金まで対応したら?ここで、「どこまでならホテルのサービスとしてやっていいの?」という疑問が出てきます。今回の答えを先にお伝えします。👉 地域体験の予約を手伝っただけで、直ちに旅行業になるわけではありません。ただし、予約・代金・契約・キャンセル対応までホテルが抱え込むと「ホテルは何をしているのか」を整理する必要が出てきます。今回は、その境目を考えてみましょう。 1.「おすすめですよ」と案内するだけなら? まず一番シンプルなケースです。宿泊客に、「近くにこんな体験があります」と案内する。パンフレットを渡す。体験事業者のホームページを紹介する。QRコードを案内する。そして旅行者自身が体験事業者へ申し込み、直接支払う。この場合、ホテルは基本的に、地域情報を案内する役割です。地域のお店や体験を紹介すること自体は、宿泊客の満足度を高める大切なサービスでもあります。👉 これは「紹介するだけ」であることを確認しましょう。 2.「代わりに予約しておきます」で何が変わる? 次は、宿泊客から頼まれて、ホテルスタッフが体験施設へ電話をするケースです。「明日の10時に2名、空いていますか?」「では予約をお願いします」ここまで進むと、単なる情報提供よりホテルの関与は深くなります。ただし、陶芸。料理体験。文化体験。観劇。施設入場。など、運送・宿泊以外のサービスだけを単独で手配することは、旅行業に該当しない例として観光庁から示されています。ですから、「体験を予約した=すぐ旅行業」では……

地域のお店をまとめて紹介して手数料をもらいたい|これも旅行業になる?|第2話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「私でも横浜で観光ビジネスを始められる?」という疑問から、誰に。何を。どのように提供するのか。を最初に整理することが大切だとお話ししました。では、こんなビジネスを思いついたらどうでしょう。「横浜のいいお店をたくさん知っている」「地域の体験施設や飲食店を観光客に紹介したい」「自分のホームページでまとめて紹介して、予約につながったら紹介料をもらえないかな」一見すると、地域のお店を紹介しているだけに見えます。でも、ここで気になるのが、「手数料をもらったら旅行業になるの?」ということです。今回の答えを先にお伝えします。👉 「手数料をもらう=すぐ旅行業」ではありません。一方で、👉 「紹介しているだけ」と呼べば旅行業にならない、というわけでもありません。大切なのは名称ではなく、実際に誰のために、何を、どこまでやっているのかです。今回は、そこを集中して整理します。 1.まず「何を紹介するのか」で話が変わります たとえば、あなたのサイトで、横浜のレストラン。陶芸体験。ものづくり体験。イベント。地域の商品。などを紹介するとします。一方で、ホテル。旅館。貸切バス。航空券。などを紹介する場合もあります。同じ「観光客への紹介」でも、旅行業法上は同じように扱われるとは限りません。旅行業法では、報酬を得て、宿泊や運送について契約の代理・媒介・取次などを事業として行うことは、旅行業に該当し得ます。観光庁の資料でも、旅館のあっ旋や航空券販売などが旅行業務の例として示されています。一方、飲食、体験、イベントなど、運送・宿泊以外のサービスだけを単独で扱う場合は、同じ判断にならないことがあります。観光庁も、運送・宿泊以外のサービスだけを手配するケースを旅行業に該当しない例として整理しています。👉 「地域のお店を紹介する」と一括りにせず、まず何を紹介するのかを分けてみましょう。 2.「広告を載せる」のと「予約を取る」のは同じではない 次に確認したいのが、あなたはどこまで関わるのかです。たとえば、自分のサイトに、「この店がおすすめです」と掲載する。そして、「予約はこちら」と、お店自身の予約ページへ案内する。ここでは、あなたの役割はかなり「情報提供……

私でも横浜で観光ビジネスを始められる?|最初に何を決めればいいのか|第1話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 「旅行や観光の仕事経験はないけれど、観光に関わる仕事をしてみたい」「地域のお店や体験をつないで、何か事業にできないかな」「空き家や宿泊施設を使って、観光客を呼べないだろうか」そんなアイデアはある。でも、次にこんな疑問が出てきませんか。「そもそも、私でも横浜で観光ビジネスを始められるの?」結論から言えば、👉 観光業界の経験がなくても、観光ビジネスを始めることはできます。ただし、最初から旅行業登録や宿泊施設の許可について調べ始める必要はありません。その前に決めたいことがあります。それは、「誰に、何を、どんな形で提供するのか」です。今回は、「観光の仕事を始めてみたいけれど、何から考えればいいのか分からない」という方に向けて、最初の一歩を整理します。 1.観光ビジネスは旅行会社だけのものではありません 「観光ビジネス」と聞くと、旅行会社。ホテル。旅館。観光バス。などを思い浮かべるかもしれません。私もこれまでそのような内容のブログを書いてきました。しかし、観光に関わる仕事はそれだけではありません。地域のまち歩きやものづくりの体験。飲食。地域イベント。古民家活用。宿泊。外国人旅行者向けサービス。地元の商品販売。など、地域を訪れる人に何かを提供する事業も広い意味では観光ビジネスにつながります。ですから、「旅行会社で働いたことがないから無理」と最初から考える必要はありません。むしろ、自分がこれまで経験してきたこと。地域で知っていること。自社がすでに持っている商品やサービス。そこから観光との接点を探すことができます。 2.最初に決めたいのは「誰に来てほしいのか」 「横浜で何か観光事業をしたい」だけでは、まだ少し広すぎます。最初に考えてほしいのは、誰に来てほしいのかです。たとえば、横浜を初めて訪れる国内旅行者なのか。何度も横浜へ来ている人なのか。外国人旅行者なのか。家族連れなのか。シニアなのか。趣味を目的に訪れる人なのか。対象が変われば、提供するものも変わります。👉 「何を売るか」より先に、「誰のどんな時間をつくるのか」を考える。ここが観光ビジネスのスタートです。 3.「横浜なら何が売れる?」から考えなくてもいい ここでよくあるのが、「……

続く観光ビジネスをつくる|旅行業・宿泊・体験・地域連携を一つに考える|第12話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 これまで、旅行業。宿泊。体験。送迎。地域連携。インバウンド。収益。について見てきました。 最終回となる今回は、「観光ビジネスを始めても、ちゃんと続けていけるのか」という悩みを考えます。観光事業は、面白い企画がある。地域資源がある。人を呼べそう。というだけでは続きません。売れること。利益が残ること。人が回せること。必要な許認可を守れること。地域との関係が続くこと。まで含めて、一つの事業として考える必要があります。👉 続く観光ビジネスは、「面白い企画」ではなく、「売れる・回る・利益が残る・適正に続けられる仕組み」でつくられます。 「やりたいこと」が多すぎると続きにくい 観光ビジネスでは、宿泊もやりたい。体験もやりたい。食事も出したい。送迎もしたい。地域の商品も売りたい。となりやすいものです。しかし、サービスを増やすほど、人員。設備。予約管理。契約。許認可。費用。も増えていきます。👉 最初に大切なのは、「何を増やすか」ではなく、「何を自社の中心にするか」を決めることです。 「誰に売るのか」が曖昧だと商品もぼやける 続く事業にするには、誰に来てもらいたいのかを明確にします。家族旅行。法人。外国人旅行者。地域との出会いや体験を求める人。特定の趣味を持つ人。によって、価格。商品内容。販売方法。必要な対応。は変わります。👉 「観光客なら誰でも」ではなく、「誰に選ばれたいか」を決めると、事業全体が整理しやすくなります。 売上だけでなく「残る金額」を見る 前回見たように、売上が大きくても、仕入れ。人件費。広告費。システム費。施設維持費。などを差し引いて利益が残らなければ続きません。観光事業では特に、宿泊。交通。体験。販売手数料。など、お金の流れが複雑になりやすいです。👉 「いくら売れたか」ではなく、「最後にいくら残るか」を毎回確認することが重要です。 「自社でやること」と「他社に任せること」を分ける すべてを自社で抱える必要はありません。宿泊は宿泊事業者。交通は交通事業者。体験は地域事業者。販売は旅行会社。というように、それぞれの得意分野を組み合わせる方法があります。自社ですべて行うほ……

観光ビジネスの収益はどこで生まれる?|手数料・旅行代金・体験料を整理~|第11話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「インバウンド向け観光事業を始める前に整えたいこと」として、予約・決済・案内・食事・緊急時対応など、外国人旅行者を受け入れるための仕組みを見てきました。 今回は、「観光ビジネスを始めたいけれど、どこで利益が出るのか分からない」という悩みを整理します。観光事業では、旅行代金。手数料。宿泊料。体験料。販売手数料。など、さまざまなお金が動きます。しかし、売上が大きいことと、利益が残ることは同じではありません。👉 観光ビジネスでは、「いくら売るか」より先に、「誰からいくら受け取り、誰へいくら支払うのか」を整理することが重要です。 まず「売上」と「利益」を分けて考える たとえば、旅行者から3万円を受け取った。これだけを見ると、3万円の売上があるように見えます。しかし、その中から、宿泊施設。交通事業者。体験事業者。ガイド。などへ支払う費用があれば、そのまま3万円が利益になるわけではありません。👉 最初に見るべきなのは、「受け取る金額(売上高)」ではなく、「最終的に何が残るのか(売上総利益)」です。 旅行代金の中から利益が生まれる場合 旅行会社が、宿泊。交通。体験。などを組み合わせて旅行商品として販売する場合、旅行者から旅行代金を受け取ります。そこから、宿泊代。交通費。食事代。施設利用料。これら仕入代金などを支払います。そして、販売価格と仕入・運営コストとの差が収益につながります。 原価優先で安く仕入れればよいわけではない 利益を増やそうとして、仕入価格だけを見るのは危険です。予約対応。変更対応。キャンセル対応。緊急時対応。などにもコストがかかります。👉 旅行商品では、「販売価格-仕入価格」だけでなく、運営にかかる手間(コスト)まで含めて考えましょう。 手数料で収益を得る方法もある 観光ビジネスでは、自社で商品をすべて提供せず、紹介や販売の手数料を収益とするビジネスモデルもあります。たとえば、体験商品を販売して手数料を受け取る。地域の商品を紹介して販売手数料を受け取る。予約を取り次いで手数料を受け取る。といった形です。ただし、「手数料」という名前であれば何でも自由にできるわけではありません……

インバウンド向け観光事業を始める前に整えたいこと|第10話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「観光協会・DMO・地域事業者と観光商品をつくるには」として、地域の商品を実際に販売できる形にするための役割分担を見てきました。 今回は、「外国人旅行者を受け入れたいけれど、何から準備すればよいのか分からない」という事業者向けに、インバウンド受入れの基本を整理します。インバウンド対策というと、ホームページの外国語化や外国語対応スタッフを思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、予約。決済。案内。食事。交通。緊急時対応。など、旅行者が利用を終えるまでの流れ全体を見る必要があります。👉 インバウンド対応は、「外国語対応」ではなく、「外国人旅行者が迷わず利用できる仕組みづくり」です。 まず「誰に来てほしいか」を決める 「外国人観光客を増やしたい」だけでは対象が広すぎます。国・地域。年齢。旅行目的。予算。興味。によって、求めるものは異なります。日本文化を体験したい人。地域の日常を楽しみたい人。食を目的に訪れる人。家族旅行。個人旅行。では、必要なサービスも変わります。👉 最初に「外国人」ではなく、「どんな旅行者に来てほしいか」を具体的にしましょう。 外国語対応より「予約できるか」を確認する ホームページを英語にしても、それだけで予約につながるとは限りません。旅行者が知りたいのは、何ができるのか。いくらなのか。どこにあるのか。どう予約するのか。どう支払うのか。です。 旅行者目線で見る 自社サイトを、初めて日本へ来る旅行者になったつもりで確認します。場所は分かるか。料金は分かるか。予約方法は分かるか。問い合わせ先は分かるか。👉 「読めるか」ではなく、「自分だけで予約できるか」で確認しましょう。 予約・決済・アクセスを一つで考える 予約できても、支払えない。現地まで行けない。では利用につながりません。 決済 事前決済。現地決済。クレジットカード。など、支払方法を整理します。 アクセス 最寄駅。バス。徒歩ルート。所要時間。目印。も明確にします。特に地域型観光では、「最後の移動」が分かりにくいことがあります。👉 「予約→決済→現地到着」までを一つの流れと……

観光協会・DMO・地域事業者と観光商品をつくるには|第9話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「小さな旅行会社は何を売る?|大手と競わない旅行商品のつくり方」として、地域。テーマ。法人・団体。インバウンド。など、小さな旅行会社だからこそ持てる強みを考えました。 今回は、その旅行商品を、地域の事業者と一緒につくる場合を考えます。観光商品は、一社ですべてを用意する必要はありません。宿泊施設。飲食店。交通事業者。体験事業者。観光協会。DMO。自治体。などが連携することで、一つの地域を魅力的な旅行商品として見せることもできます。しかし、「みんなで地域を盛り上げよう」だけでは、実際の販売は始まりません。👉 地域連携を観光ビジネスにするには、「誰が何をするのか」を具体的に決める必要があります。 地域にはすでに「商品になる素材」がある 地域には、宿泊。食。歴史。文化。自然。交通。体験。人。など、さまざまな観光資源があります。問題は、それぞれが別々に存在していることです。たとえば、泊まる場所はある。食べる場所もある。面白い体験もある。でも、旅行者から見ると、どう組み合わせて利用すればよいのか分からないということがあります。そこで、「宿泊+食」「まち歩き+体験」「交通+観光施設」といった形でつなぐことで、「地域にあるもの」が「旅行商品」に近づいていきます。👉 地域連携の役割は、新しいものを全部つくることではなく、すでにある魅力をつなぐことでもあります。 観光協会やDMOは何をするのか 地域の商品づくりでは、観光協会やDMO(Destination Marketing / Management Organization)が関わることがあります。 地域の事業者を集める。観光資源を発掘する。商品づくりを支援する。情報を発信する。旅行者のデータを集める。など、地域全体をつなぐ役割が期待されます。しかし、ここで注意したいのが、「商品を企画すること」と「旅行商品を販売すること」は同じではないという点です。地域の魅力を集め、モデルコースを作ることと、実際に旅行者と契約し、宿泊や交通を手配して販売することは別の問題です。👉 観光協会やDMOが関わる場合も、「誰が最終的に販売するのか」を明確にすることが重要です。 ……

小さな旅行会社は何を売る?|大手と競わない旅行商品のつくり方|第8話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「旅行会社勤務から独立開業するには|経験を事業に変える準備」として、顧客。仕入先。旅行業務取扱管理者。営業所。資金。得意分野。など、独立開業に必要な準備を見てきました。 今回は、その次に考えたい、「では、小さな旅行会社は何を売ればよいのか」というテーマです。大手旅行会社には、知名度。仕入力。広告力。販売網。があります。同じ商品を、同じ売り方で、価格だけで競争するのは簡単ではありません。だからこそ、👉 小さな旅行会社は、「何でも売る」より、「この旅行ならここに頼みたい」と思われる分野を持つことが重要です。 小さいからこそ「狭く深く」が強みになる 小さな旅行会社の強みは、大きな会社のようにすべてを扱うことではありません。むしろ、地域に詳しい。特定の顧客層に詳しい。特定の目的の旅行に詳しい。という専門性です。たとえば、地域特化。歴史・文化。スポーツ。教育旅行。法人旅行。インバウンド。趣味・テーマ旅行。などがあります。👉 「誰にでも売れる旅行」ではなく、「特定の人に強く選ばれる旅行」を考える方が、小さな会社には向いています。 地域特化は小さな会社と相性がよい 地域に詳しいことは、大きな強みになります。地元の宿。飲食店。体験事業者。ガイド。交通。地域イベント。こうした情報をつなげることで、大手には作りにくい商品ができます。たとえば、横浜の港町をテーマにしたまち歩き。地域の食を組み合わせた小規模ツアー。地元の事業者を訪ねる体験旅行。などです。👉 地域を知っていること自体が、旅行商品の価値になります。 テーマ旅行は価格競争になりにくい 旅行の目的がはっきりしている商品も、小さな旅行会社に向いています。たとえば、鉄道。写真。歴史。酒蔵。建築。音楽。スポーツ。などです。こうした旅行では、「安いから買う」だけではなく、自分の興味を分かってくれる旅行会社だから買うという理由が生まれます。 知識そのものが商品になる テーマ旅行では、どこへ行くかだけではなく、なぜそこへ行くのか。どんな順番で巡るのか。誰に案内してもらうのか。といった企画力が価値になります。👉 小さな旅行会社では、「詳し……

旅行会社勤務から独立開業するには|経験を事業に変える準備|第7話

こんにちは。横浜市泉区・中田駅を拠点に活動している行政書士の田中穂積です。 前回は、「異業種から旅行業へ参入するには」として、既存事業の強みを旅行ビジネスへつなげる考え方を見てきました。 今回は、旅行会社で働いてきた方が、自分で旅行会社を始める場合を考えます。旅行会社で長く仕事をしていると、得意な旅行商品。付き合いのある仕入先。顧客。販売方法。旅行業務の流れ。などを理解しているため、「いつか自分でやってみたい」と考える方もいるでしょう。しかし、会社員として旅行業務を行うことと、自分で旅行会社を経営することは同じではありません。👉 独立開業では、旅行業の経験を「自分の事業」として組み立て直すことが必要です。 まず「何を売る旅行会社にするか」を決める 独立を考えると、最初に旅行業登録を調べたくなります。しかし、その前に整理したいのが、自分は何を売る旅行会社をつくるのかです。たとえば、国内の地域旅行。団体旅行。教育旅行。スポーツ旅行。訪日旅行。特定の趣味やテーマに特化した旅行。企業向けの出張・研修旅行。など、旅行会社の形はいろいろあります。 前職の経験をそのまま持ってくるだけではない 会社員時代に得意だった仕事は、大きな強みです。しかし、勤務先のブランド。仕入条件。顧客基盤。社内システム。などがあって成立していた部分もあります。独立後は、「自分自身の強みは何か」を改めて考える必要があります。👉 独立では、「旅行業界で何年働いたか」より、「その経験を誰に、何として売るか」が重要です。 顧客はどこから来るのか 独立後に最も大切な問題の一つが、誰に買ってもらうのかです。旅行商品を作れても、顧客がいなければ事業にはなりません。以前から付き合いのある顧客。地域の事業者。法人。学校。趣味のコミュニティ。インターネットからの新規顧客。など、どこから顧客を獲得するのかを考えます。 前職の顧客は自分の顧客とは限らない ここは特に注意したいところです。勤務先で担当していた顧客や取引先との関係については、雇用契約。秘密保持。競業に関する取り決め。顧客情報の取扱い。などにも注意する必要があります。👉 「知っている顧客がいる」ことと、「独立後に営業できる」ことは分けて考えましょう。 ……